2000年8月

 7月の演奏は、何とか終わりました。大成功とはもちろん言えませんが、人前で初めて四重奏を演奏するという意味でとてもよい経験になりました。そしてビアパーティの楽しい雰囲気の中で、最小限の緊張でデビュー(?)できたのはラッキーだったかもしれません。

 私たち4人は、バイオリンについてはこれまでにいろいろな経験をしてきました。発表会での独奏、弦楽合奏団やオーケストラ団員としての演奏経験などですが、弦楽四重奏については全員が全くの初心者です。弦楽四重奏は他の演奏形態と比べ、かなり特殊な分野であるように感じます。あくまで合奏でありながら、全員がソロ的な部分も担っています。各楽器間の意思疎通は特に難しく、これまで各々が経験してきた分野とはかなり性質を異にします。しかし、だからこそ難しいながらも、とてもやりがいのある分野だといえるのでしょう。

 まだまだ駆け出しの私たちが弦楽四重奏についてあれこれ論じることはできませんが、少なくとも今回の演奏を通し、これまでに経験したことのない弦楽器の響きを(たとえその片鱗だけでも)何となく身体で感じられたことはとっても幸せでした。弦楽四重奏は最も洗練された合奏形態であるともいわれます。そうした理想に少しでも近づけるよう努力していきたいと思います。

 などと、初心者なりにも少しは考えるようになった私たちです。でも普段はそんなに難しく考えずに、弦楽四重奏というものをもっと身近に楽しく経験できればいいなとも思っています。

 初めての演奏を終えた私たちは、(前回はあくまでビアパーティでの余興だったので、)次ははもう少しちゃんとした演奏会(らしきもの)を目標としようと考えました。(これまた初心者の無謀な計画!)そして、ちゃっかり9月に予定を立てたのでした。形としては職場内での演奏会で、入院している患者さんを対象にするというものです。

 さっそく、曲の選定です。9月といえば秋、それなら秋にちなんだ童謡をプログラムの中心に据えよう!さらに患者さんはお年寄りが多いので、年配の方向けの曲も取り入れよう!と考えました。手持ちの楽譜の中から自分たちの今のレベルでできる範囲のものを選んでいったところ、すぐにプログラムは出来上がりました。患者さんに楽しんでもらいたいのはもちろんですが、同時に自分たちも弾いていて楽しい曲を選定することをモットーにしました。

 いよいよ練習の始まりです。合計で8曲(一応、アンコール用にプラス1曲)となりました。前回モーツアルトのディベルティメントを経験した私たちにとって、童謡の響きはまた趣が違って、弾いていてとても心地よく感じられました。童謡については、ドレミ楽譜出版社から出ている「美しい四季の童謡」という楽譜を利用しました。これは石山幹二さんという方による編曲なのですが、技術的にあまり難しくない上に和声がとても美しく、童謡がちょっとしたクラシック風の小品のように仕上がっていてとっても気に入っています。石山さんも解説の中で書いておられますが、パーティの席などで弦楽四重奏を演奏する際、適当な楽譜を探すのに苦労しがちですが、このシリーズはそんな用途にはぴったりです。弦楽四重奏初心者にとって、こうした楽譜が販売されているということはとても有難いことだと思います。今後もこの手の楽譜が多数発売されることを願っています。
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