旧新橋停車場駅舎



 ♪汽笛一声新橋を・・・の歌に歌われている新橋駅は実のところ長いこと貨物専用駅であった汐留駅 のことをさしています。
 汐留シオサイトの高層ビル群に囲まれてちょっと場違いな感じの建物は旧新橋停車場の駅舎です。 植込みと手前の道路にさえぎられ、なかなか全景を収めることができません。一見、古い建物のように見えますが、 実は元あった場所に元の造りと同じようにして再現されたものです。 したがって正確に復元されたものではないのですが往年の雰囲気は十分に伝わります。

 もともとは1872年(明治5年)に開業した鉄道ターミナル新橋停車場の駅舎でした。 その後は貨物専用駅として汐留駅と改称され、関東大震災で火災のため焼失しました。 汐留駅は物流の大拠点として戦前戦後を通じて東京の経済活動を支えてきたのですが、 1986年(昭和61年)その使命を終え廃止されました。

 後に跡地の再開発に先立って発掘調査が行われ、一部の遺構とともに駅舎とプラットホーム、 双頭レールを使用した軌道跡が再建されました。そしてその奥に0哩(ゼロマイル)の碑もありました。
 なお、現在のJR新橋駅は当初烏森(からすもり)駅として開業したのですが東京駅の開業に伴って 新橋駅と改められ、元からあった新橋駅のほうが汐留駅と改称されたものです。


(2006年5月)



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