横浜市立篠原小学校卒業式挨拶(2004年3月19日)
PTA会長 志田基与師
お招きを頂いた一同を代表して、ひとことご挨拶とお祝いの言葉を述べたいと存じます。
本日は、晴れがましい卒業式にお招き頂きまして誠にありがとうございます。お礼申し上げます。
保護者の方々、本当におめでとうございます。
教職員の方々、6年間のあいだ心血を注いで児童の育成に努めて頂いたことに、改めて感謝いたします。
さて、卒業生の皆さん。ご卒業おめでとうございます。新しい世界に旅立つ期待にさぞかし胸が躍っていることでしょう。ご卒業に当たって、みなさんに一言申し上げておきたいことがあります。それは「世の中」というものについてです。
一つ目は、世の中はみんなで作っていくものであり、守っていくものだということです。ちょっと見には、太陽や月や星の動きのように、世の中は自分の力ではとても動かせそうもありません。しかし、太陽や月や星は、自然の法則でできていますが、世の中は多くの人たちが毎日毎日何かをすることで動いています。皆さんも含めて、こうしたいろいろな人たちが行いを少し変えるだけで、世の中はあっという間に変わってしまいます。ですから、良いことや大事なことはみんなで守っていかなければなりません。誰もが何もしないで守っていけるほど世の中は甘くありません。反対に、いけないことや困ったことも、世の中の人たちの少しずつの行いを変えることでなくすこともできるのです。世の中には変えられないこともなに一つないのです。
二つ目は、世の中はみんなつながっている、ということです。空き缶を一つ捨てれば世の中に空き缶が一つ増えるのです。反対に空き缶を一つ拾えば、世の中から空き缶が一つ減るのです。皆さんの行いは、誰かが何も言わなくとも、世の中の人たちのうちの誰かに何かをしたことになります。みなさんが空き缶を一つ捨てれば、どこかの誰かがいやな思いをするでしょう。反対に皆さんが空き缶を一つ拾えば、皆さんはどこかの誰かに心の中で感謝されているのです。
ですから、きれいな環境やすてきな町並みを見たら、どこかの誰か、それは数え切れないくらいたくさんの名前を知らない人たちですが、その誰かが美しい世の中や、すてきな世の中や、良い世の中を作るために毎日働いてくれたおかげなのです。感謝せずにはいられません。こう考えると、「どこのどなたかは存じませんが、ありがとうございます」といいたくなりますね。反対にいやなことや困ったことあるなら、それは皆さんも含めた誰かの行いを変えることで、それをなくすことができます。そして、そうなれば皆さんの行いはどこかの誰か、それは皆さんが一生顔を合わせることもない人からかも知れません、に感謝されることでしょう。「どこのどなたかは存じませんが、本当にありがとうございます」。
皆さんの行いが世の中を良くも悪くもする。けれども、皆さんは、たとえそう言われなくても世の中の他の人たちに「ありがとう」といってもらえる力をもった人たちなのです。皆さんはそういう力をもって世の中を生きていくのです。
そこで、今日は皆さんのご卒業にあたって、おめでとうの言葉といっしょに、前もってもう一言言っておきたいと思います。「ありがとう、みなさんのおかげですてきな世の中になったよ」。もう一度いいます。「ありがとう」。
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