2005年12月 3日(土)
マグライト・ソリテールのLED化
マグライトのLED化としてはすでに、単三電池2本の2AAタイプで砲弾型LED7個仕様のものとラクシオン1Wタイプを製作しました。これらは、いつも携帯して、便利に使っております。
今回のテーマ、ソリテールはマグライトの中でも一番小型で、パワーソースは単四電池1本です。デザイン、サイズともに気に入っているのですが、かなり気合をいれないと、LEDを点灯させる回路ならびにLEDが収まらないので、ずっと手付かずでした。
年々、LEDの輝度も向上し、砲弾型φ5の白色LEDで最高輝度のものは18000mcdを超えるものが入手できます。今回はこのLEDを利用して、ソリテールのLED化を行いました。ぼくのポリシーとして、ベースライトであるマグライト、ソリテールには改造を加えず※、パーツ交換でLED式に切り替えられるようにします。
※リフレクターに追加工をしております。
簡単なLED化の方法
今回の改造は簡単な方法である、12V特殊電池とCRDの組み合わせは行わず、ソリテールの標準電池である単四電池1本で光らせます。
ちなみに、12Vの特殊電池とCRDを使用した場合は次のような構造になります。
工作は簡単ですが、電池の入手が難しいとおもいます。
図の12V電池 23AEは単四電池の太さと同じです。ただ長さが短いことを利用して、あまった空間に、ダミー電池ケースを作り、内部に定電流ダイオード(CRD)を直列に接続されるようにします。CRDは10mAを2本並列にして20mAを流します。
1.5Vで白色LEDを点灯させる
白色LEDは+3.6Vで最適に点灯しますので単四電池1本、1.5Vのままでは点灯しません。従って、電圧を上げる昇圧回路であるDC−DCコンバーターを内蔵する必要がありますが、DC−DCコンバーターの入るスペースは電球がセットされるスイッチの部分しかありません。これは Φ7.3 高さ 8mmの円柱状空間であり、このわずかな空間に、DC−DCコンバーターを構成するトランジスタをはじめとした電子部品5点を集積します。
使用部品と組み立て
部品は次の通りで全てチップタイプを採用し、基板を使用せずコイルを中心に部品を取り付けていく、空中配線で組み立てました。
・コイル (ブロッキング発振)
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トランジスタ 2SD1628 SANYO
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コンデンサ 4.7μF 16V
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ショットキーバリアダイオード MA720 Panasonic
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抵抗 1.0KΩ
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LED 日亜化学工業 砲弾型 Φ5
NSPW500CS 18000mcd 2006.JAN
2AAマグライトでは、電流制限回路も設けておりましたが、ソリテール版ではスペースの都合上省略しました。これは電池が単四+1.5Vである事と、コイルの巻き方により、極力、LEDがオーバードライブとならないようにしました。
仕上げ
組み立て並びに配線が完了したら、エポキシ樹脂で封止します。2液混合の5分硬化型を使用し、触れる程度まで硬化した後、熱を加えて完全硬化させます。
完全硬化には今の時期、ぼくはファンストーブの前に3〜4時間ほどつるしております。硬化が早まります。
この接着剤は完全硬化するととても硬度がでて、金属棒で叩くと、コツコツと音がするくらいです。接着剤の調合が悪いと、このようにはなりません。これには混合量と攪拌をしっかりします。硬化後はマグライトスイッチ部品と同形状になるよう、成型してバリを取り除きます。
これが、世界最小DC-DCコンバーター内蔵LED。 全長17mm/径7mm
※勝手にいっているだけなので、真に受けないでください。
LED化のメリットと特徴
●メリット
・電池はノーマル通り、入手性のよい単四電池を使用
・スイッチはノーマル通り、ヘッド回転でON/OFF可能。
・DCDCコンバーター内蔵なので、電池が長持ちして、経済的
・ソリテールの純正である電球よりも明るい。
・LEDは電球のように、ダークスポットがない。
・LED化により、球切れがなく、純白の照射が得られる。
・LED化により、極性が発生しますが、電池逆挿入防止構造となっております。
●デメリット
ノーマルに比較されるデメリットはたぶん、ありません。
ひとつ上げれば、コスト(価格)ですが・・・。
ノーマルよりかは初期購入単価としては高価です。ですが、電池、電球寿命、明るさなど、長い目で見れば問題ないレベルと考えております。
販売について
販売ページへ 「マグライト・ソリテールのLED化 販売ページ」
LED Mag Light Making history
2003年 8月 3日 「砲弾型LED7個仕様」 ディスクリート版
2003年 8月30日 「砲弾型LED7個仕様」 専用IC版
2005年 3月 5日 「ラクシオン1Wタイプ」 明るいけど、製作が大変
2005年12月 3日 「マグライト・ソリテールLED化」 販売ページへ
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