Surface Zone
ブランド アハン声 ちゅぱ音 運命
MOTION 一部有り

フラグ立てのため走り回れ、3D館探索アドベンチャー。

このゲームは、イリュージョン系列の中でもマイナーに属する、
MOTIONというブランドの最新作であります。
最新作と言っても99年発売であり、
2001年現在、
イリュージョン系列で活動しているブランドはイリュージョン本体とDREAMSぐらいなもので、
開発ラインを縮小した結果、
スジの通った良質の3Dゲームをリリースしているイリュージョンですが、
このゲームはそれ以前、ちょっと歪んだイリュージョンであった頃の作品であり、
又、3Dエロゲーが技術的な部分でも偏見しか持てなかった頃の作品です。
この辺の理由から内容が充分想像できますけれど、
イリュージョンの歴史を振り返るように、プレイを開始してみましょうか。

ゲームの基本的な流れは、
3Dで描かれた館の中で、特定のポイントへ到達するとストーリーが進み、
エロ(エロシーンは2D、たまにアニメーション)を挟んでエンディングという、
どうって事無いアドベンチャーゲームです。
館を巡回する部分だけ3Dのリアルさをとりいれたゲームであり、
エロシーンも2次元で描かれている事から、
3Dゲームをやっているという楽しさは全くありません。

というかそれ以前に、これ3Dゲーム?という疑問が湧くんですが。
探索する館はたしかにフルポリゴンで描かれており、
パケ裏の煽り文句、「華麗な3DCGによるリアルタイムポリゴン移動シーン」に、
嘘は書かれていないと思うんですが、
なんというか、その移動シーンがポリゴンを使っていると言うよりは、
回転、拡大、縮小を上手いこと見せるスーパーファミコン仕様に見えます。
未完成じゃないかと思われるほどのザラザラポリゴンで作られた館なので、
ドットの塊のように見えるんですね。
とりあえず、華麗な3DCGの「華麗」は嘘でした、
おかげでこのゲーム3D酔いをしません、それが良いのか悪いのか。

こういったダメポリゴンゲームにありがちなように、
操作感覚においてもダメっぷりを発揮しています。
館の中を360度動けるポリゴンゲームなのに、マウスの操作オンリー、
これぐらいならまだ許容範囲ですが、
館の中には障害物がいっぱいあり、扉をくぐるにも一苦労、
華麗なポリゴンどころか、華麗なマウスさばきを要求する我侭仕様では、
フラグ立てる作業すらめんどくさいと感じさせます。
その辺は開発者がテストプレイした時も同じように感じたのでしょうか、
説明書に完全攻略チャートが載っているという親切設計は、
ユーザーに嬉しい仕様、というか親切の意味履き違えてますが。

少々ストーリーの方にも触れておきますと、
サーフェイスゾーン(虚構空間)内の館に迷い込んだ主人公とヒロインが、
ここから脱出する手段を探す為、館の中を探索するというあらまし。
ゲームの始まりに三人いるヒロインから一人を選ぶことで、
ゲームのストーリーが変わるというオムニバス方式をとっていますが、
それで変わるのは、館の主人が変態サディストか変態盗撮マニアの違いぐらいで、
基本的に一本道のストーリーが展開されていきます。
館モノゲームで主人が悪人、という設定はありがちでも、
このゲームの館は燃えません、ヨカッタヨカッタ。

じゃあこの変態主人相手のエロシーンがメインになるかと思いきや、
そういった鬼畜ゲームにも徹しきれないのがサーフェイスゾーン。
もう一人の変態である主人公が、ストーリーと全く関係ない所、
部屋に入ったら縄を見つけたとか、蝋燭があったからという理由でエロシーンを見せてくれます。
これだけ書けば筋書きなんて全く無いよう見えるゲームでも、
全編通してめちゃくちゃならば、スジの通ったゲームと言えるかもしれません。
まあ、慣れただけですが。

エロシーンは、先に述べたように2次元のCGであり、
シーンによってはアニメーションを見せてくれます。
そこに至るまでのめちゃくちゃぶりは書いたんで、雰囲気もなにもあったもんではないですが、
ここまで来ればさも当然、エロシーンの中身も結構な酷さです。
アニメーションする事を基本に置いたシーン設計なのか、
CGのみのエロシーンは、CGの塗りが汚い上に、
エロテキストが表示されることなく、アンアン声がループするだけ。
精液CGが用意されていても、ボイスとあってないところで表示されるのでは、
実用度はゼロと言えます。

ポリゴン以外の売りであるエロアニメーションも、
射精アニメなどは無く、ピストン運動の繰り返しであり、
その中身も3コマアニメとは言いませんが6コマアニメ
フルスクリーンでガクガク動くアニメーションは、別の意味で驚愕もんです。

大きく見れば、全く見所の無い、どうしようもないゲームでした。
ただ、細かい所を見ると、
たった一回だけポリゴン館の中に、リアルタイムでポリゴンの人形が現れた時は、
「バイオハザード」のような本当の恐怖を覚えたもんです。
こういったリアルタイムポリゴンを活用すれば、
今までに無い、マジ恐怖ポリゴンエロゲームが出来そうな予感がします。
その為の布石と思えば、サーフェイスゾーンを少しは許そうかなと広い心を持てますけど、
恐怖エロゲーが本当に出た時「サーフェイスゾーンが元祖」とは言いたくないなーと思いました。

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