TeXは、きちんとした数式がかける文書作成ソフトとして、MS-DOSのLaTeXの時代から、利用してきました。Windowsの時代になって、WinTeXがリリースされ、TeXは、一段と、使いやすくなりました。
 一方で、ワープロもどんどん進歩して、数式を書く場合でも、便利なソフトが組み込まれ、複雑な数式をビジュアルに作成できるようになりました。TeXでなくても、それなりに、数式がかけるようになると、正しくコンパイルされるまでは、どのようになるかも確認できないTeXは、あまりにも不便です。作図機能も貧弱とされるTeXの未来は暗いのでしょうか。

 そんなことはありません。TeXの緻密な文書作成機能と作図精度はすばらしいものです。これまで、仕事の上で、建築力学のテキストを作成するために、必要なマクロを作成し、スタイルファイルとしてまとめてきました。また、いろいろのTeXの本に書かれているマクロなどを、勝手に拝借して、一つのスタイルファイルにまとめました。これが、BASIC.STY Ver3.0です。1/1000インチ単位の基本的な作図マクロをもとに、建築力学の作図をするための多数のマクロを作成しました。

 スタイルオプションとして、BASIC.STYをインクルードすれば、多くの基本作図マクロを利用することができます。例えば、下のような図を描くには、picture環境と同じ機能を持つwaku環境の中で、座標基準点の位置(下図では、はりの右端)を指定した後、
    \leftsimple(0,0){1600}     %単純ばりを描く
    \dvload(1200,0){4t}       %下向き集中荷重を描く
    \hscale(0,-150){1200} {3m}    %スケールを描く
    \hscale(1200,-150){400} {1m}   %スケールを描く
の4行を書くだけです。

 ただし、BASIC.STYのマクロを利用するには、ASCMAC.STYが必要です。また、DVIファイルを表示するためには、標準のTeXフォントとWDVIPRO.EXEが必要です。

 
 BASIC.STYを使ってみてやろうと思われる方は、下の文字をクリックしてください。BASIC.STYのソースファイル、解説書のソースファイル、解説書のPDFファイルが、自己解凍型のファイルになっています。(6月15日に修正しました)

BASIC.STY Ver3.0 (520K)