故林広志prd.『コネクト』薄着知らずの女スペシャルwith親族代表・2002年10月5日(土)14:00の回終演後に三鷹星のホールにて行われたバックステージツアー参加の覚え書。

日が経って書いているため、うろ覚えもいいところ;ちなみにカメラ持参の方もいて、撮影もOKだった。

自分はメモをとることさえ、まったく思いつかなかった;専門用語とか具体的な数字まじりの解説とか、ぜんぜん思い出せない;;;

クイズ番組でまめにメモをとる黒柳徹子さんは、やっぱり素晴らしいわ。

自分の為の覚え書だから、まぁいいか。興味があったら読んで下さい。

 終演後、一度ロビーに出てアンケートを書きながら、案内を待つ。

少しして、とりあえず場内に戻ってくださいとのことで、ゾロゾロと移動。

4、50人ほど参加するようだ。

男女比は半々か、やや女性が多いか。年齢層は20代から40代位の方もいたかな。

着席して待っていると登場したのは、舞台美術の斎田さん、舞台製作の松本さん、照明の松永さん。

主催側でもこんなに参加者が増えるとは思っていなかった、とのこと。

「スタッフや役者をされている方は?」という問いには、何人かが手を挙げたようだけれど、ほとんど一般観客(含む私)。

おおまかなツアーの内容と、注意事項(セットやライトには絶対に触れないこと、足元にも注意など)を聞いた後で、全員で舞台に上がる。

広いはずの舞台も、これだけの人数が一度に上がると、そりゃ狭いわ;

コント中の中嶌さんの幅読みが思い出される。

 はじめは舞台の“上手と下手”などの話や、照明を実際のように使いながら上演中舞台から客席はどう見えるか、など。

舞台に上がってすぐ目に付いていたのが、立ち位置などの目印になる蓄光テープ。

今回の公演ではとても多いそうで、ぺけ印・一重、二重、三重のカギ型など、色もピンクにブルーに黄緑?と賑やか。

照明が暗くなると足元が星空もどき。

セットを間近に見ながら、他のお二人の話もまじえつつ斎田さんのセットプランの話を伺う。

今回のようなコントをやるには広めの舞台を、圧迫感を出さずに集約するようにと考えられたこと。

シーンごとに違った場所の設定があるため、角度と高さを考慮したパネルとサイズの異なった四角い枠のいくつかだけで工夫したこと。

パネルの間をどのように“ではけ口”(舞台に人が出入りするところ)とするか、四角い枠の見立てかた、などは演出の自由に任せるようにしたこと。

演出の希望にそったセットを考えるが、ときにはプロとして違った提案をすることもある…など。

つづいて松永さんを中心に照明について、卓で操作するスタッフさんとレシーバーでやりとりしつつ。

この公演の“公園”のシーン等の照明を再現したり、各所の照明器具をどのような使い方でどのような効果がでるのか、背景にあてる照明・役者の輪郭をつくる照明、レンズの種類、etc。

シュートについて、光源から対象物までの距離があるほど些細なズレが大幅な狂いになること、その為事前のチェック・保持が重要なこと。

この後の夜公演に響かない程度にということで、天井から下げられている照明の一部を降ろして見学。

かなりの熱量なので、家電の注意・警告ほど甘くはなく、照明スタッフは常に火傷等の危険がある。

役者が汗をかいているのは動いているからでもあるが、照明の熱のせいでもある。

 その後、大まかに3グループに分かれて、下手側の舞台袖から舞台裏へ。

舞台袖の床には、舞台上の蓄光テープと違って、大きく目立つ白いテープで描かれた矢印。

要は通り道を迷わず進めるようにつけられた目印。

暗幕などまとめて留めるのに、でっかいクリップがあちこちで使われていた。

壁際の床やテーブルには、きちんと小道具類などが置かれている。

それぞれを置く場所がテープなどで区切ってあり、品名などのコメントが貼られていた。

脇に、舞台上が斜め上から見られるモニター画面があり、ちょうど後ろのグループが舞台上を動いているのが見えた。

なんとなく展覧会の絵を見て廻る人たちみたいだ。

“食べ物飲み物持込禁止”、“物を載せないでください”等の張り紙あり。

斎田さんが“シズ”の説明を実物をみせて説明してくれようとした。

でもこの劇場は“全自動”なのでお見せできるものがナイ;ということだった。

 セットの裏にまわり、搬送・搬入時のことを考え分割したものを組み立てること、補強の工夫、仕掛けてあるスピーカー、裏側からの照明などの話。

後の利便の為か、釘とか打ちっぱなしなんだよね。

こちらの足元には、コードなどが巡らされてテープで固定されている。

上手側の袖にも小道具類や着替えの衣装などが置かれている。

ここで早替えをすることもあると。

舞台袖にいても、舞台上の音が聞こえるようモニタースピーカーもある。

下手側の舞台袖は楽屋や多分機械室とも繋がっていたようでかなり広かったけれど、上手側はせまかった。

さっき舞台上からのぞいたときと印象が違う?

セットなど移動できるようなスペースが、前方の方に区切ってあったのかな。

 舞台上にもどり、またまとまって話をきく。

公園のシーンの照明で質問のあった、“木漏れ日のもと”を松永さんがかざして見せる。

薄く平べったくて丸い金属に孔があけられていて、それを照明にセットして使う。

影絵と同じだね。

熱でやられてしまう消耗品なのに割と高くて、代用品を使うときにはキッチン廻りでつかうようなアルミ製品にカッターで孔をあけて使うとか。

照明に色をつけるシートもやっぱり熱で駄目になること。

以前はゼラチンで作られていたので“ゼラ”と呼ばれていたが、今はちがうもの。

熱で燃えてしまったときは、中央から円く色が消えて白くなっていくこと。

それって、勤務先のフィルムテストで映写機が止まってフィルムが焼ききれちゃった時に見たあんな感じ、かな。

この星のホールは、客席が電動で可動・変化すると言う話が、劇場スタッフさんから出る。

段差を全く無くしてフラットにしたり、通路のみを高く残し椅子位置を沈める、向かい合わせにする?など結構いろんな形態ができるそうだ。

ただ全自動でもかなり時間がかかるらしく、そういった形態を活用した公演・催しというのもあまり無いとのこと。

 質問で、舞台制作費はどの位か?と。

あまりはっきりは言えないが、材料費はさほどでもなく大きな額では新調した床にひくシートがン万円、パネルや補強の為の木材などはまとめ売りのン千円。

高くてもこの規模なら20万円ほどと言っていたかな;

だれがどのように作るかで当然変わってくるが、一番かかるのはやっぱり人件費。

セットなどはリサイクルされる場合もあるが、今回は特殊なものが多いのでほとんど使いまわしようがない、とのこと。

 最後はまた舞台袖から、こんどは楽屋前を通ってロビーへ。

劇場の規模の割には楽屋が充実しているんですよと、ちょっと誇らしげに劇場スタッフさん。

5部屋くらい並んでいる。使用中なのでさすがに楽屋の中は見せていただけなかった。

この廊下の壁際にもテーブルが並べられ、差し入れなどが置かれていた。

ロビーへの出入り口で竹井さんたちとすれ違う。

ちょっと驚かれたような照れたような感じだったが、にこやかにお見送りしていただく。

 ロビーで解散。

スタッフの方たちが、予想より盛況で喜ばれていた。またこうゆう企画が立てられそうだ。

 

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