旧乃木邸

 乃木将軍といえば日清・日露の両戦役に従事し、明治天皇の崩御と同時に割腹殉死した 乃木希典(のぎ まれすけ)その人です。
 1902年(明治35年)に新築された乃木邸はその敷地とともに比較的質素なもので 乃木将軍の人柄を表しているとも言われています。


 地下鉄乃木坂駅をでて乃木神社に向かうとその隣に旧乃木邸があります。 旧乃木邸は9月の乃木将軍自決の日にあわせて内部が一般公開されます。 (通常は乃木邸の周囲に用意された内部見学用のテラスから当時の寝室などを窓越しに見ることができます)


 木造3階建ての邸の中は台所、料理場、風呂、食堂、応接室などのほか乃木夫妻が 明治天皇の後を追って自刃した部屋や畳表に残された血痕の跡が遺品とともに展示されています。


 明治の将軍の移動手段はまだ馬でした。邸宅に比べて厩舎の方が豪華な煉瓦作りになっているのは、 愛馬を大切にしていたからとのことです。


 邸の外の一段下がったところ、乃木夫妻が命を絶った部屋の真下には終戦の年の9月に、 あのマッカーサー元帥が植樹したというアメリカハナミズキの木があります。
 

(2007年9月)



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