2002年2月
前回の雑感で、“指揮者不在のアンサンブル”について書いてみました。メンバー同士がお互いに確認しながら合わせていく作業は本当に難しいですね。今回は、やはり“合わせる”ことをテーマに、「スコアの活用」について考えてみます。
弦楽合奏団やオケでは、指揮者が暗譜で振っていることが少なくありません。このときの指揮者の頭の中には、曲が完全に入っていて適切な指示を出していくのでしょう。本来、各奏者たちもスコアにて曲を理解した上で演奏に参加するのが望ましいとは思います。しかし、アマチュアの場合、実際にはそこまではできないことが多く、指揮者に導かれながら演奏しています。
それでは、指揮者が不在である四重奏ではどうでしょうか?誰も指示を出してはくれません。当然メンバー各々が曲の構造を理解した上で合わせていくことになります。従って、予めスコアで自分の役割や他の楽器との関係、そして曲全体の構造を理解しておくことが求められます。プロや上級者の集団では、こういった作業は言うまでもなく当然のプロセスとして行われていることと思われます。プロの弦楽四重奏団のサイトを覗いてみても、四重奏に必要な物として「スコア」が挙げられています。
「クアルテットの教科書」には、“スコアの研究”という項があります。
もしある弦楽四重奏曲を本気で研究しようというのなら、主題、主題の断片、ハーモニーのなかの重要な音にしるしをつけてみます。そうすると、大小さまざまの部分に気付き、曲を理解し、各パートの関係、形式、そして内容の展開やデュナーミクによって伝えられる曲の構造もわかるようになるでしょう。
私達は、“研究”なんて大それたことはできませんが、これは四重奏曲を合わせていく上で、最も重要な事項であると思われます。同著では、さらに次のように述べられています。
こうした研究の後、再び演奏すれば、多くのことがもっと明確にわかるようになり、もっとよく聞こえるようになり、もっとよく聴くようになり、曲を形づくっていくうえで何を明確に打ち出していくべきかがわかるようになるでしょう。
この中で、“もっとよく聞こえるようになり”、“もっとよく聴くようになり”という部分に私達はとても興味を惹かれます。「なかなか合わせられない」、それはすなわち「なかなか聞き合えない」ということに起因していることが多いと思います。こうした私達の悩みは、上記のアドバイスを実践していく中で「もっとよく聞こえるようになり」、その結果「もっとよく聴くようになる」ことで解決されていくのではないでしょうか。つまり、スコアを参照することにより、他のパートがどのような動きをし、それに自分がどのようにあわせていくべきであるかを理解した上で演奏に参加すれば、曲作りが容易になるはずです。
ともすると、パート譜にかじりつき、必死に自分のパートを弾くことに終始してしまいがちな私達ですが、四重奏というのは4つの楽器のアンサンブルつまり、心を合わせた合奏体であって、単なる4パートの寄せ集めではありません。指揮者のようなまとめ役が不在である四重奏においては、このことをしっかり認識すべきであると思われます。そのためには、簡単な童謡などはともかくとして、クラシック曲に取り組む時には、全員がスコアを持参し適宜参照しながら曲作りをする習慣をつけたいものです。四重奏の練習にとって不可欠な“スコア”の重要性を再認識し活動を続けています。



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今日は余裕のある表情です。
上手く合わせられたのかな?