JR両国駅

 JR総武線の両国駅はかつて房総方面への玄関口でした。 そのターミナル駅としての威厳をわずかに残すこの駅舎は昭和4年(1929年)に建築されています。 しかし現在総武本線の起点は東京駅の地下に変わってしまい、両国駅は単なる通過駅にすぎず、 本線は駅の北側の地下を通って地上に出てきます。現駅は総武線各駅停車だけの駅です。
 駅の機能が少なくなったのに伴い、この昭和の味のする駅舎内には今では居酒屋チェーンなどの 飲食店が入って営業しています。


 両国国技館に近いこの駅の改札を入ると壁に大きな力士の額が飾られており、 床面には御影石だと思われますが黒っぽい色の石で丸く描かれ、土俵をかたどっています。


 高架の総武線ホームから一段低い位置に、かつて総武線特急の始発ホームであった3番線ホームが 見られます。改札からこのホームへの通路は通常シャッターで閉じられていますが、 この秋にこのホームを利用したジャズ・コンサートがあり開放されました。
 数十mほどのレトロな通路の先の階段を上ると懐かしさの漂うホームになります。


 かつて5番線まであったといいますが3番線以外には保全用車両などが置かれていました。

 このホーム、まったく使われていないかというとそうでもなく、房総方面に夕刊を運ぶための 新聞輸送列車が日曜祝日以外の午後に限って停車するようです。蘇我から内房・外房線に分かれて行く 8両編成の客車の一部に新聞が乗せられるようです。
 (2010年3月13日のダイヤ改正によりこの新聞輸送列車は廃止されました。)
 
(2008年11月)



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