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曹洞宗巨峰山喜福寺(東京都文京区本郷5−29−13)
開創については詳しい記録は残されていない。永正三年(1515)北条早雲が関東管領として管区を見回り、小田原帰城の為この堂宇に休息し、その際発心するところがあって、侍臣の高慶を仏門に入れ、早雲の守り本尊である十一面観世音菩薩並びに将軍地蔵尊(共に伝行基作)を本尊として自己の菩提供養を
命じた事により高慶を開基とし、初期は天台宗として発足したのであるが、その後寛永年間(1624〜1644)曹洞宗祥雲寺七世国伝韓達和尚をむかえ、開山として曹洞宗に帰属したのである。
十一面観世音菩薩は江戸時代より、火伏、厄除の祈願霊場として栄え、江戸北向七観音、坂東三十三ヵ所観音霊場の身代わり一番、江戸三十三ヵ所観音札一番等により参詣者多く、
徳川二代将軍秀忠よりは領地九千坪を拝領したが明治維新の際、この拝領地は没収されてしまった。又、喜福寺の所在する所は、江戸城付近においては高台で鳥獣多くすむ森林地帯であった為、
太田道灌或は徳川代々の将軍が鷹狩りの陣屋を張り、太田道灌は鳥獣供養の為に稲荷堂を建立し、福狩稲荷と命名したと伝えられている。爾来数百年、今日なお数多くの信者がここを訪れている。
曹洞宗は仏教の開祖「釈迦牟尼仏(しゃかみにぶつ)」をご本尊と定め、お釈迦さまのみ教え(おさとりの心)を正しくお伝えになられた道元禅師(どうげんぜんじ)(高祖承陽大師(こうそじょうようだいし))、
親しくおひろめになられた瑩山禅師(けいざんざんじ)(太祖常済大師(たいそじょうさいだいし))を両祖として、お釈迦さま、高祖さま、太祖さま、を「一仏両祖(曹洞宗三尊仏)」と御呼びし、人生の導師として礼拝するとともに敬慕申し上げます。
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