かつて、中央本線の前身である甲武鉄道が都心と新宿、立川、 八王子を結んでいました。その甲武鉄道の起点駅であったのが万世橋駅です。 ターミナル駅として賑わっていたのですが、やがて東京駅にとって代わられ、単なる通過駅となってしまいました。 しかも関東大震災により焼失し、その後に建てかえられたのですが、駅としての機能は縮小され、 やがて廃止されたのです。 (注:旧万世橋駅は1912(明治45)年に開業。東京駅と同じく建築家辰野金吾の設計によるものです。 1943(昭和18)年には実質的に廃駅になり、三十数年しか使われていません。 物資欠乏の折から駅の設備や備品は同時期に開業した新子安駅に転用されたということです。) |
![]() この図は交通博物館のパンプレットから取り込んだもので、展示スペースのほとんどが 旧万世橋駅を利用していることがわかります。 今回特別に公開された遺構は右手の①:万世橋側レンガアーチ内と②:短い方のホームへの階段です。 |
この交通博物館は今年の5月14日に閉館し、2007年10月14日、埼玉県さいたま市大宮区 (たぶんJR敷地内)に「鉄道博物館」として新たにスタートすることになっています。 万世橋駅が廃止された後、遺構は原則として非公開でした(2001年に「交通博物館開館80周年」 記念として一般公開されたことはある)。したがって今回の特別公開はまたとない機会であって、 姿を消してから60年以上を経てもなお、かつての駅の痕跡を随所に見ることができました。 さて、移転した後はどうなってしまうのだろう。 建物は解体されたとしても高架橋をなくすわけにもいかないし・・・。 |
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