<フラット探しア・ラ・カルト>

一つの街に長く滞在しようと思ったら、まず探さなければいけないのは住む場所。 ホームステイ、ボーディング、フラットシェアーもしくは自分でフラットを借りる、などなど。面倒ならバックパッカーやYMCAに長期滞在、という方法もあるけれど、とりあえずここでは、私や私の友人達が体験した住まいに関する話を書き出してみました。 (一応安く上がりそうな順番に並べてみました(?))                        


<ホームステイ>
WHや留学を考えた時、まず頭に浮かぶのがホームステイ。ベッドと食事が確保でき、英語を話す機会が得られ、その国の日常生活が垣間見られる、とメリットの大きい滞在方法です。価格も他の滞在方法と比べ出費が押さえられるし、言うことなし。ただし、滞在先の当たり外れが大きいことと、家庭内のルールを尊重しなくてはならず、時として窮屈な思いをする、などのデメリットがあります。入国直後の滞在先にホームステイを選ぶ人は結構多いんじゃないかな?
  『雪いちごの場合』
 私もNZ生活のスタートにホームステイを選びました。私の場合はたまたま日本で知り合ったKIWI家庭に転がりこむ事になったのですが。日本の生活もだいぶ欧米化しているといわれる昨今ですが、やっぱり勝手が違うことって多々あります。ホームステイ体験はその後のNZ生活の指南書のような意味合いもあると思います。


  『友人K&Eの場合』
 英会話学校からホームステイ先を紹介してもらう、というのはよくある方法。私の学生時代から友人M他、多数の人がこの方法でホームステイしてました。中でも職場の友人Kは学校を終了してからも同じ家庭でホームステイを続けていました。何度か家族の方とご一緒したのですが、ユーモアのセンスに満ちた明るい方々で、彼女が家を出たがらなかったのがわかる気がします(?)。滞在先の家庭との折り合いがつけば、長期滞在も可能かもしれません。彼女とは逆に、ホストファミリーに恵まれなかったのは友人E。友人Kと同じ学校からの紹介だったけれど、当たりが悪く当時3回ほど家を変わってました。本人が特別非常識だとか、性格が悪いとかじゃ全然なく、学校のホームステイをアレンジしてる担当者も思わず涙ぐむ滞在体験だったとか(?)。ホームステイでも、部屋が子供と相部屋になるなどは避けた方がいいかもしれません。外国からの訪問者に興味があって受け入れる家庭と、金銭面で受け入れる家庭ではおのずと住み心地が違ってくるのはいたし方ないですよね。 


  『その他』
 ホームステイは日本から決めていかなくても現地でみつけられる!という意見もあります。現地で条件や家庭を吟味できるなら失敗の可能性はぐっと減らせる気がします。とりあえずの滞在先はYH,バックパッカーズ、YMCAと困ることはないと思いますので、現地入りしてからゆっくり考えてもいいかもしれませんね。



<ボーディング>
食事サービスのついた部屋を借りる、つまり下宿のこと。海外出張で滞在する人などは利用することもあるのでは?時々新聞で募集してます。食事を作る自信はないが家庭に入るのは煩わしい、と言う人には向いているかも。



<フラットをシェアーする>
自分のペースで生活したい、でも家を借りる等煩わしいことをしたくない、と言う人が利用しやすいのがフラットシェアー。家主さんが空いている部屋を他人に貸してくれるサービスです。土曜日の新聞にはこのフラットメイト募集の掲示でいっぱい。値段はピンキリ、条件様々、同居人を求める声がひしめいています。家具付の部屋も多く、要チェック。電話でアポイントを取って訪問します。だいたい複数の家をピックアップしておいて、一度にぐるりとまわってしまいます。近くにある家ばかりじゃないので、車などアシがある方が便利です。ない時は仕方ないよね、がんばってバスで回りましょう。地図は必需品。

  『雪いちごの場合:フラット探し予行演習?』

 初めてのフラット見学は学生時代からの友人Mの学校友達がフラット探ししている現場にばったり出くわしたことから。いつかしなければならないと思いながらも、まだ心の準備ができていない時分で、新聞を片手に勇敢にも(?)ダイヤルをまわす彼女の姿に感動すら覚えました。”今後の参考に”と彼女達に加わりフラット見学に同行させてもらったのですが、付添いという気楽な立場で見学体験できたのはラッキーだったかも。比較的冷静に室内を眺められたし、家主との面談のおおよその流れや、チェックポインとを確認することができました。ひたすらフラットをほめちぎって外にでた後4人であれこれ感想を話合ったところ、それぞれにチェックをいれる個所が違っていてなかなか参考になりました。フラットの見学は慣れない内は複数人でいくといいかもしれませんね。(といっても4人は多かったと思うけど)
  

  『雪いちごの場合:本番?』

 私がフラットを探しを始めたのは仕事が始まる1週間程前。仕事が決まって間もなく、クリスマスホリデーにはいったので”部屋探しは年が明けてから”の雰囲気に。次に、”ちょうどいいから旅行にでちゃえ”、と南島の旅に出てしまったので、こんな間際のこととなってしまいました。職場のマネージャーから、夜番の際は全員車で家まで送るのでCITY付近に住むよう(他、CITYの東側の地域は避けるよう)指示されていたので、初めから選択エリアはずいぶん絞られていました。

 初めて電話をかけたのは水曜日の新聞に載っていたSt.Alvansの一軒屋。”とにかく電話をかけないことには始まらない”と自分に言い聞かせて受話器をとりました。”フラットがみたい”の問いに”いつでもどうぞ”のあっさりした答え。住所を何とか聞き取って、電話を切りました.フラットへは次女Sがつきあってくれました。初めて訪れる家の玄関ドアって、どうしてこんなによそよそしくて、人に不安とほんの少しの期待を感じさせるものなのでしょう!扉が開くと20代後半の女性が姿を現しました。この家は天井の高い古い造りの3bed−roomで居間もほどほどの広さ。キッチン、トイレもまぁまぁきれい。ただ自室がちょっと狭いかな?という印象を受けました。(5畳くらい?)$70なら妥当な価格かな?彼女の他に男性が2人住んでいてその内の一人がフラットを出るという。私には不満のないフラットだけど、案の定話がはずんだとは言い難い面談。まぁ、一軒目だものね。もし入居を希望するなら明日電話を頂戴、といわれてフラットを後にしました。翌日、不安半分期待半分で電話をいれると、”他の人に決まった”との返事。まぁ、そんなとこでしょう。ちょっとがっかり。でも 今回のは肩ならし(?)。本番は土曜日よー!

 さて土曜日の朝、早速新聞のフラットメイト募集欄をチェックする。水曜日とは比べようのない程たくさんの募集が掲示されている。前回断られたフラットも載っている。(やっぱりね)しかし、めげずに、チェック、チェック。とりあえず、2軒ほどピックアップして電話をかける。うち一軒は住所は聞き取れたけど、その後の話がわからない。何度か聞きなおすうち、見かねたホストマザーのJが電話を代わってくれた。家までの道順を詳しく説明してくれたらしい。やれやれ。今日は休日だったので、Jがフラットめぐりにつきあってくれた。一軒目はMerivaleのこじんまりした一軒家。2bed−roomで家のオーナーが空いてる部屋を貸し出すタイプ。そのため、外観の割に内装はなかなかしゃれていて、明るいきれいな部屋でした。家主は30代後半の女性。私の前にも一人お客さんが来ていました。”お部屋見に来た人なのかなー”ちょっとどきどき。”今日は自分からおしゃべりしなくちゃ”と気合を入れて面談に臨む。しかし、なんだか妙に家主とJの間で話が盛り上がっちゃって・・・。私は聞き取りで精一杯だった。どうやら、家主の妹が日本語の勉強で日本に滞在していた らしい。娘が日本にWHしているJとしては共感度も高かったのだろう。顔にはりついた笑顔を浮かべつつ、黙って二人を見守る私。そして、なんだかあまり言葉を交わさないうちにその家を後にしました。こんなんでよかったのかなー・・・。
  
 2軒目は6人が同居しようという、St,alvansの大きな一軒家。学生達があつまったフラットだった。応対してくれたのはにぎやかな女の子2人。日本人の私が見学にきたということに非常に興味深々で、今までの中で一番自然に会話ができました。部屋は小さめだったけれど、家賃は$60と安目だったし、なんだか楽しそう。ただ、食事が当番制できっちり決まっているらしく、夜番で食事が共にできない時の融通がききにくそう。ちょっと困ったなぁ、と思案顔でフラットを後にする。”学生ばかりのフラットは騒々しいわよ”帰りの車の中でJが言った。うーん、そうかも。でも他にみつからなかったら決めるしかないかなー。

 夕方、Merivaleの家主から電話があった。”あなたがよければ、部屋を貸すわ””!!”とってもとってもうれしいことを繰り返し伝えて電話を切った。横でJが笑ってみてた。夜になって、St.alvansの学生からも電話があった。”とってもすてきで、楽しそうなフラットだったけど、他のフラットに決めたの。電話ありがとう””OK”ちょっとがっかりした声に、胸が痛んだ。


  『その他』
 職場の友人達もフラットをシェアーする人が多かった。新しく物を買い揃える必要がないし、せっかくNZに来たから、って気持ちもあったと思う。それぞれの体験例は別のページにまとめます。



<フラットを借りる>
NZでは家具付のフラットも多いので、部屋を借りて住むのに日本ほど手間はかからない。土曜日の新聞のフラット欄を探すか、不動産屋にあたる。家主と契約書を交わすことになるので、入居期間他取り決め事はきちんと守らなければいけない。契約違反をすれば、裁判にかけられ賠償金の支払いを命じられることもあるので注意。

  『友人Mの場合』

 友人Mは某プログラムで来NZし、すぐにお店で働くことも決まっていたので、部屋もマネージャーが同行してさっさと決まってしまった。数週間後にやはり同じ斡旋会社から一人来ることがわかっていたので2bed-roomを借りた($150)。きれいな新築フラットだったが、家具付ではなかったので、洗濯機、冷蔵庫、テレビ、ベッドなど買い揃えなければならなかった。ダイニングテーブル、ソファーなど知人からもらったものもあるが、お皿、フライパン、なべ、包丁、生活に必要な道具は結構ある。セカンドハンドショップで安くそろえられるとはいっても結構な出費だった。3ヶ月後、日本人とシェアーしていてはNZにきた甲斐がない、と思い立った彼女はフラットメイトをみつけて、このフラットを引き払った。調理器具などは引越し先に運べたが、冷蔵庫、洗濯機は無用の長物に。そこでガレージセールを試みたが買い手がつかず、結局購入先のセコハンに引き取ってもらった。代金はすずめの涙だったらしい。教訓:フラットは家具付を。  

  『友人M美の場合』

 たまたま知り合いが出るのと入れ替わりに入ったという1bed-roomはアートセンター近くの古い2階建てのフラットの1階だった。バスルームもキッチンも古びていて狭かったが、居間兼用の一部屋が広く友人ばかり10人集まっても狭く感じない広さがあった。この場所、この部屋で週$60はお得!

  『その他』
 土曜日の新聞をチェックするなら、コンタクトはお早めに。フラットは条件のいいところからどんどん決まっていく、早い者勝ち!です。後、入居期間が短いとなかなか部屋を貸してくれないこともあります。