2002.01.29(火)
ポッキリ折れてしまったあーたんの歯。
修行道の修行の中には、ワザを磨くだけではなく、健康がまず一番大切っていう基本的なスタンスをあらためて突きつけられ、身に染みて反省しました(T.T)
そこで、番外編として、今回は“犬の歯”について、ちょっとだけ書こうと思います。
もちろん私の知ってる範囲でね(⌒-⌒)
そもそも犬の歯は、生後6ヶ月〜8ヶ月の間に乳歯から永久歯に生え変るが、その後、象牙質が硬く丈夫になるまでは2年くらいかかるそうです。
私、正直言ってそんなこと全然知らなかったです(^^;)
“犬の歯は丈夫”ってずっと思っていました。
あーたんはもうすぐ2歳になりますが、もっと勉強しておけば良かったなぁっと反省しきりです(T.T)
犬の歯は、1番が噛み切ったりする切歯、2番が引き裂いたりする犬歯、3番が切断するための前臼歯、4番が磨りつぶすための後臼歯となっていますが、
あーたんは、後臼歯の手前、前臼歯の中で一番大きな歯が欠損しました。
ディスクキャッチで研磨あるいは折れたり、あるいはオモチャやヒヅメ等で折れたりしても、「象牙質」や「歯髄」が露出していなければ、さほど大きな処置をしなくてもいいそうです。
あーたんの場合は、「歯髄」が露出しており最悪の状態でした。
「歯髄」は人間の歯で言うならば「神経」みたいなものだそうです。
ご自分のワンコの歯が折れた?って思った時、ワンコの歯にプチンと赤い印が見えていたならそれが「歯髄」です。早急に獣医に行って下さい。
「歯髄」が露出したままだと、そこからバクテリアが浸入し「歯髄」を炎症させ、さらにどんどん他の歯にも飛び火し、血行に乗って全身に広がると、他の器官に病巣が形成される事もあるそうです。
心臓、腎臓、肝臓へ感染すると生命にもかかわる重病です。速やかな処置が必要です。
処置にはいくつかの方法があり、耐久性のない[パーシャルデンチャー](ショー用の一時的なもの)から、人間の歯科治療と同じ[コンポジットレジン]を詰める方法などがあり、あーたんはこの[コンポジットレジン]を詰めました。
強度は健康な歯と同じほどありますが、人間と同じで何かの拍子にポロっと取れることもあるそうです。
ただ、人間への処置とひとつだけ違うのは、ワンコの歯科治療の場合、全身麻酔が必要であるという点です。
しかも、去勢や避妊手術のように30分〜1時間程度ではなく、2時間〜3時間にも及ぶ長丁場になることです。
これはワンコの身体にかなりのダメージを与えます。
全身麻酔は気管チューブを気管に直接挿入し、
そこからガス麻酔を吸引させます。
気管チューブは、麻酔の最中に万が一呼吸が停止した場合、
人工的に呼吸を開始させることが可能だからです。
また、あーたんの場合、まだ若いということもあり、全身麻酔による処置を選びましたが、年老いたワンコの場合、全身麻酔に耐えうる体力が無く、人工的に呼吸を開始させても、処置中に亡くなる例も珍しくないそうです。
覚醒(麻酔から覚めさせる)の技術が著しく進歩した現在でも、やはりワンコへの全身麻酔のダメージは大きいようです。
ですから、なるべくなら、『先生!詰めたの取れました〜!』ってふうにはなりたくないものです(^^;)
退屈そうだから、歯石を付けたくないから、って硬い物をワンコに与えることは百害あって一理無し!ってことらしい(^^;)
硬い物じゃぁなくてもワンコは遊んでくれるし、短い時間でも毎日歯磨きすれば、歯石は付きにくくなります。
あーたんはほとんど毎日、ほんの短い時間だけど歯磨きしてました。
でも、しっかり歯石付いていましたから、そうじゃぁないワンコはもっといっぱい付いているんだろうなぁ(^^;)
歯石も怖いよ〜〜〜〜。
明日の予防じゃぁなく、5年後、8年後、全身麻酔が出来なくなった頃に発症します。
気をつけようね〜(⌒-⌒)
みんなもワンコの歯、大切にして下さいね♪
<参考:あーたんの処置費用>(2箇所分)
この他に、手術に耐えうる身体か?の血液検査などが別途かかりました。
名称 |
単価 |
数量 |
金額 |
術後の痛み止め(2週間分) |
1000 |
1 |
1000 |
調剤料 |
300 |
1 |
300 |
初診料 |
1500 |
1 |
1500 |
留置針留置 |
1500 |
1 |
1500 |
全身麻酔 |
4000 |
1 |
4000 |
アトロピン注 |
95 |
1 |
95 |
ケタラール50注射液 |
183 |
2 |
366 |
ドロレプタン注 |
173 |
1 |
173 |
アンチローブ25 |
23 |
28 |
644 |
生活歯髄切断法 |
20000 |
1 |
20000 |
歯石除去 |
15000 |
1 |
15000 |
合計 |
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44578 |
(北海道酪農大学付属病院)
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