2.温泉の種類と効能(出典:北海道後志保健福祉事務所・保健福祉部ホームページ)

(1)単純泉 

単純泉は、含まれている成分の濃度が低い温泉をいいます。一般にお湯が軟らかく、刺激性も少なく穏やかなので、お年寄りを含めてすべての人に向く温泉といえます。特に神経痛によく、リウマチ、腰痛、高血圧、動脈硬化症、病後の回復、脳卒中の回復期の保養などに効果があります。

 

(2)塩化物泉

なめると塩辛く、入浴後は塩分が皮膚に付いて汗の蒸発を防ぐため、保温効果に優れ、「熱の湯」と呼ばれています。神経痛、リウマチ、冷え症、打ち身などによく、飲用すると胃液の分泌を促し、慢性胃カタル、便秘などに効果があります。

 

(3)炭酸水素塩泉

重炭酸土類泉、重曹泉の二つに分けられます。

 

●重炭酸土類泉

鎮静作用のある土類イオンを含んだ無色透明の湯で、アレルギ−性疾患、リウマチ性疾患、慢性皮膚病、じんま疹などによく、飲用すると糖尿病の血糖を下げる働きがあるほか、痛風、尿酸結石、膀胱炎、慢性胃腸病などに効果があります。

●重曹泉

アルカリ泉と呼ばれ、石けんがよく溶けます。また、皮膚の脂肪や分泌物をよく落とすので美肌作用が高く、「美人の湯」と呼ばれています。皮膚病に効き、やけどや切り傷にもよく、特に、飲用すると胃酸を中和し、胃粘膜を刺激したりするので、過酸症、消化性潰瘍、その他の胃腸病に有効であり、また、肝臓やすい臓の働きを活発にするため、胆石症、慢性の

胆のう炎や胆のう症、薬物中毒、糖尿病、痛風、尿酸結石などに効果があります。

 

(4)硫酸塩泉

芒硝泉、石膏泉、正苦味泉の三つに分けられます。

 

●芒硝泉(ナトリウム−硫酸塩泉)

動脈硬化症、高血圧症、外傷、慢性関節炎によく、飲用すると胆汁分泌を促すので、肝臓病、糖尿病、痛風、肥満などに効果があります。

 

●石膏泉(カルシウム−硫酸塩泉)

カルシウムを含んだ無色透明の温泉で、この温泉も「傷の湯」「中風の湯」と呼ばれています。

鎮性効果があるので、切り傷、リウマチ、高血圧症、打ち身、ねんざ、やけど、痔、湿疹、にきびなどによく、飲用すると、特に痔、じんま疹に効果があります。

 

●正苦味泉(マグネシウム−硫酸塩泉)

マグネシウムを含んだ無色透明の温泉で、効能は芒硝泉、石膏泉と同様ですが、特に浴用すると血圧を下げるとともに、動脈硬化の予防によいため「脳卒中の湯」と呼ばれています。飲用すると便秘、胆のう病に効果があります。

 

(5)二酸化炭素泉

炭素ガスを含む温泉で、肌に気泡が無数に付くことから「泡の湯」と呼ばれています。炭素ガスの泡が皮膚に刺激を与え、毛細血管が拡張されるので血液の循環をよくし、心臓の負担を少なくするため、心臓病、高血圧症によく、飲用すると胃腸の働きを促すので、胃腸病や便秘に効果があります。

(6)鉄泉

湧き出してすぐは無色透明ですが、鉄分が含まれているため、酸化して赤茶色になります。増血作用があるので、特に貧血症によく、リウマチ性疾患、子宮発育不全、更年期障害、慢性湿疹などに効果があります。

(7)硫黄泉

末梢血管を拡張させる作用が強いため、動脈硬化、高血圧、糖尿病などによく、「心臓の湯」と呼ばれています。また、皮膚を軟らかくするので、慢性湿疹や皮膚角化症など皮膚病には大変効果があります。しかし、よく温まりますが、刺激性が強いため、湯あたりや皮膚の炎症を起こしやすいので、皮膚の弱い人や病弱なお年寄りは注意しましょう。

(8)酸性泉

口に含むと酸味があり、殺菌力が強いため水虫や湿疹、疥癬、トリコモナス腔炎などに効果があります。強酸性の場合は、皮膚の弱い人、お年寄りは注意しましょう。

(9)明ばん泉(アルミニウム硫酸塩泉)

昔から「目の湯」といわれ、結膜炎には大変効果があります。また、皮膚や粘膜を引き締める作用があるため、水虫やじんま疹などの皮膚病にも効果があります。

(10)放射能泉

俗にラジウム温泉、ラドン温泉と呼ばれています。尿の排泄を促すことから、高尿酸血症や痛風、尿路の慢性炎症などによく、また、下垂体副腎系、卵巣、睾丸の機能を高める作用があり、糖尿病にも効果があります。




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