時間(絶対時間)の定義


 次のT1からT4でもって、時間(絶対時間)の性質を定義する。

T1.絶対時間とは、人類共通の認識の上にたった概念であり、宇宙全体を一様に流れるもの
   である。
NOTE
 時間は全宇宙において一様に流れるものであり、任意の系において時間は共通である。
全ての系で、共通の時計を持つことが可能であり、時計の時刻の刻み方は、全ての系で完全に同じである。系によって、
時間の進み方が違ったりすることはない。ある系での時刻t1と言うとき、他のどの系においてもそのときの時刻はt1である。


T2.時間(絶対時間)は、概念であり、物理的な”実体”ではない。
NOTE
 “時間”は、人間が便宜的に考えだした観念的な概念であり、実在するものではない。よって、「なぜ時間は過去から未
来へ流れるか?」といった問いは意味のない問いである。なぜなら、人間が、物の変化を表現するのに便利だからという、
それだけの理由で“時間”という便利な概念を考え出したものだからである。「時間とは宇宙全体を過去から未来へ一様に
流れるもの」とはじめに規定し約束したものなのであるから(人類共通の約束)、最初に約束したものを、「なぜ時間の矢は
そのように流れるのか?なぜ逆転しないのか?」などと問うのは意味のないことである。時間はこの世には実在しないもの
なのである。


T3.時間は、空間または他のいかなる物理的実体からも独立である。
NOTE
 “時間”は、人間が便宜的に考えだした概念なのであるから、力の場やその他考えられ得るすべての物理的実体からの
影響を一切受けることはない。例えば、いかなる強力な重力場が存在していようと、それにより、時間が遅れたりすることは
なく一様に流れていく。なぜなら,T2でも説明した通りそれが人類がはじめに時間という概念を考え出したときからの約束
だからである。また、当然、空間からも独立である。


T4 時計の時刻は、光でもって合わせなければならない理由はない。
NOTE
 「時計を合わせる」という操作をするとき、今後は、特殊相対性理論の場合のように光でもって合わせるということをしない
ことにする。遠くに離れている時計同士を合わせる場合、特殊相対論では、時計を近づけて合わせてから離したりすると
時計が狂うからという理由で拒否されているが、「光という手段でもって」合わせなければならないという絶対的な理由など
じつはどこにもないのである(アインシュタインが勝手にそうやっただけである)。時計同士を合わせる場合は、「ある時計
を基準時計に無限にゆっくり近づけて合わせ、そして無限にゆっくり離していく」という操作で合わせればよい。最後の方
法で、宇宙中の全ての時計を合わせればよいのである。

以上。



物理学における新しい基本公理

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