旧多摩聖蹟記念館

 京王線の聖蹟桜ヶ丘駅から連光寺の坂を登り、都立桜ヶ丘公園に入ると、 雑木林の中に丸い建物が現れます。一見UFOのようにも見えるこの建物が「旧多摩聖蹟記念館」です。
 駅名の一部にもなっている「聖蹟」とは天皇が訪れた場所という意味がります。 またお出かけになることを「行幸」(ぎょうこう/みゆき)といい、旧鎌倉街道から分岐した 旧川崎街道が大栗川を横切るところに行幸(みゆき)橋があります。つまり明治初期のころ明治天皇が この地を訪れ、ウサギ狩りや鮎漁を行なったということです。なお、聖蹟桜ヶ丘の駅名はそれまで 関戸駅であったものが昭和12年に改称されたものです。
 建物は楕円形で、1930年(昭和5年)の竣工。80年近くを経た今でも多摩の山の上には 場違いなほど変わった建物となっています。内部中央には馬に跨った明治天皇の等身大像が置かれているほか (撮影禁止)、幕末から維新にかけての著名人の書状などが展示されています(時期により展示内容は変わります)
 建物の名前になぜ「旧」とつくのかよくわからないのですが、記念館としての役割が 変わったということのようです。
 
(2008年12月)



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