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※ファンタジーっぽい。 盗まれた国宝のネックレスを無事取り返したという知らせを受けてアーサー、 アルフレッド両王子は早速指定された宿屋へ駆けつけた。相手はただでさえ 庶民に圧倒的な人気を誇る義賊アントーニョだ。厳重警備の中、まんまと宝を せしめたことを知られたらアントーニョの人気はますますうなぎのぼり、元より 評判の悪かった王の株はさらに急落するだろう。ゆえに国宝の盗難も極秘事項 とされ、奪還依頼をした両王子ももちろん忍びである。幸い王家のしきたりで 表に出てこない両王子は顔が知られておらず、身なりをワンランク落とすだけで 王族とは知られずに溶け込むことができた。それをいいことに彼らは城下で遊び 慣れているようだが、さておき待ち受けた三人はある事実をどう切り出そうか 困っていた。無事取り返したのは取り返したのだが、その後が良くなかった。 「よくやってくれた!報酬ははずもう。さあ見せてくれ、女神の泣き寝入りを」 「そうだね。君たちを信用しないわけじゃないが傷がないか確かめたいからね」 なんでそんな名前なんだよと三人は思いつつもはや逃れられないと宝飾の ほどこされた重いケースをフェリシアーノはおそるおそるアルフレッドに渡した。 なんだ空じゃないかとつぶやきの通り、中身はそこにない。主のいない土台が 寂しくあるだけだった。怪しむアーサーの視線が挙動不審なフェリシアーノを槍の ように突き刺し、知らん振り決め込めるならそうしたかったルートヴィッヒも菊も 助け舟を出さずにはおれず、実は…と真相を明かした。そう、問題はアントーニョ から取り戻したその後だ。中身を確認しようとしたフェリシアーノがあんまり綺麗 だったものだからと遊び半分で菊にネックレスをつけさせてしまったのだった。 鳩の卵ほどある大きな青みがかったダイヤはそれはそれは綺麗だったがずっしり と重く、肩がこってしまいますよとすぐに外そうとしたのだが金具が言うことを 聞かず、ルートヴィッヒの腕力をもってしてもそれは外れなかったのである。菊が ネックレスはここにありますと隠していた胸元をくつろげると女神の泣き寝入りは 確かに盗まれる前と変わらぬ美しさでそこに存在していた。だが両王子の反応 は異様だ。身につけてしまったのか!と声を荒げてわなわなと震えている。 すまん、そのことに関しては詫びる。だから外し方を教えてくれと頭を下げる ルートヴィッヒに外し方なんてない、と驚くべきことをアーサーは口にする。え? ときょとんとした顔で首を傾げる三人。 「女神の泣き寝入りは身につけた者が王妃になるまで外れない呪われたネック レスなんだ。いかなる力も受け付けない。だから代々王が愛する女性に贈ること になっている」 「そんなバカな話がありますか!」 「じゃあもし無理やりつけられたらどうすんのさー」 「泣き寝入りしかないよ」 「なるほど、それでその名前か…」 男の身で王妃になれるはずもなく、なりたいわけもないがおかげで一生肩こり に悩まされる行く先真っ暗な己の未来に脱力するばかりの菊になんと声をかけて いいものやら戸惑う一同だったが、アルフレッドばかりは明るい表情で大丈夫! と励ます。 「君なら俺がもらってあげるよ!」 まるで自分が王になる確信でもあるかのような言い草に聞き捨てならない アーサーは途端に胸倉を掴んで殴りかかる。 「だ、誰が王位を譲ると言った!」 第一俺がもらうと決めたんだよ!いや俺が俺がと国宝をほったらかしでぎゃあ ぎゃあ口論をはじめた兄弟に菊は途方に暮れ、フェリシアーノ、ルートヴィッヒは呆れ果てるばかりだった。 蛇足設定。 イタリア:わはー君を守るナイトになるよーと言いつつもいざ戦闘になると転んだり 攻撃がスカったりブルブル震えてたりあんまり役に立たないんだけど当たると 必ず会心の一撃。いのちだいじに!これが俺のジャスティス! ドイツ:戦士っていうかむしろ重装歩兵。パリイ! 日本:ニンジャで二刀流にみだれうちで八回攻撃!ずっと私のターン! 回復役がいないので道具屋にいつもまた薬草っスかwwwと言われる。ヴェー また薬草ー?どうせならおいしいごはんで回復すればいいじゃないとフードサック 制を導入。世界を救ったりもせず依頼に応じて来る日も来る日もピクニック。 イベント:オートボウガン装備の傭兵スイスと財宝探し、義賊スペインに盗まれた 国宝の奪還、貴族オーストリアの護衛、ロシア邸の亡霊退治、吟遊詩人フランス から情報を買う、王子のイギリスとアメリカがフローラとビアンカ状態になる、など など。 |