銀座和光ビル(旧服部時計店)



 銀座4丁目交差点といえば日本一地価の高いところとして有名でした。そこに三愛ビルと 並んでシンボル的存在であった旧服部時計店があります。
 服部時計店の創業は1881年(明治14年)のことです。時計の輸入販売が主であったのですが その後精工舎を設立、国産化しました。社名は後に株式会社セイコーとなりました。現在、 和光本店が入っていますが株式会社セイコーの小売部門が独立した子会社です。


 現在のビルが竣工したのは1932年(昭和7年)ですが、それ以前に明治28年に設置された 初代の時計塔がありました。その当時から時計店らしく、広範囲から時間が確認できるよう設計されていて、 都合100年以上にわたって時を告げてきたことになります。ちなみに時計塔の頂上までは約40mです。 そして文字盤は正確に東西南北の方向を向いていて、4丁目交差点に面している文字盤が南面です。


 太平洋戦争のときの空襲で銀座の中心地は焼け野原となりましたが、自然石を使用した 堅牢なつくりのため被災を免れました。ただ時計塔の文字盤だけは被害を受けました。 敗戦後の一時期は占領軍のためのPX(米兵用の売店)やスナックバーであったこともあります。
 

(2006年6月)



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