2001年11月 その2

だいぶ寒さも厳しくなって参りましたが、みなさんいかがお過ごしですか。当地では、写真でもおわかりのように遠くに望む山々には、うっすらと雪化粧が始まりました。写真手前に見えるふもとの町に、私達の職場はあります。通勤の途中、デジカメで素人っぽく撮影してみましたが、周りを見回すと、この日は自分以外にもカメラを抱えた人たち(←専門的な感じの人)で賑わっていました。遠くの山々を撮っているのでしょうか?

ところで、皆さんは普段の演奏の楽譜はどのように調達されていますか。東京の大手楽器店へ足を運ぶと、四重奏の楽譜もずいぶんいろいろあるな〜、と感じます。クラシックの定番から、ポップス、童謡など、棚2つ分くらいは並んでいます。最近は通販で買える楽譜も多いようです。当団も、かなりの楽譜を購入してきました。数えてはいませんが、ざっと200曲以上はありそうです。でも、団のレベルはもちろんのこと、演奏会の趣旨やどういう方々を対象とするかなど、種々の条件を考えると、実際に使用できる楽譜は意外と少ないものです。

以前にも雑感に書きましたが、「美しい四季の童謡」という四重奏曲集を編曲された石山幹二さんは次のようにおっしゃっています。「近年、我が国においても、気軽にアンサンブルを楽しむ人たちが増えてきたことは、非常に喜ばしいことです。しかし、そのような時、すぐにぶつかるのは譜面の問題です。大作曲家の名曲に挑戦する時は別として、現状では、やりたい曲が望まれた編成で出版されていることは、極めてまれだからです。」

まさに、その通りだと思います。当団の場合、やはり演奏の場を考えると、求めらるのはクラシック曲よりも、皆が知っている曲、つまりクラシックではない曲が主体となります。最近、当団の存在が知られるようになるにつれ、「今度は○○○を演奏して!」と、リクエストを頂くことが多くなりましたが、これがクラシック曲であったためしは一度もありません。全て、童謡、唱歌、演歌、ポピュラーなどです。読者の皆さんの中には、四重奏団がこんな曲をやるのは邪道だと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私達としては、こうしたリクエストを有り難く受け止め、出来れば演奏したいものです。

すると、やはり楽譜の問題が生じるわけです。こうしてリクエストを受ける曲は、既製の楽譜の中にはまず存在しません。そこで、編曲をすることとなります。HPで知り合った他の団では、メンバーの中に音大卒なんていう方がいて、いつも魅力的な編曲をされているようです。しかし、当団には、そんな人間はいません。皆、仕事の傍ら、適当に楽器を弾いているだけです。それでも、せっかくのリクエストに答えようと、1年前から素人なりに編曲を始めました。

編曲といっても、旋律しか与えられていない場合は、伴奏のリズムや和声なども含めて作っていくこととなり、こうなると、もはや新たな曲を作曲するのと同様の能力が必要とされます。また、童謡では、単調な短い旋律しか与えられていませんので、飽きないように適当に膨らませていくことも必要です。こんなことは、特別な教育を受けていない私達には所詮無理なのですが、それでもこれまでに15曲ほどの編曲を行ってきました。

初めて作ったのは、「赤とんぼ」でした。秋のコンサートのアンコール用でしたが、なるべく格調高い編曲で!なんて意気込んで書いたところ、和声に懲りすぎて大失敗。この手の曲は、むしろシンプルに書いて、きれいに演奏した方が良いことを学びました。その次は、「雪のふる町を」でした。スコアが出来た時点で、実際に鍵盤上で音を出してみました。和声的におかしな部分はないようです。初心者にしては、まあまあの出来かな?前回の教訓を生かし、それなりにシンプルに書けたなと感じました。しかし、実際に四重奏で音を出してみると、、、。どうもしっくりこないんです。和声的には合っていても、響きがないのです。

この問題には、その後もずいぶん悩まされました。理論的には決して間違えてないつもりだし、懲りすぎてもいない。なのに、何でこんなに響きが悪いのか?試行錯誤の末、素人なりに気付いたのは、各楽器の音域が不適切であるということでした。そういう思いで、プロが編曲した曲集を見てみると、、、。そうか!それぞれの楽器の特性が最も生かされる音域で書かなくてはいけないんだ!専門家から見れば当然なことなのでしょうが、私達にとっては、とても大きな発見でした。

これは、鍵盤楽器で音の確認をしている段階では全く気が付かないことでした。鍵盤では、印象の違いはあっても、どの音域でもわりと均一に響きます。しかし、弦楽四重奏の場合、響きにくい弦に偏って書いてしまうと、合わせた時の響きが全く感じられなくなってしまいます。こんな時、プロの方ならば技術で補えるのかもしれません。しかし私達のような初心者では、最も響きやすい弦を中心として書くべきなのでしょう(これは、特に第二バイオリンとビオラに関して言えるように感じました)。ビオラの譜面がなぜハ音記号で書かれるのか?最も音が響き、鳴りやすい音域を中心として記されるハ音記号がいかに妥当な記号なのか(要するに、その音域を中心に楽譜が書かれるのでしょう)を改めて気付かされました。また、調子を何調に設定するかも重要です。他の楽器でもそうでしょうが、弦楽器では調の違いで印象がかなり変わり、おまけに弾きやすさまで違います。これらの内容は、管弦楽法の教科書を読めば、当然の如く述べられていることです。しかし、素人は、いつもこうして身を持って学んでいくのでした。

最近、この点に注意して編曲するようになり、実際に四重奏で音を出しても、それなりに満足のいく結果が得られるようになったと思います。ところが、そんな具合で何曲か書いていると、そのうちどの曲もパターンが似てきていることに気付きはじめました(つまり、ワンパターン!)。次の課題は、いかに変化を持たせた編曲が出来るかということでしょうか?それは、非常に遠い道のりのような気がします。専門家の方、是非アドバイスをお願いいたします。
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