・・・ 奥多摩湖にあったロープウェイ ・・・

 かつて奥多摩湖にロープウェイがかかっていたといいます。昭和36年10月に、 日本ケーブル株式会社により建設されたロープウェイです。奥多摩湖の川野とその対岸を結んでいましたが、 開業後数年あまりで廃止になったそうです。その後40年、駅舎と鉄塔、ケーブルをまるまる残したまま 放置されています。

 Rev.1 2001年11月 「かわの駅」側記載
 Rev.2 2005年 2月 「みとうさんぐち駅」側を追記



 奥多摩湖の大麦代駐車場から湖岸の国道411号を進み、小菅村側に分岐する深山橋の手前に 川野トンネルがあります。そのトンネルの出口にちょっとしたおみやげやがあって、そこの駐車場から店の前の道を 右手方向に少し登ります。うるさい犬がいましたが、見上げるとロープウェイの鉄塔が見えます。 しかし、さらに上に登っていく道が見つかりません。

 元の駐車場に戻って国道を横切り、トンネルに向かって左の急坂を登ってみました。 そこにいた犬はおとなしかったです。カーブしながらトンネルの真上あたりの位置に登りつめると 「ありました!」。フェンスの中にテニスコートとゲートボール場があって、 その向こうにロープウェイ乗り場だった建物を見つけました。

 裏手から近づいてみると中の機械室が覗けるのですが、暗いせいかゾクッと来ます。表にまわり、 崖の下を覗き込むと、ゴンドラが一台吊り下げられていました。「くもとり」と書かれています。
 でも「OKK」とはなんだろう。勝手に解釈すると「奥多摩観光開発」か?  いや、 小という文字をデザインしたようなマークがついているところからすると「小河内観光開発」か?

 建物の入口から中に入ると最初に目に付くのが、日本ケーブル株式会社の「奥多摩湖ロープウェイ 三線交走式普通索道」の看板です。長さ621m、昭和36年10月竣工となっています。 妙に光っているのが印象的でした。

 ホームに下りてみるとそこには手書きで書いたような「かわの」という駅名表示があり、 対岸の駅名表示は「みとうやま」となっていました。(あとで出てきますがほんとは「みとうさんぐち」 ではないでしょうか。)

 両駅の間の支柱は2基、最大36人乗りのゴンドラが時速10km、 両駅間を3分ほどで結んでいたそうです。

 ホームは二つ分あってそれぞれにゴンドラが入るようになっています。

 36人乗りとなっていますが、ぎゅうぎゅうに詰めてもどうかなと思うような大きさです。 すでにガラスはないし、椅子のたぐいもありません(もともとないのかしら?)。

 これまた手書きで書いた機械室という表示のかかった部屋を覗いてみると(扉はすでにない)、 大きな歯車にロープがかかっていました。

 ほかには運転室もあります。

 駅舎のホームの上の階には切符売り場のあとや、トイレの跡があります。 非常持ち出しの箱がなんとも廃な形で置かれていました。

 また外側の鉄製階段を使って屋上に登ることができます。 ここは展望台として使用されていたと思いますがなかなかの眺めです。

 さて、対岸はどうなっているのでしょう。普段は全く気にすることもないのですが、 しっかりケーブルが張られて残っています。 深山橋が出来たことできっとこのロープウェイはご用済みになったのでしょう。

 対岸の駅は、奥多摩周遊道路の旧料金所(これもすでに“廃”です)のところにあります。 パーキングエリアのところに草に覆われた鉄塔が建っていて、道路を越えた山側に駅があります。 旧料金所のところから駅に登る階段がありますが、少し登ってはみたものの道が途中からすっかり 自然に帰っていてたどり着けませんでした。


 2005年2月、奥多摩周遊道路側に再度訪ねる機会がありました。

(注意) 「みとうさんぐち駅」への接近は極めて困難です。 草木の茂っている夏場、雨の翌日、積雪時などではやめたほうが賢明です。旧料金所の裏側には、 わずかに石段が残っていてそこを登ることになりますが、石段の上で道は消えてなくなります。 あとは急な斜面を木を掻き分け、枝につかまりながら登らなくてはならず、非常に危ない場所です。 それなりの準備が必要ですので、どうしても行かれる場合にはあくまでも自己責任ということで行動してください。
 ちなみに筆者は春先にアイゼンと手袋を用意していきました。

 この時期、木の葉はまったく枯れ落ちていて見通しがよく、旧料金所脇のパーキングから 木々の間をすかして旧駅舎を見ることができます。そしてこれは望遠で撮ったものですが「みとう」とかかれた ゴンドラも見えます。(夏の間はほとんど見えません。)

 こちらの駅舎は今はもう使われていない旧奥多摩湖周遊道路の料金所跡の裏山を登ったところにあります。
 道路脇には雪が積もっていて旧駅舎までの階段も雪で凍り付いていました。やわらかい雪ならともかく これでは絶対にすべります。いったん戻ってアイゼンを付けて登ることにしました。
 調子よく登れ、木につかまりながらも一段低いホームにたどり着けました。

 こちらの駅舎も荒れ放題です。機械室や改札跡、トイレ跡等が寒々としたコンクリートの建物に 収まっていました。
 ホームには「みとうさんぐち」と手書きの看板があります。荒れてはいるもののまだ読める状態でした。 しかしこの駅名のもとは「三頭山」(標高1531m)だと思われますが、登山口としての役目もあったのでしょうか。



 もう動くことのないゴンドラが雪の中で少しだけ明るく照らし出されていました。
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