歯科用語の解説(患者用)

患者さんの中には、歯科医院にて耳にしたり目にする歯科用語に対して疑問を持っておられる方も多いと思います。そこで、一般的な歯科診療やカルテ記載に用いられる歯科用語の解説を作りました。処置内容の理解や将来カルテ開示が普及した時の手助けになれば良いと考えております。


@歯式について
歯式とは、歯を表記する記号や呼称の事です。永久歯の場合は、親知らずを含めて上下左右8本ずつの歯が存在します。よって、永久歯の歯式の番号は1番から8番までとなります。人間の体の中心線を正中と呼びます。正中に近い歯より1番2番と数字が増えていきます。よって、顔の真ん中にある中切歯が1番という事で、最後の親知らずが8番と言うことになります。自分の右手方向を右側、左手方向を左側と呼びます。よって、右上にある3番目に生えている犬歯の事を右上3番と呼びます。カルテや書面に書く記号としては、かぎ括弧の中に数字を入れます。後程、全歯式のサンプルを出します。また、乳歯の場合はAからEのアルファベットを用います。
                        87654321┃12345678
  永久歯   右側        ━━━━━━━━╋━━━━━━━━  左側
                        87654321┃12345678
                          EDCBA┃ABCDE
  乳歯    右側            ━━━━━╋━━━━━     左側
                          EDCBA┃ABCDE

A歯の構造に付いて
歯と歯周組織の簡単な構造の用語を説明します。

歯はエナメル質、象牙質、セメント質という歯の3つの硬い組織とそれに囲まれた歯髄から出来ています。

エナメル質とは・・・

エナメル質は、私たちの体の中でもっとも硬い組織で水晶に近い硬さをしています。何百万本という半透明のガラス繊維のような小柱から出来ています。
エナメル質は、あごの骨の中で完成されてからは、ほかの部分との栄養の交流も新陳代謝もありません。

象牙質とは・・・

象牙質は、骨と同じくらいの硬さをした、丈夫で緻密さを持った組織です。象牙質には、レンコンの穴のような管が無数に走っています。これは、歯髄と象牙質の境に配列された突起で、エナメル質の境まで届いています。歯を削った時やむし歯ができて痛むのは、この生きた細胞の突起から刺激が伝わるためです。

セメント質とは・・・

セメント質は骨とよく似た組織で、基質とセメント細胞からできています。セメント質は、歯根膜の線維が小さな束となって入り込んでいます。線維の反対側は、歯槽骨の中にもしっかりと入り込んで、歯をあごの骨にハンモックのようにつるしています。

歯髄とは・・・

歯髄は、血管や神経がたくさん通っているやわらかい組織で、歯の心臓部ともいえるところです。“神経を取る”というのは、この歯髄を取ることです。歯髄を取った歯は、痛みを感じることがないかわりに歯をもろくしてしまいます。

歯肉とは・・・

歯肉(歯ぐき)は、歯根を取り囲んでいます。歯肉はとてもやわらかい組織で、ちょっとした刺激で傷ついて出血したりします。

歯槽骨とは・・・

歯肉に包まれて歯を支えているのが歯槽骨です。歯は歯槽骨のくぼみにしっかりと根を下ろして、物を噛むときなどに加わる強い力に耐えているのです。



これからも、色々な歯科用語の解説を増やしていきますので宜しくお願いします。


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