賀蘭山岩画
   中国寧夏回族自治区、賀蘭山の岩画
   ―遊牧民族の古代の画廊―


世界には150国以上の国に岩画があり、中国は100以上の県に約100万の画がある岩画発祥地の一つである。中でも賀蘭山の岩画は古代より匈奴、鮮卑族、回骨土蕃、タングート等の北方少数遊牧民族の傑作が集中している西北辺境にある中国で代表的な遺跡である。

賀蘭山は寧夏と内モンゴルに跨る全長250キロ、最高峰3556M、古代よりこの地の人々に神の山と崇められている駿馬の形をした心の山でもある。この賀蘭山には大小27地区に岩画はあるが、最大且つ代表的なのものは賀蘭山口である。銀川市内より50キロ、海抜約1500Mの渓谷にあり両側延延約600Mにわたり1000以上のものが岩石壁に彫られていると言われている。
この岩画の特徴はいろいろのものがあり、奇想なもの、神秘的で奇妙なものがあるが人面像が半分以上でその他牛、馬、驢馬、鹿、鳥、狼等の動物画もあり、当時の人と動物、家畜との生活の密着ぶりもうかがえる。簡単なもの、複雑なもの、数千年前の古代女性の美の追求、奇想な身の飾り方や人の手や太陽の画面又原始宗教活動場面、誇張された動物たち、面白いものに男女交合の画も見られる。

 岩画の傍に西夏文字がかかれている。中国語で(能昌盛正法)の意味で全てに繁栄の意味のようである。近くに仏を意味するものもある。時期的には随分長い間描かれてきたが、大部分が春秋戦国時代(紀元前750年―200年)でその他朝(400年―600年)西夏(1000年―1200年)と言われている。描法は石器によって彫られたものから岩肌を削って描かれたものもあり薄くて見落しそうなものもある。彼らは身軽だったのか宗教心か遊びか岩壁の険しいところに描かれているのもある。 

いずれにせよ北方遊牧民族は常に牧草地を求め賀蘭山を通過する時にその想いを画に記したのだろう。
美の世界では、古い時代のものは必ずしも古くなく、むしろ新鮮な感じを受けるものがある。古代人の生活の息吹が現代に伝わる素晴らしい古代の画廊である。
 
2003年12月以来の取材です。 取材日 2005年6月29日
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