ホワイトニング治療の説明

ホワイトニング治療とは、白く美しい歯を得るために行う歯科治療の総称です。誰もが輝く白い歯を得る事によって、自分の笑顔に自信が持てますし、また表情も爽やかに若返ると思います。歯を削らずに、白く美しい歯に誰もがなれる可能性の高い安全かつ有効な治療方法だと言えます。
まず、当院では患者さんのカウンセリングや口腔内診査を行い、その適応症の場合のみホームブリーチング呼ばれる、患者さんが自宅で好きな時間帯に実施出来る方法を選択しております。
また当院では、ホワイトニング治療にかかる前に、TBI(ブラッシング指導)やPMTC(機械的歯面清掃)を受診して頂きます。そして、歯型を取って各人に合ったマウスピースを作り、自宅にてホワイトニング剤を注入して30分ほど装着してもらいます。メーカーによっては、2〜8時間くらいの装着を推奨している製品も有ります。その後、専用の歯磨剤にてブラッシングをしてもらい、通常これを毎日4〜8週間くらい続けてもらいます。中には、効果が充分に出るまで2ヶ月以上かかる症例もあります。海外の文献には、数ヶ月間実施している症例もあるようです。当院では、患者さんが自分に合った薬剤を選べるように、まずは複数のメーカーの薬剤をテストしてから選択します。
当院で使用しているホームブリーチング剤には比較的マイルドな物が多く、数パーセントから10パーセントくらいに調整された過酸化水素や過酸化尿素が含まれております。通常の使用において、少し知覚過敏症が起こる場合がありますが、殆ど問題は無いと思います。専用の歯磨剤の中には、知覚過敏症を抑制するフッ素が入っています。よほど知覚過敏が強く出た場合には、1〜3日位ホワイトニングの間隔を開けたり、ソフトレーザーの照射を行います。
またホワイトニング治療を受けた歯は、元の色に少しずつ数ヶ月から1年くらいで戻る性質があるので、できれば3〜6ヶ月毎の定期検診とアフターケアーを受診して下さい。必要な時に、タッチアップと呼ばれる追加漂白を行うことになります。なるべくホワイトニング治療中は、喫煙やコーヒー等の色の濃い飲食物の摂取を控えて頂いた方が、効果が早く出ます。嗜好品を全く止めるのは困難だと思いますので、スモーカーやコーヒー好きの患者さんは、多少ホワイトニングの期間を通常より延長する事も可能です。
ホワイトニング剤は、金属やプラスチックが詰めてある部位や神経の無い歯には作用しないので、原則として天然歯が治療の対象となります。但し、たまに変色の少ない失活歯(神経の無い歯)にも効果が出ることが有りますので、ラミネートベニヤ等の補綴前に試してみた方が良いケースも有ります。また、テトラサイクリンの副作用による著しい変色歯や先天的なエナメル質形成不全症の歯牙は概ね禁忌症となり無理です。但し、患者さんの希望で、効果が薄くても歯の一部分だけでも白くなる事で良ければ、当院では難症例でも実施する場合も有ります。当院では通常、妊婦さんや16歳未満の患者さんには、ホワイトニング治療は行いません。
また、白くなる度合いや速度には個人差がありますので、ご了解下さい。さらに、現行の保険制度には入っていませんので、自費診療扱いとなります。当院では、2006年9月現在、上下顎別々に歯の本数に関係なく、片額39900円(税込み)の治療費にて実施しております。この中には、最大約3か月分の薬剤料等が含まれております。アフターケアーについては、当院にてホワイトニング治療を受診された患者さんのみ、薬剤1本当たり1500円から3000円前後くらいの費用にて、必要なホワイトニング剤や歯磨剤を販売しております。口腔内検査や歯面の清掃は歯周病関係の治療としてならば健康保険の範囲内で実施できます。以下に、当院での手順と実例を紹介します。


患者さんの歯型を取って、各人に合ったマウスピースを作ります。これは、軟性の素材で薄く出来ておりますので、口の中に長時間装着しても大丈夫です。もちろん、上下別々に装着してホワイトニングも出来ますし、お急ぎの方は上下同時装着も可能です。
これが、ホームブリーチング剤の一例です。シリンジに入っている透明なジェルを、マウスピースの内面のホワイトニングする歯面のくぼみに注入します。大体、1歯につき米粒1個大の量にて充分です。通常一つのシリンジで1週間くらいはもちます。口の中へマウスピースを装着した時に、歯肉へはみ出たジェルはティッシュペーパー等にてふき取ってください。各社、製品の成分や濃度が微妙に異なりますので、患者さんに適した製品をチョイスする事が重要です。
ホワイトニング専用の歯磨剤の一例です。ホワイトニング前後のみならず、日常的にも使用されるとより効果が維持できます。これ1本で、大体2〜3ヶ月くらいはもちます。知覚過敏症の強い患者さん専用の製品も有りますので、多少歯が敏感な方でも安心です。過酸化水素が少量添加されている漂白効果の出現し易い製品も有ります。
当院の50歳代の女性の患者さんの術前写真です。上下顎犬歯から犬歯の12本がホワイトニングの対象です。この方は、本人の意志で積極的にホワイトニング治療に取り組んで頂けた患者さんです。
上記の患者さんのホワイトニング開始約三週間後の結果です。かなり、歯の白さと光沢が増しているのが見受けられます。デジカメ画像ですが、もちろん一切修正はしておりません。自然光で見れば、違いは一目瞭然です。この患者さんの場合、さらにホワイトニングを継続すれば、もっと効果が上がりそうです。
次の症例は、エナメル質形成不全症の30代の患者さんです。抗生物質であるテトラサイクリンを幼少期に投与された方の副作用に多い症例です。歯頸部付近に帯状の褐色のラインが見うけられるのが特徴です。この方も、積極的にホワイトニング治療に取り組んで頂けました。
上記の患者さんのホワイトニング開始約2ヵ月後の口腔内デジタル画像です。もちろん画像の修正は一切しておりません。希望を持って取り組めば良い結果に繋がりました。エナメル質を一切削ることなく、満足なスマイルが得られたようです。3ヵ月毎のメンテナンスで着色の後戻りは防げております。

アメリカのナチュラルホワイト社のホワイトニング治療のインストラクターの認定書(日本語版)です。

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