(創立2017年6月1日。2020年 10月11日更新)
------ 更新=--リニューアル-中---
[A] 研究所概要
[B] 進行中のプロジェクト紹介
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ゲート型量子コンピュータの量子ノイズ全容解明プロジェクト
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量子ノイズ解析プロジェクト
概要:
本プロジェクトは中央大学研究開発機構において、文献[2]を起点としながら、情報、数学、物理の
研究者が連携して、最も一般的な開放系における量子ノイズ解析を目指します。
まず、以下のような新しい数学の基盤を発展させ、最も一般的な開放系のMaster方程式を導出
します。
(1)拡張Lindblad方程式
(2)量子確率微分方程式
(3)Belavkin方程式など
その一般化から得られたMaster方程式を用いて、量子ビット数の増加に伴う独特の量子ノイズの特性解明に
取り組み、成果を順次公開する予定です。グループ担当は以下のようになっています。
数学グループ:Fock空間でのSemi-Markov過程の量子確率過程構造の分析
物理グループ:一般化Master方程式の公式化とシミュレーション法の開発
情報グループ:量子ノイズの情報理論的モデリングと誤り訂正理論の融合
各グループの進捗状況はここで順次公開します。
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量子ストリーム暗号の開発
「Y-00型光通信量子暗号から量子エニグマ暗号へ」
概要:
データセンターサービスの普及により、サイバー攻撃はソフトウエアーによる
標的型から通信回線の盗聴・改ざん・ウイルス注入へと進化しており、
通信回線を保護する暗号の開発は重要です。
本研究所で開発しているLayer 1「光通信回線」を保護する新量子暗号であるY-00型光通信量子暗号は、
装置内の数理暗号ボックスから出力される「情報データの暗号文」を光変調装置の工夫により、
盗聴者が光信号をモニターする際に発生する量子雑音によって隠す原理を用いて、
従来の暗号技術を凌駕する高い安全性を提供することができます。
現在、第一世代として1000Km規模の1ギガビット毎秒のイーサネット光回線を保護するトランシーバーを
開発しました。第二世代は10ギガビット毎秒、第三世代は100ギガビット毎秒対応へ進化させ、世界初の安全性能の実現に向け進行中です。
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自動運転用の量子&古典レーダーカメラの開発
概要:
悪天候での自動運転において、自車の前に出現する大気の乱流等による画像劣化は既存の
カメラでは対処が困難です。本研究所は古典光や量子光を利用する相関関数
イメージングによって、その問題を解決する研究開発を行っています。
レーダーカメラは擬似熱光や量子光源を用いたゴーストイメージングの
一般化となる相関関数イメージング技術の呼称です。
相関関数イメージング原理を用いた画像再生技術の最大の特徴は光の伝搬路
に乱流などの外乱があったとしても、最終的な画像再生において、その効果
が軽減されるという機能にあります。しかしながら、従来の理論は室内環境
での外乱モデルが仮定されていました。
自動車などの移動体に適用するためには実際の道路環境を考慮した動的外乱の
数理解析モデルが必要です。
特に、光源である古典光や量子光の伝搬路の特性が、自車による風圧、微視的
乱流粒子に対する巨視的外力、逆光、さらにターゲットである対向車などから
の影響を受ける動的乱流に影響を受けるとき、それを解析できる通信路モデ
ル理論が必要です。
幸い、2016年に動的乱流をモデル化することに成功し
、現在、そのような伝搬路の効果のシミュレーションが可能な状況に至っています。
上記の通信路モデルを考慮した上で、レーダーカメラの実現法は3形態あります。
(1) 古典レーダーカメラ:光源は古典光、受信装置は古典の光受信装置
(2) 半量子レーダーカメラ:光源は古典光、受信装置は量子受信機
(3) 量子レーダーカメラ:光源は量子光、受信装置は量子受信機
霧への対応は挑戦中
(参考資料は以下)
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量子センサー・量子ジャイロの開発
量子もつれ効果を利用する窮極の精度を持つジャイロや加速度センサー目指す
自動運転車や超高速飛翔体では既存のジャイロセンサーの感度の限界を超える
ジャイロが必要です。単純な量子効果を用いて、その要求に
応じるジャイロの設計を目指します。
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自動運転車への大気の乱流と霧の効果実験中
実験車による現実の乱流と霧の映像のデータベースを収集中。
海上の乱流と霧のデータ取集を準備中。
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