「その5」での様々な形の一般式を、奇数ゼータζ(3)、ζ(5)、ζ(7)に応用した。
「エンケ彗星 その5」で<フラクタル構造を利用し、さまざまな一般式を出す>で、次のような4種類の面白い式を
出した。
「その5」ではこれを偶数ゼータζ(2n)に応用したが、ここでは、現代数学で不明とされる奇数ゼータζ(2n+1)に応用
する。
右辺を様々に変えた形のζ(s)一般式
もっとも簡単に表現すれば、結局上式は次のようになっているわけである。
ζ(s)=A0・ζ(s-2) + B0・ζ(s-4) + C0・ζ(s-6) + D0・ζ(s-8) + ・・・・・・ -----A
ζ(s)=A1・ζ(s-4) + B1・ζ(s-6) + C1・ζ(s-8) + D1・ζ(s-10) + ・・・・・ -----B
ζ(s)=A2・ζ(s-6) + B2・ζ(s-8) + C2・ζ(s-10) + D2・ζ(s-12) + ・・・・ -----C
ζ(s)=A3・ζ(s-8) + B3・ζ(s-10) + C3・ζ(s-12) + D4・ζ(s-14) + ・・・・ ----D
もちろん、<フラクタル構造を利用し、さまざまな一般式を出す>でやったように、さらに変形を加えれば、
さらに同様に変形を続けていけるのはいうまでもない。面白いではないか。
まずζ(3)の場合を、考えてみたい。上式でs=3とする。
A-2でs=3とすると、
[3][2]ζ(3)=[0] ζ(1)<2>
- [-2] ζ(-1)<4>
+ [-4] ζ(-3)<6>
- [-6] ζ(-5)<8>
+ [-8] ζ(-7)<10>
- [-10] ζ(-9)<12> ------A-3
・・・・・・・・・・・・・・
B-2でs=3とすると、
[3][2][1]ζ(3)
=[-2] ζ(-1)(<2><2> - [1]<4>)
- [-4] ζ(-3)(<2><4> - [1]<6>)
+ [-6] ζ(-5)(<2><6> - [1]<8>)
- [-8] ζ(-7)(<2><8> - [1]<10>)
+ [-10] ζ(-9)(<2><10> - [1]<12>)
- [-12] ζ(-11)(<2><12> - [1]<14>) ------B-3
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・C-2でs=3とすると、
[3][2][1][-1]ζ(3)
=[-4] ζ(-3)(<2><2><2> - [1]<4><2>- [-1]<2><4> + [1][-1]<6>)
- [-6] ζ(-5)(<2><2><4> - [1]<4><4>- [-1]<2><6> + [1][-1]<8>)
+ [-8] ζ(-7)(<2><2><6> - [1]<4><6>- [-1]<2><8> + [1][-1]<10>)
- [-10] ζ(-9)(<2><2><8> - [1]<4><8>- [-1]<2><10> + [1][-1]<12>)
+ [-12] ζ(-11)(<2><2><10> - [1]<4><10>- [-1]<2><12> + [1][-1]<14>) ---C-3
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・D-2でs=3とすると、
[3][2][1][-1][-3]ζ(3)
=[-6] ζ(-5)(<2><2><2><2> - [1]<4><2><2>- [-1]<2><4><2> - [-3]<2><2><4>
+ [1][-1]<6><2> + [1][-3]<4><4> + [-1][-3]<2><6> - [1][-1][-3]<8>)
- [-8] ζ(-7)(<2><2><2><4> - [1]<4><2><4>- [-1]<2><4><4> - [-3]<2><2><6>
+ [1][-1]<6><4> + [1][-3]<4><6> + [-1][-3]<2><8> - [1][-1][-3]<10>)
+ [-10] ζ(-9)(<2><2><2><6> - [1]<4><2><6>- [-1]<2><4><6> - [-3]<2><2><8>
+ [1][-1]<6><6> + [1][-3]<4><8> + [-1][-3]<2><10> - [1][-1][-3]<12>)
- [-12] ζ(-11)(<2><2><2><8> - [1]<4><2><8>- [-1]<2><4><8> - [-3]<2><2><10>
+ [1][-1]<6><8> + [1][-3]<4><10> + [-1][-3]<2><12> - [1][-1][-3]<14>) ----D-3
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このような興味ある4つの異なる表式でζ(3)が表現できた。
ただし、(1-1/2^n)=[n]、π^n /(n!・2^n)=<n>とした。例えば(1-1/2^2)は[2]であり、π^6 /(6!・2^6)は<6>である。
A-3の[0] ζ(1)は、もちろん、(1-1/1)・ζ(1)だが、これまで何度も述べてきた通り、log2(底自然対数)に
置き換えてよい。公式上 (1-1/1)・ζ(1)が出るだけで、テイラーシステムを自然に実行すればlog2となるからで
ある。
すなわち、上の4つは、次のような形になっているのである。
ζ(3)=A0・log2 + B0・ζ(-1) + C0・ζ(-3) + D0・ζ(-5) + ・・・・・・ -----A-4
ζ(3)=A1・ζ(-1) + B1・ζ(-3) + C1・ζ(-5) + D1・ζ(-7) + ・・・・・ -----B-4
ζ(3)=A2・ζ(-3) + B2・ζ(-5) + C2・ζ(-7) + D2・ζ(-9) + ・・・・ -----C-4
ζ(3)=A3・ζ(-5) + B3・ζ(-7) + C3・ζ(-9) + D4・ζ(-11) + ・・・・ ----D-4
そして、この右辺を関数等式を用いて、ζ(2n)に変換すると、次のようになる。
(面倒くさいので定数はそのままにしたが、上とは定数はもちろん異なっている)
ζ(3)=A0・log2 + B0・ζ(2) + C0・ζ(4) + D0・ζ(6) + ・・・・・・ -----A-5
ζ(3)=A1・ζ(2) + B1・ζ(4) + C1・ζ(6) + D1・ζ(8) + ・・・・・ -----B-5
ζ(3)=A2・ζ(4) + B2・ζ(6) + C2・ζ(8) + D2・ζ(10) + ・・・・ -----C-5
ζ(3)=A3・ζ(6) + B3・ζ(8) + C3・ζ(10) + D4・ζ(12) + ・・・・ ----D-5
結局、同じζ(3)でも、右辺は様々な形にアレンジできるのである。
次に、ζ(5)の場合を、見てみよう。冒頭の4式でs=5とすればよい。
[5][4]ζ(5)=[2] ζ(3)<2>
- [0] ζ(1)<4>
+ [-2] ζ(-1)<6>
- [-4] ζ(-3)<8>
+ [-6] ζ(-5)<10>
- [-8] ζ(-7)<12> ------A-6
・・・・・・・・・・・・・・
[5][4][3]ζ(5)
=[0] ζ(1)(<2><2> - [3]<4>)
- [-2] ζ(-1)(<2><4> - [3]<6>)
+ [-4] ζ(-3)(<2><6> - [3]<8>)
- [-6] ζ(-5)(<2><8> - [3]<10>)
+ [-8] ζ(-7)(<2><10> - [3]<12>)
- [-10] ζ(-9)(<2><12> - [3]<14>) ------B-6
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[5][4][3][1]ζ(5)
=[-2] ζ(-1)(<2><2><2> - [3]<4><2>- [1]<2><4> + [3][1]<6>)
- [-4] ζ(-3)(<2><2><4> - [3]<4><4>- [1]<2><6> + [3][1]<8>)
+ [-6] ζ(-5)(<2><2><6> - [3]<4><6>- [1]<2><8> + [3][1]<10>)
- [-8] ζ(-7)(<2><2><8> - [3]<4><8>- [1]<2><10> + [3][1]<12>)
+ [-10] ζ(-9)(<2><2><10> - [3]<4><10>- [1]<2><12> + [3][1]<14>) ---C-6
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[5][4][3][1][-1]ζ(5)
=[-4] ζ(-3)(<2><2><2><2> - [3]<4><2><2>- [1]<2><4><2> - [-1]<2><2><4>
+ [3][1]<6><2> + [3][-1]<4><4> + [1][-1]<2><6> - [3][1][-1]<8>)
- [-6] ζ(-5)(<2><2><2><4> - [3]<4><2><4>- [1]<2><4><4> - [-1]<2><2><6>
+ [3][1]<6><4> + [3][-1]<4><6> + [1][-1]<2><8> - [3][1][-1]<10>)
+ [-8] ζ(-7)(<2><2><2><6> - [3]<4><2><6>- [1]<2><4><6> - [-1]<2><2><8>
+ [3][1]<6><6> + [3][-1]<4><8> + [1][-1]<2><10> - [3][1][-1]<12>)
- [-10] ζ(-9)(<2><2><2><8> - [3]<4><2><8>- [1]<2><4><8> - [-1]<2><2><10>
+ [3][1]<6><8> + [3][-1]<4><10> + [1][-1]<2><12> - [3][1][-1]<14>) ----D-6
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
左辺がζ(5)の場合は、以上のようになる。
ζ(3)の場合と同様、A-6とB-6の[0] ζ(1)は、もちろんlog2(底自然対数)に置き換えてよい。
右辺を関数等式を用いて、ζ(2n)に変換すると、概略的に表現して次のような形になる。
ζ(5)=Z0・ζ(3) + A0・log2 + B0・ζ(2) + C0・ζ(4) + D0・ζ(6) + ・・・・・・ -----A-7
ζ(5)=A1・log2 + B1・ζ(2) + C1・ζ(4) + D1・ζ(6) + ・・・・・・ -------B-7
ζ(5)=A2・ζ(2) + B2・ζ(4) + C2・ζ(6) + D2・ζ(8) + ・・・・ -------C-7
ζ(5)=A3・ζ(4) + B3・ζ(6) + C3・ζ(8) + D4・ζ(10) + ・・・・ -------D-7
次に、ζ(7)の場合を、求める。冒頭の4式でs=7とすればよい。
[7][6]ζ(7)=[4] ζ(5)<2>
- [2] ζ(3)<4>
+ [0] ζ(1)<6>
- [-2] ζ(-1)<8>
+ [-4] ζ(-3)<10>
- [-6] ζ(-5)<12> ------A-8
・・・・・・・・・・・・・・
[7][6][5]ζ(7)
=[2] ζ(3)(<2><2> - [5]<4>)
- [0] ζ(1)(<2><4> - [5]<6>)
+ [-2] ζ(-1)(<2><6> - [5]<8>)
- [-4] ζ(-3)(<2><8> - [5]<10>)
+ [-6] ζ(-5)(<2><10> - [5]<12>)
- [-8] ζ(-7)(<2><12> - [5]<14>) ------B-8
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[7][6][5][3]ζ(7)
=[0] ζ(1)(<2><2><2> - [5]<4><2>- [3]<2><4> + [5][3]<6>)
- [-2] ζ(-1)(<2><2><4> - [5]<4><4>- [3]<2><6> + [5][3]<8>)
+ [-4] ζ(-3)(<2><2><6> - [5]<4><6>- [3]<2><8> + [5][3]<10>)
- [-6] ζ(-5)(<2><2><8> - [5]<4><8>- [3]<2><10> + [5][3]<12>)
+ [-8] ζ(-7)(<2><2><10> - [5]<4><10>- [3]<2><12> + [5][3]<14>) ---C-8
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[7][6][5][3][1]ζ(7)
=[-2] ζ(-1)(<2><2><2><2> - [5]<4><2><2>- [3]<2><4><2> - [1]<2><2><4>
+ [5][3]<6><2> + [5][1]<4><4> + [3][1]<2><6> - [5][3][1]<8>)
- [-4] ζ(-3)(<2><2><2><4> - [5]<4><2><4>- [3]<2><4><4> - [1]<2><2><6>
+ [5][3]<6><4> + [5][1]<4><6> + [3][1]<2><8> - [5][3][1]<10>)
+ [-6] ζ(-5)(<2><2><2><6> - [5]<4><2><6>- [3]<2><4><6> - [1]<2><2><8>
+ [5][3]<6><6> + [5][1]<4><8> + [3][1]<2><10> - [5][3][1]<12>)
- [-8] ζ(-7)(<2><2><2><8> - [5]<4><2><8>- [3]<2><4><8> - [1]<2><2><10>
+ [5][3]<6><8> + [5][1]<4><10> + [3][1]<2><12> - [5][3][1]<14>) ----D-8
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ただし、(1-1/2^n)=[n]、π^n /(n!・2^n)=<n>とした。例えば(1-1/2^2)は[2]であり、π^6 /(6!・2^6)は<6>である。
左辺がζ(7)の場合は、以上のようになる。A-6とB-6の[0] ζ(1)は、もちろんlog2(底自然対数)に置き換えてよい。
この右辺を関数等式を用いてζ(2n)に変換してと、概略的に表現すると次のような形になる。
ζ(7)=Y0・ζ(5) + Z0・ζ(3) + A0・log2 + B0・ζ(2) + C0・ζ(4) + ・・・・・・ -----A-9
ζ(7)=Z1・ζ(3) + A1・log2 + B1・ζ(2) + C1・ζ(4) + D1・ζ(6) + ・・・・・・ -----B-9
ζ(7)=A2・log2 + A2・ζ(2) + B2・ζ(4) + C2・ζ(6) + D2・ζ(8) + ・・・・・・ -----C-9
ζ(7)=A3・ζ(2) + B3・ζ(4) + C3・ζ(6) + D4・ζ(8) + E1・ζ(10) +・・・・・・ ----D-9
以上をまとめて、ζ(3)、ζ(5)、ζ(7)の概略の表現を並べてみると、次のようになる。
(面倒くさいので定数は同じように書いたが、ζ(3)、ζ(5)、ζ(7)で定数はもちろん異なっている。)
ζ(3)の場合
ζ(3)=A0・log2 + B0・ζ(2) + C0・ζ(4) + D0・ζ(6) + ・・・・・・ -----A-5
ζ(3)=A1・ζ(2) + B1・ζ(4) + C1・ζ(6) + D1・ζ(8) + ・・・・・ -----B-5
ζ(3)=A2・ζ(4) + B2・ζ(6) + C2・ζ(8) + D2・ζ(10) + ・・・・ -----C-5
ζ(3)=A3・ζ(6) + B3・ζ(8) + C3・ζ(10) + D4・ζ(12) + ・・・・ ----D-5
ζ(5)の場合
ζ(5)=Z0・ζ(3) + A0・log2 + B0・ζ(2) + C0・ζ(4) + ・・・・・・ ------A-7
ζ(5)=A1・log2 + B1・ζ(2) + C1・ζ(4) + D1・ζ(6) + ・・・・・・ ------B-7
ζ(5)=A2・ζ(2) + B2・ζ(4) + C2・ζ(6) + D2・ζ(8) + ・・・・ ------C-7
ζ(5)=A3・ζ(4) + B3・ζ(6) + C3・ζ(8) + D4・ζ(10) + ・・・・ ------D-7
ζ(7)の場合
ζ(7)=Y0・ζ(5) + Z0・ζ(3) + A0・log2 + B0・ζ(2) + C0・ζ(4) + ・・・・・・ -----A-9
ζ(7)=Z1・ζ(3) + A1・log2 + B1・ζ(2) + C1・ζ(4) + D1・ζ(6) + ・・・・・・ -----B-9
ζ(7)=A2・log2 + A2・ζ(2) + B2・ζ(4) + C2・ζ(6) + D2・ζ(8) + ・・・・・・ -----C-9
ζ(7)=A3・ζ(2) + B3・ζ(4) + C3・ζ(6) + D4・ζ(8) + E1・ζ(10) +・・・・・・ ----D-9
これを見ると、右辺は面白い規則性になっていることがわかるだろう。
ζ(9)、ζ(11)、・・に関しても、もちろん同類の式を導出していくことができる。
上以外のアレンジもいろいろあるが、この辺にしておく。
じつはA-3〜D-3の4式で右辺がこのように異なることで収束性にどのような違いが出るのか?なども
少し気になったのであるが、あまり本質的な問題でもないので、調べないで済ます。
いろいろと着想が浮かんできている。
テイラーシステムの応用は広大であり、さらに本質的な問題を探っていく。
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