【授業目的】
日本列島とアジア諸地域の交流についての史実を学び、歴史的理解を深めることを目的とする。特に、国家的枠組みでの外交や貿易だけでなく、国境をこえるさまざまなレベルの交流に光をあてる。そのため扱う時期は、近代国家の領土・領海や国籍という論理でおおわれる以前の前近代が中心となる。
【授業概要】
プリントとスライドなどを利用した講義と、受講者によるディスカッションで、授業を進める。可能な範囲で史跡や博物館等の見学もおこなう。
【授業計画】
前期
1.日本人はどこから来たか?
2.渡来人とヤマト政権
3.古代寺院と外来技術
4.遣唐使の旅、商人の旅
5.古代国家の出入国管理
6.僧侶の中国留学
7.東アジア交易と張宝高
8.貿易商人の国籍
9.自閉する平安貴族
10.多国籍都市・博多の形成
11.在日外国人の国籍と自意識
12.東シナ海の船旅
後期
1.国際港・神戸の誕生
2.東大寺再建と中国系技術者
3.元寇と対外意識
4.禅宗文化と唐物ブーム
5.室町幕府と在日外国人
6.境界の港町、坊津と十三湊
7.蝦夷が島と鬼界島
8.都にやってきた北海の産物
9.蝦夷錦とサンタン貿易
10.貿易と珊瑚礁の海洋資源
11.万国の津梁、琉球王国
12.倭寇とポルトガル人
【成績評価方法】
数回の小レポートと期末試験(またはレポート)、および授業への貢献度
【テキスト・参考文献】
テキスト:プリント配布
参考文献:授業中に紹介
【履修上の注意等】
レポートのテーマ設定や作成方法については、担当教員と相談すること。