慶應義塾大学

 慶応義塾大学三田キャンパスはJR田町駅の北西、桜田通りから一段高くなった丘の上にあります。 いくつかの校舎がある中にいずれも国の重要文化財に指定されている図書館旧館と福澤諭吉創設の三田演説館 があります。



 図書館旧館はひときわ目立つ赤レンガの建物で1912年(明治45年)に建てられました。 慶應義塾創立50周年を記念してというからその創立時期の古さに驚かされます。(創立は安政5年)


 正面玄関を入ると赤じゅうたんの敷かれたホールがあり、2階へと上る階段の正面に有名な ステンドグラスが見られます。

 この絵の意味は、右上の女神と左下の鎧武者がそれぞれ西欧文明と日本文化を象徴していて、 女神(西欧文明)が扉を開けて入ってきて封建制度を突き崩し、対する鎧武者(日本文化)が馬から下りて 西欧文明を迎え入れるということです。女神が左手にクロスしたペンマークを持っているのは日本に初めて 近代教育をもたらした慶應義塾の姿を示しているとのことです。


 もう一つのうんちくとしては図書館旧館の上部に据えられている時計のことになりますが、 この文字盤は数字ではなくラテン語の「時は過ぎゆく」(Tempus Fugit)、 つまり「光陰矢のごとし」を意味する11の文字が入っています。そして不足するあとひとつの12時の部分には 砂時計が彫られています。


 独特のなまこ壁を持つ建物は三田演説館といって福沢諭吉によって建てられた日本最初の演説会堂です。 移築されてはいますが1875年(明治8年)の建築です。


 内部はアメリカ中西部の教会を模して設計されたとのこと。 「演説」発祥の地としていくたびものスピーチが行なわれたのでしょう。
 

(2008年4月)



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