フーリガン
ブランド アハン声 ちゅぱ音 運命
フロントウイング 有り

宇宙のパワーで今日もピン立ち、三つ巴アドベンチャー。

2001年現在で世相も暗い中、
フーリガンという、いかにも暴力的固有名詞なタイトルを公開する事で
どれほどのネガティブイメージを世界中に蒔くのでしょう。
世界の何処かに住むサッカー大好き過ぎアンちゃんの目に止まって、
OH!マイフレンズプレイングイット!!
なんて日の元に晒される時が来たら、
我々エロゲオタ安住の地が脅かされてしまうかもしれないのに。
そんな世界的イベントなんぞはまだまだスケールが小さいとでも言いたいのか、
宇宙、永劫の彼方より舞い降りし未知なる物質が、
我が星、地球の危機を招いてしまうというのがこのゲームであり、
世界的スケールで売れることでも狙ったのか、と言いたくなるのがこのゲームです。

その宇宙パワー、宇宙パワーを得た主人公というのがストーリーの屋台骨として存在する中、
このゲームでは、宇宙パワーを悪用する奴を退治する正義の味方、
宇宙パワーを預言書において邪悪の手先と解釈する巫女二人、
宇宙パワーを求めて地球にやってきた宇宙人三人、
内のどれかがメインとなる三本のオムニバスストーリーが展開されます。
巫女さんという古典的な情緒溢れるキャラクターや、
宇宙人という最先端の科学を有するキャラクターまで、
故郷地球を巻き込んだ壮大なスペースオペラが奏でられるのだろうなぁと思うと、
その期待は見事に裏切られます。

宇宙パワーを求めた宇宙人と、宇宙パワーを悪とする巫女さんなら、
それは当然敵対関係になるはずが、
敵対すると思わせるのは物語の序盤においてのみ、
中盤になると一緒に温泉でエアホッケーやる展開とは、
俺の最も嫌うタイプの雰囲気が一致しないゲームじゃないですか。
宇宙すら巻き込んだ善と悪の対立、というマクロな設定が、
実はみんなで和気あいあいのめぞん一刻な設定じゃあ、
オムニバス方式且つザッピングしているストーリーを生かしているとは思えません。
和気あいあいの中進むストーリーだと、
オムニバスであろうがどのストーリーも同じように見えて、
結果マウスクリックページめくりを延々と繰り返す単なるアドベンチャーゲーム
俺の中ではそんな評価と決まってしまいます。

いや実は違うんだぞと、
正義の味方「トライガーン」編こそがフーリガンのメインストーリーだぞと、
オープニングソングに熱い歌を持ってくることで演出した正義の味方というキーワードを見れば、
その「古き良き時代のアニメ」調こそが、フーリガンでやりたかった事かもしれませんが、
ヘタにエロゲー部分を意識した為か、
オープニングソングの熱さにストーリーの熱さが負けてしまってます。
正義の味方たるヒロインは、貧乏だけど健気、
この辺の設定に「萌え」を生み出そうとしてるのは痛いほどわかります、
でもエロゲー的萌えを優先させたが為、
このヒロインは正義よりも恋愛を優先させてしまい、
正義バカ的古き良き時代のアニメヒロイン、とまではいかないようで。
主人公のキャラ立ての仕方も、エロゲーの弊害が見え、
やはりこっちも、正義バカとは程遠い、むっつりスケベなキャラクターとなっており、
ストーリーを綴るのに中途半端な設定、という印象は拭えません。

それにも増して酷いのが、エロゲーのゲーム部分、
カードゲームと称してやらされるのは単なるジャンケンであり、
運否天賦の勝負をやらされます。
その勝負がまだストーリーと噛み合っていれば良いものの、
ジャンケンに勝った時に表示されるCG、必殺技CGが動きの無い一枚絵では、
演出したかったのであろう「熱さ」を削がれること甚だしいです。
スキップできるくらいならカードゲームなぞ入れないほうが良かったのでは、
と思うと、ゲームに勝たないと見られないCGがあったりで、妙なストレスを溜めさせてくれます。

エロゲーのエロ部分はというと、
このゲームをただのエロの塊として見るならば、ごく普通ではないでしょうか。
ワンシーンに三枚ほどのCGと汁描写が決められて、
和姦メインのエロゲーとしてはややエロい方かもしれません。
ただ、和姦であるというのが問題で、
前述のように、キャラクターの立て方が雰囲気と一致してないがため単なるエロ駒と化しており、
和姦シーンに必要な萌えパワーが、イマイチ足りないんじゃないでしょうか。
和姦にしてはエロくても、
和姦しか無い上に、エロシーンが一人2シーン程度とエロの分量が少ないゆえ、
エロ目的なら他のエロゲーで充分代用できるでしょう。

売りであったエロアニメーションも、
無い方がかえってすっきりしたんじゃないかと思えるほど、動きがカクカクな上、
限られたキャラクター及びエロシーンでないとアニメーションしません。
チチ揺れはアニメの義務とばかりに揺らされても、
一番チチが大きいキャラクターにアニメが無いんじゃ、これも何で?と首を傾げたくなる仕様、
第一、「熱さ」を演出するなら、必殺技CGでアニメを入れるべきじゃないでしょうか。

エロアドベンチャーゲームで何度も何度も何度も見たように、
設定は良くても生かしきれてない中途半端なゲーム、
これがフーリガンの全てです。
タイトル名やら事前に公開されたオープニングソングやらで、
妙な期待をいっぱい抱かされたもんですが、
その全ては否定されました。
やっぱり萌えと燃えとエロは両立しないのかなぁとネガティブに考えながら、
「となりのお姉さん」でもプレイする事にしましょうかね。

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