<STORY>

 ・・・「コンボイ」と「メガトロン」が死闘を繰り広げていたほぼ同じ頃・・・銀河の辺境、太陽系に位置する惑星で、サイバトロン宇宙警備隊と、デストロン機構軍団の戦いが始まる!!この惑星の古代遺跡に眠る究極兵器「アンゴルモアの大王」とは何か?宇宙暦1999年7の月に勝利するのは正義のサイバトロンか!?それとも悪のデストロンなのか!?(カタログ前期型より)

 銀河の辺境の惑星「ガイア」に巨大な宇宙船が姿をあらわした。これぞ、破壊大帝「ガルバトロン」率いるデストロン軍団の要塞戦艦「ガルバブルク二世」号である。ガルバトロンはこの星に隠された超エネルギー「アンゴルモアエネルギー」を手に入れ、全宇宙を支配するつもりなのだ。本部からの指令を受けたサイバトロンの「ライオコンボイ」部隊は惑星ガイアに向かう。だが、衛星軌道に至ったところ、惑星上のガルバブルグから砲撃を受け、サイバトロンの調査船「ユキカゼ」は墜落する。各自、ポッドで脱出した隊員たちは何とか無事に惑星上に降り立つが、この惑星の大気は彼らの身体に有害な成分を多く含んでいたため、彼らは非常措置として、現住生物のDNAをスキャンした。サイバトロンのビースト戦士の誕生である。
一方、デストロンは、都市遺跡のコンピューターから、この惑星の兵器をスキャニング、環境に適応したマシンに変身する。こうして「動物VSマシン」の新たなるビーストウォーズが始まった。

 当初、デストロンの破壊大帝ガルバトロンはスキャンの際のバグにより休眠状態になっていたが、アンゴルモアエネルギーを直接摂取することにより復活、強力な指導力と戦闘力で軍団を掌握する。一方、白いライオンをスキャンした「ライオコンボイ」の元に集結したサイバトロンには、この星に隠棲していた傭兵団「インセクトロン」、三体合体する別部隊「ジョイントロン」、ライオコンボイの「エネルゴンマトリクス」から派生した「ライオジュニア」と本部から派遣され、彼と合体する「スカイワープ」と「サントン」などの戦力が加わる。
 遅々として進まぬ惑星の要塞化、エネルギー収集に業を煮やしたガルバトロンは銀河の彼方から彼の本拠地「人工惑星ネメシス」を召喚、戦いはクライマックスをむかえる。
ネメシスから直接エネルギーを吸収され、惑星ガイアは天変地異に見舞われる。惑星ガイアの人類文明がアンゴルモアエネルギーの制御ミスによって絶滅した事を知ったサイバトロンは人類の残した惑星監視システム「アルテミス」と「ムーン」の協力を得て、ガイアを二度目の破滅の危機から救うべく活動を開始する。
 サイバトロンはサントンらが乗ってきた宇宙船で人工惑星ネメシスに突入、直接決戦を挑む。ガルバトロンは力による支配なくして平和を得る事は出来ぬと説き、ライオコンボイらに協力を求めるが、ライオコンボイらはそれを退ける。スクーバによって、ネメシスの中心に爆薬が仕掛けられ、ネメシスは崩壊のときを迎える。だが、ガルバトロンは諦めず、自らの身体に、全アンゴルモアエネルギーを吸収、最後の戦いを挑む。ライオジュニアと融合、再びひとつのエネルゴンマトリクスに戻ったライオコンボイは「緑のライオン」に変身、アンゴルモアエネルギーを小さく切り分け、カプセルに封じ込める。ガルバトロンの一瞬の隙を突き、再び二人に分裂したライオコンボイは必殺のライオンクローでガルバトロンの胸を打ち砕く。ガルバトロンはついに倒れた。ネメシスは大爆発、ガイアは破壊を免れる。サイバトロンはその爆発によって生じたワームホールに落ち込み、未知の世界へ転移する。だが、彼らの戦いは終わらない。世界に戦いがある限り・・・(おわり)

<主な登場キャラクター>

サイバトロン

デストロン

その他

総司令官 ライオコンボイ ライオコンボイ部隊のリーダー。白いライオンをスキャンした。エネルゴンマトリクスを持つコンボイクラスのトランスフォーマーである。沈着冷静な指揮官で部隊を統率する。 新破壊大帝 ガルバトロン 沈着冷静なデストロンリーダー。ドラゴンとドリルタンクにトランスフォームする。
高いカリスマ性を持ち、軍団の指導力に富む。単純な破壊主義者ではなく、力による支配によって平和がもたらされるという思想を持ち、それを実践するため、アンゴルモアエネルギーを求め、ガイアを訪れた。
アルテミス 惑星ガイアの人類が残した惑星監視システム。少女の姿をしたアンドロイド。人工の月の内側に住む。
副司令 アパッチ ライオコンボイ部隊の副官。マンドリルの変身する。かつて、ライオコンボイに命を救われた過去があり、彼に忠誠を誓っている。また、怒りが頂点に達すると、本人も知らない第三形態に変形する。 破壊公爵 メガストーム ガルバトロンの弟。軍団の指揮官になる野心を持っているが、今ひとつ指導力が伴わない。ガルバトロンを亡き者にせんとしたり、冷酷な一面も持つ。 ムーン 同じく、月に残された監視ロボット。ウサギ型ロボットから、人型に変形する
(破壊大公 ギガストーム) スタースクリームの陰謀により、アンゴルモアエネルギーの海に落とされたメガストームがアンゴルモアエネルギーを吸収、変身した姿。大きさを自在に帰ることが出来る。
陽動員 タスマニアキッド タスマニアデビルに変身する。経験の浅いまだ若い戦士。 航空参謀 スタースクリーム 部隊の参謀格。おねえ言葉でしゃべる。同名のG1キャラとちがって、比較的忠誠心の厚いタイプ。
守備隊員 ダイバー カエルをスキャンしたサイバトロン戦士。ナイアガラベースという秘密基地を建設した。トークはなぜかちょっぴり変な関西弁 (参謀総長 ヘルスクリーム) ギガストームの逆襲により、アンゴルモアエネルギーを浴びたスタースクリームの変身した姿。サイボーグサメにトランスフォーム。
水中工作員 スクーバ イカに変身する。俳句などを愛好する謎のイカであるが、仲間のピンチには必ず駆けつける。神出鬼没のやけに有能なイカ。 空爆兵 BB スタースクリームのパートナー。無口で「らじゃ」としかしゃべらない。タンク、ステルスジェットにトランスフォームするトリプルチェンジャーで、スタースクリームとの合体能力も有す。
突撃員 ビッグホーン バッファローに変身する。猪突猛進型の戦士。第三者に発射レバー(尻尾)を引いてもらって放つミサイルは強力 (護衛隊長 マックスビー) スタースクリームと共に生まれ変わったBBの姿。サイボーグ犬にトランスフォーム。
昆虫司令 ビッグモス 惑星ガイアに隠棲していた元傭兵団インセクトロンのリーダー。蚊に変身する。 航空士官 スラスト メガストームの子飼いの士官。トークはちょっと変な関西弁。
柔術家 パワーハッグ ダンゴムシに変身するインセクトロンの一員。格闘戦に優れる。 (突撃隊長 スラストール) ギガストームからアンゴルモアエネルギーを注入され、パワーアップしたスラスト。サイボーグラプトルにトランスフォームする。
強行偵察員 トンボット いかがわしい英語訛りでトークするインセクトロン。ムカシトンボに変身。 航空士官 ダージ メガストームの子飼いの士官。スラストとは漫才コンビ。やはり、ちょっと変な関西弁。
忍者 マンティス 遺跡に潜んでいたインセクトロン。カマキリに変身する。 (航空隊長 ダージガン 再起を図り、スラストと共にパワーアップしたダージ。サイボーグ蜂に変身する。音波攻撃ブラストリーダーは味方もしびれさせる欠陥品だ。
地底工作員 ドリルナッツ 発明好きのインセクトロン。ゾウムシに変身。肝心の発明は欠陥が多い。 親衛隊長 オートスティンガー デストロンに雇われている傭兵団オートローラーズのリーダー。ダンプカーにトランスフォームする。
謀略員 シザーボーイ ハサミムシに変身するインセクトロン。タスマニアキッドと仲がいい。 陸上親衛隊 オートクラッシャー ブルドーザーにトランスフォームするオートローラーズの一員。
音波工作員 DJ 陽気な別働隊ジョイントロンのリーダー。セミに変身。ガイアには間違ってやってきた。 航空親衛隊 オートジェッター 航空機にトランスフォームするオートローラーズの一員。
局地工作員 ギムレット ジョイントロンのメンバー。ザリガニに変身する。 突撃親衛隊 オートランチャー 装甲車にトランスフォームするオートローラーズの一員。
力士 モーターアーム カブトムシに変身するジョイントロン。トリアス部屋とやらに所属している。
(合体巨人 トリプルダクス) ジョイントロン三名の合体した巨大戦士。
野生闘士 ライオジュニア  ライオコンボイのエネルゴンマトリクスが分裂して誕生した新戦士。
アンゴルモアエネルギーを吸収する力を持つ。
音速教官 スカイワープ ライオジュニアのためにセイバートロンより派遣された戦士。タカに変身する。
医学博士 サントン ライオジュニアのためにセイバートロンより派遣された戦士。象に変身する。
(合体戦士 マグナボス) ライオジュニア、スカイワープ、サントンの合体した巨大戦士。アンゴルモアエネルギーを扱える。合体は、スカイワープ、サントンも主体に行えるが、合体するとコントロールはライオジュニアに移ってしまう。
宇宙偵察員 イカード スクーバのイトコ。スクーバの親族一同より贈られた新兵器「タコタンク」を届に来た。スクーバをスキャンしてイカに変身する。

<エピソードリスト>

話数

サブタイトル

話数

サブタイトル

話数

サブタイトル

第1話 新軍団登場! 第16話 恐るべし合体作戦? 第31話 スタースクリームの最期
第2話 白いライオン、走る! 第17話 リーダーは誰だ? 第32話 ライオコンボイ暗殺計画
第3話 ビッグホーンの怒り 第18話 黒いライオコンボイ 第33話 アンゴルモア冷凍大作戦
第4話 湖のワナ 第19話 宇宙海賊シーコンズ 第34話 ネメシスをぶっ飛ばせ
第5話 復活ガルバトロン 第20話 最強戦士は誰だ? 第35話 ライオジュニアの反乱!?
第6話 古代遺跡のナゾ 第21話 イカしたスクーバ 第36話 第四惑星の使者
第7話 昆虫軍団現る 第22話 メガストームの計算 第37話 惑星ガイアの危機
第8話 敵・味方?昆虫ロボ 第23話 海中の対決 第38話 飛び出せ!惑星ガイア
第9話 最強タッグ結成? 第24話 夕陽に向かって 第39話 勢揃い三十九戦士
第10話 オートローラーズ出撃せよ! 第25話 最後の戦い 第40話 宇宙海賊の復讐
第11話 危うし!シザーボーイ 第26話 ライオジュニア登場 第41話 ネメシスへの突入
第12話 ガルバトロン大暴走 第27話 新生メガストーム 第42話 伝説!緑の戦士
第13話 デストロン総攻撃! 第28話 新兵器タコタンク 第43話 さらば!ライオコンボイ
第14話 合体巨人トリプルダクス 第29話 人工惑星ネメシス
第15話 陽気なジョイントロン 第30話 ギガストームの裏切り

<作品解説>

 1998年放映のTVシリーズである。CG版ビーストウォーズの終了を受けて、開始された和製ビーストウォーズ第一作。100%セルアニメである。本作は準備期間が不足しただのなんだのと、諸所の事情があることが知られてはいるが、客観的に見て「近年稀に見る低クオリティアニメ」であることは認めざるを得まい。

 世界設定は「コンボイとメガトロンが死闘を繰り広げていたほぼ同じ頃・・・」と銘打たれている。TOYカタログや、劇場版を考慮すればこの両者がCG版のゴリラと恐竜であることは間違いなかろう。が、本シリーズの製作時におそらく、まだ惑星エネルゴアが太古の地球であると言うことはわかっていなかったろうから、これはコンボイとメガトロンがもといた時代のこと、と解釈すべきであろう(太古の地球と同年代とするとさらに説明が困難となる)。しかし、本シリーズならびにこの続編「ビーストウォーズ ネオ」で描かれる世界は、どうもCG版の世界とは異なるようだ。
 この一連のシリーズには「スパーク」という概念が登場することはなく、逆に「エネルゴンマトリクス」という新たな概念が導入されている。また、次の「ネオ」の項目で触れる予定だが、G1シリーズに登場した「ベクターシグマ」が重要な役割を持って登場する。・・・あるいは彼らは「マクシマル」「プレダコン」ではないのかもしれない。

 「エネルゴンマトリクス」は劇中で「コンボイクラスのトランスフォーマーだけが持つ部品」と表現され、「コンボイクラス」なるトランスフォーマーの存在が示唆されている。これはおそらくCG版ビーストウォーズの最終話、エイリアンの惑星破壊兵器に突っ込むコンボイに対し、メガトロンが言ったセリフ「まったく、貴様らオプティマスと名づく連中ときたら、まったく自己犠牲がお好きなようだ」から、このコンボイ(オプティマスプライマル)以外にもコンボイがいっぱいいるのでは?と、考えた・・・というのが、アイディアの出所であろうと思われる。

 クオリティはさておいても、その作風というか、方向性は、それまでのどのTFシリーズとも異なるものであったことは間違いあるまい。したがって、まったく新しい魅力として、それを認知した(新規)ファンは数多く存在するようだ。解説がいくぶん辛口になったようにも思えるが、一ファンの一見解として諒とされたい・・・。

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アナザーワールド・もうひとつの野獣戦争と呼ばれるもの