神田川に架かる昌平橋と万世橋との間に万世橋駅はありました。その万世橋側に交通博物館の入口があります。
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1階は蒸気機関車、電気機関車、その他車両、信号機などの鉄道関係が、そして2階と3階には自動車、
バイク、船舶、航空機など交通に関する実物や模型による展示がされています。
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中でも人気のあるのがパノラマ模型運転場です。約1/8スケールのHOゲージで運転時間が決められています。
一日数回(季節と曜日によって異なる)、1回30分で朝の始発から日中、夜行運転までを模擬した
展示内容になっています。
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中央線の御茶ノ水駅から神田駅にかけての緩やかなカーブにそって、レンガ積みのアーチ式高架橋が
見られます。万世橋高架橋といい神田川沿いに延長111mあるそうです。アーチとアーチの間には
「メダリオン」という円盤形の装飾があります。
昌平橋から御茶ノ水駅間、そして万世橋から神田駅間ではこのレンガ積みの下の空間は飲み屋や
倉庫のようにして利用されています。
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今の交通博物館の建物は正確には3代目で、初代の豪華な建物が震災で焼失した後、残った1階部分を
利用してわりと質素な2代目の駅舎ができたのです。3箇所の集改札口がありましたが、
その後鉄道博物館と併設され3代目の駅舎となり、改札口も1箇所となって大部分は博物館のスペースとなりました。
ホームへの階段は2箇所になり、そのうちの一つは博物館に直結していました。
ちなみに館内1階の休憩コーナーはそのときのホームへの階段であり、
その踊場の部分が利用されているのです。この先を左に上がってホームに出たと思われます。
(後に示す図のBの場所)
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博物館の屋上に出ると、金網越しに万世橋駅のホームが見られます。
もともとは長短2本のプラットホームがあって、屋根もついていたようです。2本のうち
手前の短い方はこのとおり現存するのですが、奥の長い方は撤去されて保線車両などが置かれています。
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見学コースはプラットホームの神田寄りにある出入口跡にたどり着きます。
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見学は時間と人数を制限されて行われていました。
1回あたり20分、20名ごとガイドさんに案内されて入っていきます。
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はじめに@の場所で、右の画像のこの位置が外の万世橋から見た一番左のアーチの部分になります。
そして緑色の鉄骨の上にレールが乗り右手方向が神田駅方面です。
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次に細長い通路を通ってAのところから階段を登ります。「まんせいばし」の駅標が目を引きました。
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上からはまぶしい光が差し込んできています。ちなみに階段の縁にあるべき鉄材は戦時物資として
供出されてしまったそうです。
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そしてガラス越しにホームを覗いたそのとき、すぐそばを東京行きの快速電車が通過しました。
「旧万世橋駅」のホームは草に覆われてはいましたがはっきりと形を成しています。
再現したらしい新品の「まんせいばし」の駅名表示が置かれていました。
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ところで博物館展示室の奥の方はこの画像のような柱に仕切られた、妙に窮屈な空間となっています。
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この位置は神田川に近い位置にあるホームの下にあたり、
その元の姿は右の画像のようなものであるためとわかりました。
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見学コースでは高架下レンガアーチ内のスクリーンで、旧万世橋駅や交通博物館の歴史をまとめたビデオ
「さよなら交通博物館、そしてありがとう」を上映していました。
さらに博物館1階の休憩室横には「万世橋 失われた幻の駅」のミニ展示コーナーがあります。
館内にはほかにも船舶や航空機、自動車と数々の展示物があり仕組みや歴史を含めて大人でも楽しめます。
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