旧第一生命館



 旧第一生命館は、この裏側にある農林中央金庫のビルと合わせて再開発され、 DNタワー(第一生命館のDと農林中央金庫のNをとった)という名の高層ビルになっています。
 再開発の際に旧第一生命館と農林中央金庫のかなりの部分は撤去されることなく残されました。 これは歴史的な建造物の保存すると容積率が有利になるとのことでとられた処置のようです。

 ビル自体は1938年(昭和13年)に建てられましたが保険書類を守るためか非常に 堅牢な造りになっています。終戦直後の1945年9月に連合軍総司令部(GHQ)により接収されました。 このときにGHQから出された命令は「72時間以内に立ち退くこと、 そして書類以外の備品の持ち出しは禁止」ということでした。これを粛々と実行し、 以後GHQ本部として使用されました。マッカーサー元帥の執務室が現在でも残されているそうです(非公開)。 その部屋に残るマッカーサー元帥愛用の机は引き出しのないものだそうで、 何事も即断即決をするためだったといわれています。

 「第一生命保険相互会社」と書かれた正面玄関を出入りするマッカーサー元帥の姿が 記録写真などで残されています。そして6年10か月後の1952年7月に接収は、解除され返還されました。

 余談ですが丸の内から日比谷にかけてのほとんどのビルは占領軍に接収され、 当時その屋上には星条旗がはためいていたそうです。
 

(2006年7月)



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