<THE CRYSTAL MONSTER ジャケット>
「THE CRYSTAL MONSTER」(以下CM)のことを記す前に、一冊SF小説を
御紹介したい。レコード帯にも引用されているので、既にお読み
の方も多かろうとは思う。「ニューウェーブSF」J.G.バラード作
「結晶世界」である。創元SF文庫刊であり、中規模書店なら容易に
入手可、である。
この小説にインスパイアされてだろう、CMをリリースするのだが、
驚いたことに、あまり小説とは関係ないサウンドだ。
後期EP-4は、シンボル・マークも一新され「PSI- TECH MUSIC」(P.T.M)を名乗る
ようになる。
眼目はSideA「MINERALOID」であろう。「アフリカ、ジャーマン・テクノ
RAI(Relational-Arabic-International)、民謡」といったエスノが
並び、人類史上未だかつて体験した事の無い、前人にして未到、空前に
して絶後の音楽に仕上がった。「無国籍」ではなく「多国籍」である。
特記すべきはサビにRAIを持って来た事であり、カヲルの「コブシ」も
回っている。
RAIが耳目を集めるのはこれより数年後の事なので、カヲルの先見を
称えたいところだ。
さて、このCMの発売日は85年5月21日。5.21である。
偶然なのか故意なのか?偶然にしては出来過ぎである。が、WAVEレーベル
は「毎月21日リリース」なので、微妙な所だろう。
故意であったなら、これは凄いことだ。足掛け3年、規模は縮小したが、
5.21は一応の決着を見ることになる。
最後に、後期EP-4サウンドに感触が似ているバンドがある。
それは、細野晴臣氏率いる「Friends Of Earth」であり、いずれ
「EP-4-F.O.E in the Dark」を設置したい。
また、インナーに松岡正剛氏が寄稿されておられる。当時、アンチEP-4の
方々はこの辺りにも原因があったろうと察する。
いずれにしても全3曲、不思議に耳から離れない佳作揃いである。
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