１０Ｗの白色ＬＥＤの点灯

１０Ｗの白色ＬＥＤの点灯
　
発熱対策と効率のよい駆動回路

１０Ｗ・ＬＥＤ照明外観・表

１０Ｗ・ＬＥＤ照明外観・裏

点灯した様子

１０Ｗ・ＬＥＤ照明・内部

ヒートシンク

１０Ｗ・白色ＬＥＤ

２０１２年　８月１６日（木）

■安価になってきたハイパワーＬＥＤ　

　２０１２年現在、ハイパワーＬＥＤの価格がだいぶ下がりました。
以前、１０００円以上していた、１Ｗは３００円以下、最近では３Ｗ、５Ｗ、１０Ｗ、更には　１００Ｗ、２００ＷのハイパワーＬＥＤが販売されております。さすがに２００Ｗについては　１０，０００円を超えますが、今回は１０Ｗのハイパワー白色ＬＥＤを点灯させてみます。
これは最近、ハイパワーＵＶＬＥＤ照明の製作依頼があったものを白色に置き換えて、自分用にしたものです。自室でスポット照明として使用しております。部屋で点灯させると、一点から放射される光は太陽のようです。
　※目を傷めますので、直視は厳禁です。

　今回、使用する、１０Ｗの白色ＬＥＤは秋月電子で販売されている次の型番のものです。

　型　番　：OSW4XAHAE1E　
　メーカー：OptoSipply　　
　価　格　：１，０５０円　
　明るさ　：８５０ｌｍで市販の電球型ＬＥＤよりか若干明るいものです。
　定　格　：ＶＦ　１０Ｖ　／　ＩＦ　１０００ｍＡ

■１０Ｗ・ＬＥＤドライブ回路　　　

ＬＥＤのドライブ回路は発熱が少なく、電力効率のよい回路が理想的です。
簡単に抵抗で電流制限をすると、大きな抵抗器が必要でまるでヒーターでも作ったかのような発熱になります。
ＬＭ３１７などのリニアドロップ式も出力段のトランジスターに連続して電流が流れるため、発熱が多くなります。
そこでスイッチング式になるわけですが、スイッチング式ではコイルをスイッチングしそのエネルギーをコンデンサに蓄えます。コンデンサの電圧は常時コンパレータ―で比較しており、必要以上の電圧になれば、スイッチングを休止します。
このようにエネルギーを必要な量だけ確保するため、効率がよく発熱も、リニアレギュレーター方式に比べて少ないのがよい所です。
このスイッチングレギュレーターでは昇圧と降圧があります。電池駆動のように、目的の電圧より低い電源を使用する場合は昇圧が必至ですが、商用電源からＤＣアダプター　で電源を供給する場合は降圧の方が効率もよく、一般的なようです。このスイッチング方式のＩＣは各社から色々と出ておりますが、今回は入手性がよく、安価なＮＪＭ２３６０ＡＤを使用します。秋葉原などで１００円程度で入手できます。
このＩＣを中心に抵抗、コンデンサ、コイル、トランジスタなど僅かな部品で降圧式のスイッチングレギュレーターが構成できます。
このＩＣ（ＮＪＭ２３６０ＡＤ）の出力は電圧制御型です。ＬＥＤは電流制御が基本ですが、ＬＥＤが１個であることと過電流防止機能もありますので、安定に定格の通りに制御することができます。

　回路は「１０ＷＬＥＤ照明用点灯回路」　こちらから

■１０Ｗ・ＬＥＤの放熱　　

　１０ＷのＬＥＤは定格でドライブすると、恐ろしいほどの発熱があります。
　放熱なしで点灯すれば、数秒でＬＥＤは焼損します。今回のＬＥＤの放熱には最低でも５℃／Ｗの放熱器が必要でアルミ製の放熱器を使用すると放熱器のサイズはＷ８５×Ｈ２０×Ｄ５０ｍｍになります。
よって、仕上がりはかなり大きくなります。しかしながら、小型に収めたいという事で、放熱器にファンを追加することで、小型の放熱器が使用できました。
※今回使用した放熱器のサイズ　Ｗ３８×Ｈ１０×Ｄ３８ｍｍ
これはパソコンのＣＰＵ冷却と考え方は同じです。ただ、ファンの回転音が気になりますので、静かさを求めるか、小型にするかはトレードオフの関係になります。
また、ファンを搭載した場合はファンの故障も想定し温度センサーか回転センサーによる非常停止回路も必要になるかと思います。

■放熱構造　　　　　

ファンの使用方法には２つがあげられます。「一つは内部の熱を外に逃がす使い方」で、もうひとつは、「対象物に風を当てて、熱を散らす方法」です。発熱体がスポットの場合は、後者の使い方が効果的です。図のように熱はＬＥＤの下部からゲルシートを経由して、ヒートシンクに伝わります。このヒートシンクをファンの風で冷却します。
ヒートシンクに当たった風は左右に別れてケースの側面から外に流れます。
ファンはサイズ　□４０ｍｍで風量　８ＣＦＭを使用しております。

以上の構成でＬＥＤのダイ部分で５０～６０℃になっております。
ＬＥＤに流す電流をＴＹＰの１０００ｍＡから９００ｍＡに下げると、ダイの温度は４０～５０℃になります。輝度は若干下がりますが、寿命を気にされる場合は最小の条件で点灯させるのもよいでしょう。