日本橋



 日本橋の上には空がない。首都高の腹が見えるだけ! ちょっと残念な景観です。

 江戸時代、その当時の日本橋は五街道の基点として街道沿いを中心に、さまざまな商店が並び、 老若男女、商人、武士、町民問わず、人があふれている一大繁華街でした。いま、 当時の江戸の趣きは残していないものの、三井本館、日本銀行、三越日本橋本店などの歴史的建造物や 老舗が点在し、古いものと新しいものが同居した独特の雰囲気を持ち続けています。


 日本橋川にこの橋がかけられたのは江戸幕府を開いた徳川家康の命によるもので1604年には、 五街道の基点とされました。現在のものは1911年(明治44年)に架けられた花崗岩による石造りの 二連アーチ橋で、橋の中央には「日本国道路元標」の文字が埋め込まれているとのことです。(道路センターなので見られませんが このレプリカが橋の北西詰の広場に設置されています) 中央にはブロンズの装飾柱が立ちその下には空想動物、麒麟の像があるほか、両端には獅子の像もあります。 現在の橋は第十九代目に当たるもので1999年(平成11年)に国の重要文化財に指定されました。


 東京オリンピックを契機に整備された首都高速道路によってこの日本橋の真上にも高速道路が 建設されてしまいました。その後、橋の上から富士山はおろか空さえも見上げる事ができなくなっています。 (なお、この首都高を地下へ通し、景観を復活させる構想が浮き上がっています)
 

(2006年6月)



戻る