Mi・da・ra
ブランド アハン声 ちゅぱ音 運命
ミンク 一部有り 残留

淫は願望、淫は原罪。夢現世界のアドベンチャー。

「夜勤病棟」辺りから随分とハジけた作品をリリースし続けるミンクですが、
そのはじけ気分を良い意味で持ったまま発表したタイトル、それが「Mi・da・ra」です。
midaraというタイトルに、ふと「見ちゃだめなんらから〜」というピノコ言葉を思い出しますが、
思い出すといえば、こんなタイトルで中森明菜がレコ大取ったような記憶があり、
見事に間違った記憶というのが調べてわかりました、
「DA・YO・NE」はEAST ENDですね。

そんな日本ヒップホップ界の創世期どころか明治時代にまでタイムスリップしたりのストーリー、
具体的に言いますと、
「ある日ビデオを見つけた主人公、その中身は義妹の淫らな姿ばかりが映しだされ、
このビデオの中身が本物か偽物か判断のつかないまま、下半身の欲望に従う。
そして……」
あんまり具体的に言えてません。
が、前振り文もストーリー紹介も何の脈絡も無くなってしまったのは、
このゲームがそういう雰囲気に支配されてるからなんで。
本来ならば、
「やったービデオにボクちんの妹が出演してるーシコシコ…うーんスッキリ♪」か、
「ああダメだよ妹がそんなビデオに出ちゃ…でも…シコシコ…ああこのやるせない気持ち…」
という心の揺れ動くさまを描いたストーリー、と言えば端的なんですけど、
俺の綴る言葉では、このゲームの雰囲気を伝えるに相応しくないんです。

即ち、エロスという快感を求めるか、タナトスという現実を見定めるか、
ビデオを通して見られるこの曖昧な境界線の元に進むストーリーは、
哲学的用語を使ってる辺りにも深淵なテーマというか煙に巻かれた気がするストーリーでして、
俺の重視する「ゲームイメージ」ってやつが、曖昧という言葉で徹底されてます。
だけど正直、こういったイメージの統一は俺の望むところではあるんですが、
よくわからない事を統一されても所詮よくわからないという感想になるんですがね。

ゲーム中に流れる雰囲気をこうしてぼやけさせたままにしても、
実際に辿りつく結論とは、
「ビデオを通して見る義妹は実際の清楚な義妹と違って本能バリバリ、
そんな妹にこそ現実感があると知ったボクチンってばフォーリンラブ」
というラブエンドに収拾するわけで、
間がよくわからなくても、初めと終わりに明確なスタンスを持って来てるから、
ストーリーの芯はしっかりとできてるんじゃないでしょうか。
おかげでハッピーエンドが義妹しかないという、エロゲーとしての弊害があるとしても。

そのハッピーエンドに辿りつく為に、ゲーム内でする事、
これが主なゲーム性となっており、
単なるアドベンチャーのように、選択肢を選んでハイそれまでという作りに+αの要素として、
エロスとタナトス、どちらのスタンスに傾いたかが数字で表れるようになってます。
単なるアドベンチャーでも視覚的にさじ加減わかる、
それも、エロスとタナトスという単純な二極分化の分岐なんで、
単純でありつつもこのゲームのならではであり、雰囲気に合ってるんじゃないでしょうか。
現実と妄想的快楽がオーバーラップした中で繰り広げられるという設定の中には、
逆説的なオタクへの自戒が込められてるのかもしれませんが、
妄想的快楽もバランスよく見ないことにはこのゲームを楽しめない、と数字でアピールする辺り、
これはあくまでエロゲーである、と力技で引き戻されてるかのようです。

で、現実感を失ったまま見るエロスパートとは、限りなく妄想的であり、
妄想的であるということは、どんなプレイだろうが辻褄が合うということで、
俺なんかだとコスプレさせてウヒヒ程度での妄想で終わるところ、
前述したように、明治や大正時代にまでタイムスリップした唐突な妄想が繰り広げられます。
そこで行われるエロスとは、
文明開化や大正浪漫なコスプレでウヒヒ、って俺の妄想と大差ないんじゃ。
いや、実際のところ、過去にさかのぼる意味には、
古き良き日本女性としての大和撫子を表現する意味があり、
これが現実世界で貞操観念が強いはずの義妹、というキャラ立てと交錯してるので、
実はスキモノってギャップが充分に伝わってきます。

CGに関しても、なんというか、
完成されたCGにフィルターを一枚貼ったような影のある塗りが、
このゲームの持つ不可思議な雰囲気とマッチしており、
その上できちんとかけてる精液は、エロゲーとしての要素を満たしてくれてます。
ま、フィルターを精液にも貼ってあるような感じなんで、
白い尿と見紛うばかりにとっても薄いのは好きじゃないんですけど、
無いより有る方が段違いなのは説明するまでもないこと。

だからエロスに不満はない、と言ったら大違いでして、
主にシステム面で不備が感じられます。
ビデオを見ることで行われるエロス、という内容に対してのリアリティを求めることで、
エロシーンにジョグダイヤルを使った、早送りと巻戻し機能がついてますが、
どうせなら頭出しさせてください
ビデオを見るのがエロシーンに繋がるんで、ゲーム内でエロシーンを選ぶことができるものの、
独立した回想モードとはわけが違い、お目当てのシーンに飛ぶ事を許されません。
ビデオを見るにつれて発展していくエロシーンであるなら、
頭出し機能という名の回想モードを付けて欲しかったのですが。

エロシーン内でのシステム、というかこのゲーム独特の仕様にも、
エロを楽しむにイマイチなシステム「ダブルメッセージ」があり、
やられてるキャラクターの喘ぎ声と、それを見ているキャラクターの心の内が、
一緒に音声として再生されるシステムなんですが、
音声大好きな俺には邪魔でしょうがないです。
多プレイ時のサラウンド喘ぎ声みたいなものなら俺的ストライクになったのに、
ゲームとしてエロスとタナトスを交錯させる為、喘ぎ声と心理描写を交錯させるような仕様だと、
どんなに淫らな言葉を喋っても集中できないのです。

よくわからないままプレイが経過し、
股間を疼かせたままエロシーンを眺めるという、なんだかパッとしないゲームでした。
エロスを感じる為の雰囲気の徹底、という点は好きなんですがね、
エロゲー世界に浸りながらエロスを感じる時に、タナトスは考えないんですよ、
その辺の主人公とプレイヤーの意識の差に、エロにのめり込めない一因があるんじゃないかと。
だけどエロの見せ方は独特ながらもしっかりしてるんで、
また違った形でこんなゲームがあっても良いな、とは思ってます。

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