勝鬨(かちどき)橋

 隅田川に架かる26の橋のうち、一番河口に近いの が勝鬨橋です。そして、永代橋、清洲橋とともに重要文化財に指定されています。
 紀元2600年の記念イベントとして月島で開催が計画された国際博覧会に合 わせて建設されました(昭和15年竣工)。勝鬨橋は上流側にある造船所に出入りす る船舶などを通すため跳ね上げ式の可動橋(跳開橋)となっています。しかし交通量 の増加や造船所がなくなったことなどにより開く必要性がなくなり、昭和45年を最 後に閉じたままとなりました。

 築地側の橋のたもとには「かちどき 橋の資料館」が あります。この建物もかつては勝鬨橋を開閉するために電力を供給する変電所でした。 橋の開閉には直流モーターを使用していましたので、ここで交流電動機により直流発 電機を回していました。2セットありますが通常は1セットで運転し、他は主として 予備機となっていました。

 橋にはかなり太目の橋脚が2つあり、両側のアー チ橋に挟まれて中央にハの字型に開く開口部があります。開口部はロックピンによっ て固定されているため合わせ目が車両などの重量によりずれることはありません。
 開口部を開く際、支点を中心にバランスを保つためのカウンターウェイトがあ ります。そのカウンターウェイトが収納されるようにするため橋脚が太くなっていま す。

 橋脚の上には運転室、見張室、宿直室などの小さな部 屋があり、ここで運転操作が行なわれました。
 そしてこの小屋の下には橋脚に入るための垂直のハシゴがあります。そのハシ ゴを降り、さらに階段を下るとすでに水面より下の橋脚内部に入ることができます。 ((財)東京都道路整備保全公社のご好意によりヘルメットとハーネスを着用しての見 学です。)

 変電所からの直流電力は橋脚内の2台の125馬力モ ーターに供給されました。通常は1台でしたが強風時や降雪時には2台が使用されま した。(125馬力モーターとは普通自動車のエンジン並で、思ったほど強力ではな いようです)
 そのモーターの回転は4段の歯車によって減速され、5段目でピニヨンからラ ックに伝えられます。その結果、950トンの橋桁を最大角度70度まで70秒で開 くことができました。

 勝鬨橋ができる以前、月島への交通は渡し舟に頼っていました。明治38年に 日露戦争で勝利したことを記念して新たに「かちどきの渡し」が設けられ、現在の橋 の名前の由来となっています。ただ、実際の渡し場はこの橋の位置より約100mほ ど下流にあったようです。
 小学生のころ遠足で開いた勝鬨橋を見たことがあるような気もしますが確かで はありません。開かなくなってからすでに30数年ですが、最近、再び跳開させてみ ようとの動きはあると聞きました。しかし機械物ですから錆びたり歪んだりしている でしょうし、また電気系統もおそらく全てを新品にする必要があると思われ実現させ るのは夢のような話だと思います。
 
(2009年11月)



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