…21世紀の地球。次元の裂目をくぐりぬけ謎の侵略者「デストロンガー」が出現した。彼らこそ全宇宙多次元に散らばる超生命体トランスフォーマーの悪の種族「デストロン」の急進派である。その主は自ら「闇の破壊神」を名乗る「ギガトロン」。対するは「ファイヤーコンボイ」率いるサイバトロン「次元パトロール」。ビーストをスキャンしたデストロンガーとビークルをスキャンしたサイバトロンの新たなる戦いが今始まった!!(カタログより抜粋)
デストロンの最終目的は無論「全宇宙の征服」にある。ギガトロンはそのために地球に眠ると伝えられる「大いなる力」を求めてやってきたのだ。
また、デストロンガーはエンジェルマウンテンより太古のサイバトロン・シップを発掘、内部に眠るプロトフォームより新戦力「コンバットロン」を誕生させ、自軍に加える。コンバットロンのリーダー「ブラックコンボイ」はその名の通りビークルと共にファイヤーコンボイをスキャンした「悪のコンボイ」である。
「大いなる力」・・・その正体は太古のサイバトロンが地球の守護神として地底深くに安置した防衛都市システム「サイバトロンシティ・ブレイブマキシマス」だった!
ブレイブマキシマス、そして、そのコントロールを司る「プラズマ」を巡り、両軍は激しく抗争する。
新たなメンバーを加えつつ戦力を充実させるサイバトロン。ファイヤーコンボイはエネルゴンマトリクスを持つ新しい仲間「ゴッドマグナス」と合体。二つのエネルゴンマトリクスを持つ最強司令官「ゴッドファイヤーコンボイ」にパワーアップする。
地下ピラミッドのパワーを受けたギガトロンは「究極破壊神・デビルギガトロン」へパワーアップ。エネルギー吸収能力でブレイブマキシマスのパワーを我が物とし、さらに全世界の子供たちをその支配下においた。ゴッドファイヤーコンボイはデビルギガトロンを地底深くに誘い込み、最後の決戦を挑む。しかし、マグマ渦巻く高熱・高重力下においてもデビルギガトロンの戦闘力はゴッドファイヤーコンボイを圧倒する。デビルギガトロンは言う。「永遠に生きる我々には”未来”はない、永遠に続く今があるだけだ」と…そして「未来を創り出すのは常に”子供たち”であると、だからこそ、未来を手に入れるために”子供たち”を支配するのだ」と…。デビルギガトロンがとどめの一撃を放たんとしたその時、大西ユウキの呼びかけに応じた全世界の子供たちのエネルギーがブレイブマキシマスによって、ゴッドファイヤーコンボイに注がれ、巨大なマトリクスウェポン「スーパーゴッドソード」が出現した。ゴッドファイヤーコンボイはギガトロンの求めて止まなかったその「未来への力」をギガトロンの頭上へ打ち下ろすのだった…。
戦いは終り、デストロンガーの面々は捕らえられ、セイバートロンへと護送されていった。
地球は再び平和を取り戻した。そしてサイバトロンの仲間たちは、いつまでも我々のそばいにいる…そう、いつまでも、いつまでも…(おわり)
サイバトロン |
デストロンガー |
その他 |
| 総司令官 ファイヤーコンボイ | 闇の破壊神 ギガトロン | 大西大地博士 |
| (総司令官 スーパーファイヤーコンボイ) | (究極破壊神 デビルギガトロン | 大西ユウキ |
| (最強司令官 ゴッドファイヤーコンボイ) | 牙提督 ゲルシャーク | ジュンコさん |
| 豪腕闘士 ワイルドライド | 特殊工作兵 ガスカンク | |
| (局地戦闘員 スーパーワイルドライド) | 森林剣士 ギルド- | |
| 交通機動隊員 マッハアラート | 湿原兵 グッシャー | |
| (音速追撃員 スーパーマッハアラート) | 暗黒司令官 ブラックコンボイ | |
| 爆走銃士 スピードブレイカー | 鋼鉄将軍 ドルレイラー | |
| (爆走騎士 スーパースピードブレイカー) | 陸上参謀 グリジバー | |
| 忍者首領 アートファイヤー | 装甲参謀 ダンガー | |
| 鳥人忍者 イーグルキラー | 衛星参謀 シャトラー | |
| 破壊忍者 ウォーズ | 航空参謀 ヘプター | |
| 引力忍者 エックスカー | (戦闘スペシャリスト バルディガス) | |
| 猛進忍者 オックス | ||
| 狙撃忍者 カウンターアロー | ||
| 音速参謀 ジェイファイブ | ||
| 音速公安官 ジェイセブン | ||
| 音速公安官 ジェイフォー | ||
| (三体合体公安官 JRX) | ||
| 高速偵察員 インディーヒート | ||
| 交通機動隊員 レッカーフック | ||
| 太陽王 ビルドボーイ | ||
| 森林王 ビルドハリケーン | ||
| 砂漠王 ビルドタイフーン | ||
| 火山王 ビルドサイクロン | ||
| (鋼鉄大王 ビルドキング) | ||
| 機動隊長 ゴッドマグナス | ||
| サイバトロンシティ ブレイブマキシマス | ||
| 作戦コンピュータ アイ |
話数 |
サブタイトル |
話数 |
サブタイトル |
話数 |
サブタイトル |
| 第1話 | 初出動!ファイヤーコンボイ | 第14話 | 敵?味方!?ブラックコンボイ | 第27話 | 絶体絶命!カーロボ3兄弟 |
| 第2話 | 高速バトル!ゲルシャーク | 第15話 | 5体合体!バルディガス | 第28話 | 発動!ダブルマトリクス |
| 第3話 | 合体せよ!新幹線ロボ | 第16話 | 対決!二人のコンボイ | 第29話 | 浮上!サイバトロンシティ |
| 第4話 | 忍者ロボ!スパイチェンジャー参上 | 第17話 | 宇宙から狙え!シャトラー | 第30話 | JRX対バルディガス |
| 第5話 | 決死のジャンプ!マッハアラート | 第18話 | 正義に目覚めよ!ブラックコンボイ | 第31話 | ゲルシャークの罠 |
| 第6話 | ギガトロンの襲撃 | 第19話 | 秘密作戦!ゲルシャーク | 第32話 | 最後の鍵?さよならアイ |
| 第7話 | スピードブレイカーの危機! | 第20話 | 熱血戦士!ビルドマスター | 第33話 | 奪われたプラズマ |
| 第8話 | 謎の兵器!D5 | 第21話 | 四体合体!ビルドキング | 第34話 | ブレイブマキシマスの謎 |
| 第9話 | カウンターアローの裏切り!? | 第22話 | 正義の味方?ゲルシャーク | 第35話 | ゲルシャークの憂鬱 |
| 第10話 | 爆走!インディヒート!! | 第23話 | 狙われたビルドマスター | 第36話 | ブラックコンボイの野望 |
| 第11話 | 駐車違反だ!レッカーフック | 第24話 | 登場!ゴッドマグナス | 第37話 | ブレイブマキシマス起動! |
| 第12話 | 究極!大仏トランスフォーマー | 第25話 | 強制合体!ゴッドファイヤーコンボイ | 第38話 | 逆襲!デビルギガトロン |
| 第13話 | ギガトロンの野望を暴け! | 第26話 | 集結せよ!新戦士たち | 第39話 | 最後の戦い!ファイヤーコンボイ |
本作品は「超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズ メタルス」の後を受けてスタートした日本限定展開のセルアニメーション新シリーズである。
和製ビーストウォーズ「セカンド」「ネオ」が連作(完結)であったのに対し、本作はその続編としてではなく、また新しいストーリーとして製作されたようである。年代設定は劇中では「ミレニアム」とだけ言われており、いつのミレニアムかは不明であるが、玩具カタログ等によれば「21世紀」との記述もあり2000年と見るべきなのかもしれないが・・・(ま、どこにも「西暦」とは書いてないんだけど)。
西暦2000年はトランスフォーマーシリーズの日本展開15周年にあたり、演出としては様々な新しい試みがなされた。
最たるものはG1も含めてはじめて軍団の名称が変更された点であろう。すなわち、「デストロンガー」である。「デストロン」と「STRONGER(より強い)」をかけたものと推測される。設定としては「デストロンの急進派」という「エリート集団」とのことである。(が、劇中の印象としては・・・)
またサイバトロンのエンブレムはG1期のものが使用され、対するデストロン(ガー)はBWのものが使用された。すなわち、「ビークル」VS「ビースト」である。同時期に海外にて展開(現在も展開中)の「BEASTMACHINES」の「ビースト(有機)VS「マシン(無機)」とは逆転の構図となっている。また中盤より登場したサイバトロンプロトフォームから生み出されたデストロンガー「コンバットロン」(言うまでもなく、G1デストロンとは無関係)にはG2期のサイバトロンマークを上下さかさまにしたものが使用され、「悪のコンボイ」の登場など、かつてのシリーズとの関連を意識したと思わせる演出も数多く見られる。とはいえ、和製ビーストウォーズに登場した「エネルゴンマトリクス」が登場したかと思えば「プロトフォーム」「スパーク」といったCGシリーズの主要概念も登場するといった様々な設定が混在することに関する設定面の謎が本編では語られるにいたらず、説得力を失わせている。
あるいは、過去の全シリーズから切り離し、完全なる新シリーズと見るべきなのかも知れない。
一作品としても、またしてもまったく新しいテイストの作品となっており、好悪の分かれるところであろう。
余談ではあるが、2000年は復刻版コンボイ(TOY)をはじめ、様々なアイテムが発売された(限定版TOY、初作DVDの発売等々)。2000年度発売のTOYには「トランスフォーマー15周年記念」と書かれたステッカーが貼られている。
本作「トランスフォーマー カー・ロボット」は2001年 アメリカへ逆輸入され新シリーズ「トランスフォーマー ロボッツ・イン・ディスガイズ」として、放映されている。キャラクターの名称等は改定されているが、ストーリーはほぼそのままで導入されている。つまり、トランスフォーマー史上初、「和製セルシリーズ」が放映されたということである。作品としての評価は国内ですら未だ定まっていないが、この2000年の和製シリーズがどのような形で受け入れられるのか、興味深いところである。
★この作品は結果的に欧米で好意的に受け入れられた。beastmachinesの惨敗とほとんど対照的に勝利した結果として、以後TFの世界はビーストの時代を終え、再びrobots
in disguise・・・機械としてのロボット世界に立ち返った。そして2003年の完全新生・・・ARMADA=マイクロン伝説へ
