黒魔法少女サディスティック妖子
ブランド アハン声 ちゅぱ音 運命
林組 一部有り

善と悪の狭間において、アイテム合成アドベンチャー。

善と悪、などという単純二元論を持って、
このゲームは勧善懲悪御都合主義エロゲ版時代劇のようだよー、と言うかと思うと全然違う、
基本的な部分において、主人公が悪魔という設定から「悪」ではあるものの、
ゲームの進め方次第で善でも悪でもどちらでも転べるよ、
エロゲ的善である「純愛」ルートと、エロゲ的悪である「凌辱」ルートに進めるよ、
という事をアピールしたいんでありますがそれはまた後ほど。

さて、主人公が悪魔であるという本作のストーリーは、
「特技が黒魔法だけという劣等生ヒロインが、
主人公である悪魔を呼び出して苛めたあいつらに復讐&ラブなあの人に思いのたけを」
という基本設定ですけど、これだと人物関係がわかりにくいんで、
あやとりの代わりに黒魔法が得意なのび太と、のび太に絶対服従のドラえもん、
で、ドラえもんの方が主人公と考えていただければ。

苛め、黒魔法ときて悪魔なんだから、とても陰惨なストーリーになりそうなこのゲーム、
しかし、のび太であるところの「妖子さん」のおかげか、
全体におバカでC調なムードが漂っています。
タイトルにある「サディスティック」の言葉通りのサド全開かと思いきや、
サドという意味に含まれた、肉体的且つ精神的陵辱をするわけでなく、
成り行き次第でどうにでも転んでしまうような、テンパったワガママ娘というキャラクター。
サドを掘り下げたストーリーを望む方は肩透かしを食らいますが、
そうならないのにゃ訳がある、
「妖子さん」は、根っからサディストじゃなくて、普通の愛を求めてるんです、
その愛する人にサド行為をしようなんて思ってないんです。
なんだか演説口調になりましたが、ここで言いたい事とは、
妖子さんがこの天秤のバランス上で喘いでいるなら、
絶対服従の主人公も当然「愛」と「サド」の狭間で揺れ動く、ということです。
ま、サド行為に対して不完全なストーリーが示す通り、
どっちも大したテキストが読めるんじゃないのですが。

振りまわされ続けるドラえもん、じゃなくて悪魔君、それも違うな主人公、
こっちもこっちで訳ありの悪魔模様が繰り広げられておりますが、
「エンディング分岐」程度に理解しとけば済む話、
それよりも、振りまわされる過程で行う事に、このゲームのゲーム性が込められています。
いわゆるアイテム合成、その実わらしべ長者
悪いアイテムから良いアイテムを作って、
そのアイテムで自分の能力を上げたり復讐相手に呪いをかけたりします。

ゲーム中大部分を占める合成パートですけど、
いやまぁ盛り上がりに欠けるのなんの。
先ず、初めてこのパートに突入した時は、 ゲーム世界に放り出される、
という例えがピッタリくるかのように、何をやったらいいのか全くわかりません、
とりあえずそれっぽい所をクリックするとアイテムを持ってるのがわかったんで、
アイテム合成ゲームという事前情報を頼りに、アイテム同士をクリックしてみますと、
唐突にポコンと涌き出る新たなアイテムが。
パクリでもなんでも良いから「パカパカーン『翻訳コンニャクー!』」
ぐらいの演出入れてくれないと、達成感どころか何が起きたかわかりゃしませんがな。

それらのアイテムを使った後は、復讐相手と戦闘することになります、
そう、かける呪いとは、復讐相手を弱らせる事、
そして主人公が戦闘で勝てるようになる為のものなのです。
そして始まる戦闘パート、敵強すぎ。
良い方法ないかと思って攻略サイトを辿り、良いアイテムの作り方を覚えました。
そして続くよ戦闘パート、敵弱すぎ。
大味で演出不足なわらしべ長者がゲーム性となってるゲーム、
ゲーム性を単なる障害と感じさせる、ごく普通のエロゲーとなっています。

石の上にも3年な思いで迎えたエロシーンは、
今までの設定が仇となり、なんだかパッとしません。
凌辱したいのは妖子さんであり主人公ではない、
これがC調ノリを支えてきたものの、
エロシーンにおいて主人公がやらされてる感を持ってるんじゃ、
プレイヤーはエロに没頭できません。
やっぱり妖子さん絡みのエロシーンの方が生き生きと描かれてますが、
凌辱に生きる妖子さんは(CG上で)ブサイクであり、
愛に生きる妖子さんは、妖子さん的魅力を感じません。
どっちつかずなストーリーが、エロシーンにも影響を及ぼしています。

が、エロシーンの演出上では、キッチリと「善」「悪」の線が引かれてます。
凌辱ルートにおいてのエロシーンは、射精CGが独立して描かれており、
一枚絵CGに精液を上塗りしたような他のエロゲーとは違って、丁寧に作られています。
一部射精CGを使いまわしてますがそれもご愛嬌。
それが純愛ルートになると、一切の精液が出ないままフラッシュしてフィニッシュします。
開発側が伝えたこの価値観、即ち「精液とは悪である」って、
何かとんでもない間違いを犯してませんか?
純愛ゲームだろうがなんだろうがプレイしてるのはエロゲーであって、
コンシューマ恋愛ゲームとは訳が違い
エロを薄める事が純愛に繋がるとは思い違いも甚だしい。
しかしどこかに潜んでるこんな偏見がエロゲー界の掟になるならば、
開発側すらもその掟に殉じるのならば、
俺は俺の人生をかけてその掟に抵抗していきたいと思います。
思うだけならタダだよね。

色んなものが積め込まれたゲームでして、
真面目に徹すればもっと面白い部分を発見できたんでしょうが、
俺にはエロシーンの勘違いばかりが見えてしまい、
言い様のないムカツキを覚えたゲームでした。
だから、改めて言わしてもらいます、
精液はである、
エロゲーの場合。

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