・・・ 国立駅と鉄道総研 ・・・

 JR中央線国立駅が建て替えられるという話しは以前からありましたが、 それがこの10月にとうとう解体ということなってしまいました。大学通りから見る駅南口の三角駅舎は美しく、 国立らしさがあり保存が望まれています。
 たまたまJR鉄道総合技術研究所の公開日でしたので合わせてのレポートとなります。
 
(2006年10月記)

 【JR国立駅】
 10月はじめの新聞に国立駅の駅舎がいよいよ10日から解体されるという記事が掲載されていました。 その週の土曜日を待って14日にようやく訪れることができました。
 

 背景にマンションが入っていますが、まっすぐの大学通りから見る三角屋根の国立駅はユニークです。 駅舎としての機能はすでに新しい建物のほうに移り、三角屋根の駅舎部分は解体工事のため囲まれていました。

 この駅舎は東京では原宿駅の次に古い木造建築駅舎であり、デザインの美しいことでも知られています。 (原宿駅の竣工が大正12年、国立駅は大正15年)
 右の画像は駅舎からつづく、使われなくなったホームへの階段部分です。

 駅の南側にある直線的な道路(富士見通り、旭通り、大学通りおよび学園通りを結ぶと三角駅舎と 相似形であることをこのとき知りました。完全な三角ではなく、 右側が切れているところまでそっくりになっています。

 幸いなことに、後日(10月25日)、国立市の文化財に指定され、一部解体が始まっているものの 駅舎本体は同じ位置に再築されることになったそうです。

 余談ですが、駅前ロータリーの中には1940年(昭和15年)の紀元2600年を記念して建立された 「国威宣揚」と刻まれた国旗掲揚塔があります。これも戦争にかかわる負の遺産ということになるのでしょうか。

 【鉄道総研】
 国立駅の北側には鉄道総合技術研究所(以下「鉄道総研」と略す)があり専用の引き込み線があったのですが、 2004年に廃止されてその跡地は駐輪場になっています。
 

 その線路跡は単線幅で、なだらかにカーブしながら鉄道総研の方向に伸びていました。 今は無造作に自転車が置かれています。

 工場なのか集合住宅なのかよくわからないところをくぐり抜けます。というか線路をまたいで 階段が作られたのでしょう。

 突き当たった道路の向う側はフェンスで囲まれた鉄道総研の敷地になり、ようやくレールが現れました。

 そして客車のようなものがこれまた無造作に一両、置いてありました。敷地の周囲を回ると、 ところどころで内部の様子を覗き見ることができます。といっても線路と古そうな車両ばかりですが。
 本来は最初に始める鉄道模型のように長円形に研究所を一周する形でレールが引かれていたようですが、 今、残されているのは北側と西側部分だけです。地図を見るとかすかにその痕跡が確認できます。

 この日はたまたま「平兵衛まつり」といって鉄道総研の一般公開日でした。年に一度、 研究施設の公開や実験、鉄道模型運転などのアトラクションがある日です。

 もともとは運輸大臣(現、国土交通大臣)の設立許可を得て1987年(昭和62年)に JR各社と同時に発足した日本国有鉄道の研究開発を継承する財団法人です。車両、土木、電気、情報、 材料、環境、人間科学など、鉄道技術に関する研究を行っていますが、特筆すべきは 山梨リニア実験線(超伝導リニア)の研究母体であるということです。
 
 鉄道総合技術研究所の所在地である「国分寺市光町」の光はここで開発した新幹線「ひかり」号にちなんで 名づけられました。正門前の「ひかりプラザ」には0系新幹線の先頭車両が展示されています。 それ以前は「平兵衛新田」という地名であったため「平兵衛まつり」と呼んで10月の鉄道の日近辺に 一般公開されています。

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