2002年3月
すっかり春らしくなってきました。皆さん、お元気ですか?当地では例年、3月下旬になったらタイヤの履き替え(スタッドレスからノーマルタイヤへ)をするのですが、今年はもう履き替えても大丈夫な様子です。
春になると何となく気持ちがウキウキしてきます。「この調子で四重奏も!」といきたいところですが、実は練習が全くストップしています。クリスマスコンサート以降は、特に予定もなく基礎的な練習を積んでいたのですが、このところメンバーの仕事の都合がどうしても合わず、次に集まれるのは3週間先になりそうです。仕事の上では毎日のようにメンバーは顔を合わせているのに、練習時間が確保できないのは何とも残念な感じもしますが、まあ仕方ありません。
今回は、「クヮルテットのたのしみ」(アカデミア・ミュージック)という本をご紹介します。弦楽器の愛好家のために書かれたというこの本は、初版が1936年ですから、かなり古いものです。序文には以下のような文章があります。
自分で弦楽器を奏く人のために、自分で、自分の家で、自分自身の喜びのために演奏する人、そしておそらくはそのような仲間が4人集まれば、一番幸福だと思う人たちのために。音楽をきくのが好きな人も、この本の中に何かを見出してくれるかも知れない。
最初のページに書かれたこの序文を読んだだけで、「まさに自分達のような者のために書かれたのでは」という期待を持ちました。そうです。この本は、まさにアマチュアの音楽愛好家のために書かれました。そして著者のエルンスト・ハイメランとブルーノ・アウリッヒもまた、プロではなくアマチュアの愛好家なのです(注:もちろんアマチュアといっても、とね弦楽四重奏団とはレベルが違います)。つまり、アマチュアがアマチュアの立場で、アマチュア向けに書かれた本といってよいでしょう。そこには、アマチュアなりの楽しさ、難しさなどが余すところなく書かれていて、プロによる“解説書”的な書物とは全く趣が異なります。
今から70年近く前の出版ですので、やや時代錯誤的な記述もあります。例えば、「ご婦人たち」という項では、
レディーをクヮルテットのメンバーに入れてもよいか?多くの男性は手を振り断定的に絶対ダメだという。女性は男性の考えに相応ずるようにあるべき生きるものであって、、、、
このコメントの最終的な結論については言及されていないものの、現代社会では受け止め方によっては多くの女性から非難を浴びそうです。
しかし、多くは現在でも変わらない思想に貫かれており、その事細かな記述は私達アマチュア愛好家の心に強く訴えかけます。途中、“ワンポイント・アドバイス”的な部分が出てきます。全部で10項目あるのですが、そのうちいくつか印象に残ったものを挙げてみます。
・クヮルテットがピッタリ合うようにするためには、リーダーの足先によってではなく、個人と個人の交際に よってやりなさい。最初の出のとき、休止符のあとの出のとき、互いに顔を見合いなさい。
・あまり細かい点で時間を浪費してはいけません。何回やっても同じ穴に落ち込みます。
・うわべはつまらぬパッセージでも何かをつくるように試みなさい。8つの同じ音の8分音符でも音楽を要求しています。
・あなた方が練習してきたことは、その夜の始めの方、まだ溌剌としているときにやるようにしなさい。誰かが疲れたり退屈したらすぐやめなさい。
いずれもアマチュアに対する心温まるアドバイスです。そして、どの項目も私達に当てはまると感じました。これまでの活動を通して、私達自身で気付いた部分もありますし、これを読んで再度気付かされた部分もあります。この他にも参考になる記載がたくさんありますので、今後も機会をみてご紹介していきたいと思います。



雑感などへ戻る