2003年 3月

だいぶ暖かくなってきましたが、皆さん、お元気ですか?今春は花粉の飛散が多いらしいですが、花粉症でお悩みの方はいかがでしょうか。花粉症の方は、これからしばらくの間は大変ですよね。

芸術祭を終えた私達ですが、今は特に目標なく適当にやっています。芸術祭の前は、ちょうど冬の忙しい時期であったため、四重奏の練習に時間を確保するのがなかなか難しくあわただしく過ごしていましたが、最近少し落ち着いてきました。

さて、以前の雑感で、「アンサンブル」について書いたことがあります。各メンバーが自分のパートを間違いなく弾けたとしても、アンサンブルとして合わせていけるとは限りません。四重奏団としての活動を通して、少しでも「合わせる」ということについて考えるようになってきたつもりですが、今回はこれまでとは少し違った視点から考え直して見ます。

今月号の「ストリング」誌に掲載されていた記事を紹介します。筆者はビオラ奏者の植村理一氏です。氏はイタリアの四重奏団で活躍され、帰国後はビオラ奏者のみならず指揮者としても活躍されている方です。今回、「アンサンブルには何が必要か」と題して説いておられます。

音程が外れたり、音を出すタイミングがずれると、とても恥ずかしいものです。その間違いは誰にでも分りますから、、、(中略)、、、しかし、音楽的な呼吸や方向性がないために、或いは、それが感じられないために合わないのでしたら、問題は、個人のアンサンブル能力ではなく、演奏者全体の音楽性の問題でしょう。

言われてみれば確かにその通りなのですが、私達はこれまで、こういう観点からアンサンブルを考える習慣があまりなかったように思います。「演奏者全体=四重奏団」がしっかりとした音楽性を持った上でアンサンブルに臨む、、、集団で音楽を作っていくわけですから、確かに最も大事なことかもしれません。私達の場合、個々が弾くことで精一杯であり、全体を見渡す、あるいは植村氏の言葉を借りれば、「演奏者全体」という意識を感じることが少なかったように思います。

これについて、氏は以下のように説明しています。
“よく見て、周りを聴いて。” こんなこと、よく聞きませんか?このことで、ある程度、タイミングは合ってくるでしょう。しかし、相手の動きや音を追っているだけでは、常に少し遅れ気味になります。それは、私達の感覚が音や動きを認知して、判断し、体を動かすには時間がかかるためです。このことに頼りすぎると、アンサンブルにとって致命的な問題になります。

“合わせる”にしても、練習の段階から“相手の動きを予測すること”が大事です。柔道でも、バレーボールでも、または車の運転にしても、相手、外界の動きを予測することが、必要不可欠ではないでしょうか。

演奏者、聴衆としても必要なことは、相手の動きを予測するためには、相手が何を考えているか、どうしたいか、を感じなければなりません。

これまで私達は、合わせるために、各メンバーが「他を良く聴く」ように心がけてきました。言ってみれば、それぞれが個人としてアンサンブル能力を高めるような努力をしていたということでしょうか。しかし、今回の植村氏の指摘は、合わせることについて「演奏者全体の音楽性」も重要であることを指摘しています。

演奏者全体の音楽性、それはメンバー全員が同じ方向を目指して音楽作りを行うということであると理解します。言われてみると、当団は活動開始から3年を経過しようする中、最近になりようやく他のメンバーの弾き方、ひいては感じ方をお互いが少しずつ掴み、「こういう部分は彼ならばこう弾くだろう」と無意識のうちに予測するようになってきているように思います。氏の言わんとしているのはこういうことなのでしょうか?

アンサンブル初心者の当団にはやや難しい課題かもなのかもしれませんが、今回のアドバイスをメンバー全員で改めて確認しながら、よりよい音楽を作るために努力していきたいと思っています。
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