演奏会だより
外科病棟での演奏
2002年5月30日(木)
半年前(2001年11月)に外科病棟で演奏しましたが、今回再び依頼されました。私達の活動の多くは“医療現場で患者さん向けの演奏を行う”ことですが、「病棟での演奏」はまさにその中心となるべきものでしょう。演奏会形式で患者さん方に講堂やロビーに集まっていただくこともありますが、こうして病棟へ直接出向き、しかも患者さんが入院されている部屋で演奏することは、病院職員で構成される当団としてはとてもやりがいのある活動ではないかと思っています。
午後の検温が終わって少し落ち着いた頃、外科病棟の一番奥の部屋で行いました。前回と同じくベッドを寄せて空間を作り、そこに4人が座りました。前回はかなり窮屈に座ってしまい、弓が触れそうで上手く弾けなかったため、今回は少し余裕を持たせて空間を確保してもらいました。
集まっていただいたのは入院中の患者さん約20名程度(年齢は比較的幅広く、20〜70代くらいだったでしょうか)とその付き添いの家族の方数人、実習中の看護学生数人などでした。曲目についてですが、前もって病棟側からは「川の流れのように」と「瀬戸の花嫁」、「いつも何度でも=千と千尋の神隠し」の3曲についてリクエストがきていました。さらにこれら以外に数曲を用意しました。
プログラム
・瀬戸の花嫁
・花
・いつも何度でも
・好きになった人
・知床旅情
・北国の春
・川の流れのように(アンコール)
毎度のことですが、メンバー全員がなかなか集れず、結局この日のために一度しか練習できませんでした。その練習日もなかなか仕事が終わらず、夜遅くなり40〜50分合わせただけで終わってしまいました。「う〜ん!ちょっと練習不足かな?」と不安はありましたが、こうして依頼演奏をされるのは名誉なことだと思って頑張りました。
第一曲目は、予めリクエストされていた「瀬戸の花嫁」です。この楽譜は簡単に弾けるわりにはとても良い響きがするように書かれており、演奏者はあまり緊張せずに弾くことが出来るし、患者さんにとっても安心して聴いていただけるようです。コンサートの始まりにはうってつけの曲ではないでしょうか。第二曲目は、滝廉太郎の「花」です。今回集まってくださった患者さんの年齢の幅は広いのですが、どちらかといえば50〜70代程度の方が多いので、こうした曲は馴染みがあって楽しんでいただけたようです。
第三曲目として、「千と千尋の神隠し」から「いつも何度でも」を演奏しました。パッヘルベルのカノンに良く似たこの曲は、とても落ち着いた雰囲気がします。「高齢の方はたぶん聴いたことはないだろうな?」と思いながら演奏しましたが、皆さん身体でリズムを取るように聴いておられました。次には高齢者にも楽しめるようにと演歌を持ってきました。これまでに何度か演奏したことのある「好きになった人」(都はるみ)です。やはり演歌が好きな患者さんが多いのでしょうか。楽しそうに聴いている様子が印象的でした。
次に森繁久弥の「知床旅情」を演奏しました。すがすがしい岬を思い起こさせるようなメロディーが魅力的な名曲です。今回のプログラムの中では最も大きな拍手をいただき私達も驚きました。次いで「学生時代」を演奏しましたが、こちらも多くの拍手をいただきました。
どうも皆さん演歌がお好きなようです。次の「北国の春」もまた楽しんでいただけました。普段は演歌とほとんど縁のない私達ですが、患者さん方の楽しそうな様子にはこちらも嬉しくなりました。そしていよいよ最後の曲となりました。リクエストされていた「川の流れのように」です。こうして今回はプログラム中に3曲の演歌が入りましたが、どの曲も皆さん楽しんでいただいたと思っています。
終了後、今後の活動の参考のためにアンケートを書いていただきました。アンケート結果は後日集計し、雑感のページでご紹介いたします。「大変な入院生活の中でこうした演奏を聞くことができて良かった」という方や、入退院を繰り返しているため「当団の演奏会は3回目」などという方もいらっしゃいました。こうした患者さんが少しでも安らぎを感じていただけるような演奏を目指し、これからも活動を続けていきたいと気持ちを新たにしました。


演奏を終えて(病棟の片隅で)
急いでチューニング
演奏会履歴へ戻る