ちらし寿司多度津町立資料館

最終更新 2008/09/13

  
 

 広島県福山市と香川県多度津町を結ぶ福山-多度津フェリーは,瀬戸大橋の開通以降,利用客の減少はいかんともし難く,便数の削減や運営母体の変更などの対応によって,細々と続けられていましたが,ついに,昨今の燃料価格の高騰には抗しきれず,2008年8月31日をもって,廃止されることになりました.

 江戸期以降,多度津港は金比羅船の上陸港として,また,北前船の寄港地として賑わい,明治,大正,昭和初期を通じて,瀬戸内海の主要港として活躍しましたが,昭和30年代以降,鉄道および陸上交通網が整備されるにつれ,徐々に,海上交通の要衝として地位を失ってしまいました.

  そこで,モータリゼーションの進行とともに,中国-四国を結ぶフェリーの要望にこたえて,瀬戸内海汽船が昭和41年4月に多度津港と福山市鞆港を90分で結ぶフェリーとして,「キングペアー」,「クィンペアー」の2隻の双胴船を就航させました.これによって,西讃以西のトラック・バスが中国・九州へ向かうのが便利となり,昭和43年には「たどつ」「せんすい」の2隻が増強されました.昭和53年10月には,山陽新幹線が博多まで伸びて,福山に停車するのに合わせて,多度津−福山港間に航路が変更され,「芦田川」「吉野川」「さぬき」「ことひら」などの大型船が順次投入され,輸送力が強化され,1日15往復という便数で運営されました.
開業当時の双胴船(多度津港)

 しかし,福山-多度津フェリーが栄えたのも,ここまで.昭和63年に瀬戸大橋が開通するとともに,宇高連絡船は歴史を閉じ,中国-四国を結ぶフェリーの多くは,廃止あるいは再編を余儀なくされました.瀬戸内海汽船フェリーも例外ではなく,同年4月11日より,第三セクターフェリーとして多度津町・瀬戸内海汽船・広汽船三社の運営による福山多度津フェリーとなりました.

 このような努力にも関わらず,それ以降も,利用客の減少は留まらず,平成3年にはせとうち物流による単独運行となり,平成4年6月以降は4時間に一便というところまで,便数を減らさざるを得なくなり,まさに,風前の灯であったわけですが,ここにいたって燃料価格の高騰が引き金となって,ついに廃止されることになりました.

 40年以上の間,郷里と結ぶ船として利用してきたのですが,いざ,廃止されるとなると,これまでいかに便利であったかということを思い知らされます.これからは,JRを利用するにせよ,車を利用するにせよ,とにかく,瀬戸大橋を利用するしか手段が残されていないということは不便なことです.

 廃止されるとなれば,最後に乗っておこうというのは凡人の習い.さっそく,お盆の帰省の折に,写真を撮ってきました.

(この項は多度津町史および多度津町誌を参考にしました)


福山港ターミナル

4時間に1便のダイヤ

乗船券 大人 片道 1700円

乗船券 普通車 往復 10300円

オレンジプリンセス福山港へ入港 11:45


いいかい

いくよ

よしきた

ワッセワッセ

いいよ

福山港フェリーターミナル

福山港をあとにして

福山−多度津フェリー航路
瀬戸の島々 船上からの眺め


多度津港が見えてきた 
どこが船着き場か分かりますか?
多度津港入り口

多度津港船着き場



多度津港発 最終便22:00

多度津港発 最終便22:00発 車両積み込み終了


出航

動き出した


8月31日はフェリー最後の運航日
これまで利用させてもらった感謝の気持ちを込めて最後の
運行状況を見るために乗ってきました.そのときの様子はこちらから
   
                          最終運航日
クインペア(グラフたどつ


 



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