コラム 古賀 勝

      


【2023年06月04日更新】

好きな季節


梔の花

 早すぎる梅雨入りに台風2号が重なって、典型的な雨模様。去年も同じことを書いたような気がするが、好きなんです、湿っぽくていつ降り出すかわからないこの季節が。
狭い狭い我が猫額庭を見回してみる。5月末に梅の収穫に沸いたばかりだというに、ただいま伝統的な額紫陽花が梔の花が真っ盛り。「おまえのような花だった」と、渡哲也になった気分で口ずさむ。梔ばかりが花じゃない。隣には生い茂ったナンテンが大いばりで立っている。こっちこっちと呼ぶのは、ダリヤと鳳仙花の群れ。ザコバサボテンが豪華な花びらを揺らして、こちらもアピールの最中。
好きなんです、6月頭の雨模様は。


収穫の喜び

 我が猫額庭での「収穫」といえば、甘夏・八朔と青梅である。柑橘は1月から4月まで、しっかりいただいた。次は梅の実ちぎり。危険を覚悟ではしごで上り、約300個の立派な実をざるに盛った。言い得ないほどの充実感に包まれる瞬間だ。
本来は、それから梅干しづくりに進まなければならないのだが、とても自信がなくてやめた。「収穫の喜び」なんて、自慢話ができるのかな、それで。(2023年05月28日)


中西太とライオンズ


中西太が大暴れしたかつての平和台球場跡地

 中西太氏の死去が報じられた。元西鉄ライオンズの三塁手で、監督も兼任したことがある歴史的なプロ野球選手である。
彼はボクより9歳年上で高松一校からプロ入りしてすぐにスター選手に上り詰めた人物なのだ。ボクが高校卒業して福岡の会社に就職した頃、彼は稲尾や豊田らと組んで「野武士軍団」の一員として、不敗の街道を突き走っていた。狭い平和台球場の三塁側スタンドで、いつもいつも中西が三塁を守っていた姿を眺めていた。
バッターボックスに立つと、あの丸い体型が、小さな丸いボーロールとせめぎ合いをしているように見えたものだ。打てばホームラン。それもただの打球ではない。三塁オーバーのレフト前ヒットかと思えば、玉はそのままレフトスタンドに飛び込んでしまう。かと思えば、高く舞い上がった打球は、センター向こうの外野席を越えて、高い楠木の陰に吸い込まれていった。とてつもない腕力とタイミングが、中西太の夢のホームランを生み出していたのだった。
もう、あんな桁外れの野球選手は永遠に出ないだろうなと思っていたら、海の向こうから「大谷翔平がいるよ!」の叫び声が聞こえてくる。今とむかしじゃ、何もかも環境が違うんだからと剥きになりそうな85歳の自分が、平和台球場のすぐ南から声を張り上げたいた。(2023年05月21日)

不甲斐なくも・・・

 今週はついに寝込んでしまい、諸活動が一歩も前に進まなかった。突然我が身を襲った筋無力症で、立ち上がることもできず、連れ合いが手配した救急車に乗せられて深夜の病院に。検査の結果、「コロナ陽性です」だって。5月7日日曜日のことだった。
何とか家にたどり着いて、「自宅療養」生活に。間が悪いというべきか、この日が政府のコロナ対策本部最終日なのである。病院も扱いに戸惑っているし、政府はまだ期限内なのに、パソコンのアプリをすべて消去しているという。仕方ないから、病院では当面の処置をしてもらって帰ってきた。
1週間もすれば、「自由の身」になれるとのことだが、憂鬱な1週間であった。その間家の外には出れず、好きなこともできない。本サイトの更新をとパソコンに向かうも、どうも頭がさえない。今週は、最小限の書き込みだけで「更新」を済ますことにしよう。読者の皆さん、ごめんなさい。(2023年05月14日)


寒の戻り

 毎年のことながら、この時期寒の戻りに悩まされる。昨日と今日の温度差が15度近くにもなるんだから。最高気温は今日が15度、昨日は30度だった。これじゃ風邪を引くどころか、気も狂ってしまいそう。
でもね、猫額庭の植物さんたちは、「それが当たり前よ」と、こちらを向いて笑っている。そうなんだ、そんな気候の変動を受け入れることで、彼らは無事に成長していくんだからね。見習いましょう。(2023年04月30日)


四番目に打つ男

 野球競技で、スターティング表の4番目に指名される選手のことを「四番打者」という。そのチームで最も頼れる打者の尊称でもある。四番打者の最大の役割は、塁に出ている走者をホームに返すこと。プロ野球のソフトバンクでその役を担うのは栗原陵矢である。
一昨年、彼が初めて四番に指名されたとき、お父さん(だったか?)が、「立派な選手になったと勘違いするんでない」と戒めたことがスポーツ欄に紹介されていた。「おまえの役割は、単なる四番目に打席に入る選手」なんだと言い聞かせていた。なぜかその時の「四番目」が忘れられない。
今年の栗原は、出足こそ「四番打者」だったが、最近の彼を見ていると、「四番目に打っている栗原」にしか思えないのだ。自分の人生を振り返るとき、その「四番目」と「四番打者」を勘違いしたことがいかにおおかったことかと悔やんでいる。
栗原君よ、真からの「四番打者」に成長してくれ!(2023年04月23日)


ラジオ体操の効用

 30年ほど前から始めた朝のラジオ体操を、ほぼ欠かしたことがない。なぜなら、体操開始以前に苦しんでいた悩み事が蘇るからだ。それは、腰部の異常である。それまでは腰の痛みに悩まされ続けだった。時々襲ってくるぎっくり腰は、想い出すのも嫌なことである。あの痛みは、経験したことのない人にはわかるまい。
あるとき、ふと思いついてラジオ体操を始めたら、その日一日身体が軽かった。腰も痛くない。長時間車の運転も、座り込んだままのテレビ観戦も気にならなくなった。もちろん、ぎっくり腰ともおさらばだ。この経験を、誰かに強要する気はない。人間、身体の一部の不調が人生を狂わせることだってあるような気がする。だから、雨の日も風の日も、場所もいとわずに、365日続ける。(2023年04月09日)


久々の県跨ぎ

 「望東尼」取材で、久々の県跨ぎ。関門海峡を潜って山口県の防府市までの旅である。それほどにコロナ禍は、ボクの足をがんじがらめに縛っていたということか。お蔭で、新幹線の勝手がわからなくなっていた。
博多駅で、「こだまで博多から新山口経由の山陽本線防府まで特急券と乗車券を2枚切符でお願いします」と係員に注文した。「それはできません」という返事。「どうして?」と尋ねると、「乗車券は新山口までしか買えないのです」と答える。それでは乗車券だけでも防府まで、と頼んでも「駄目です」の一点張り。「どうして?と訊けば、「忙しいから」と、さっさと向こうへ消えてしまった。
理由わからないままでこだまに乗って新山口まで。山陽本線に乗り換えようとするが、次の切符をどう求めたら良いものか見当もつかない。「親切な駅員さんに教えて貰って、やっと防府駅にたどり着いた。半日取材をこなして、さあ帰ろうかと防府駅に戻った。交通系パス券を出して博多までの乗車券を買おうとするが、どの機械を使えば良いかわからない。駅員さんを呼び出して尋ねると、「ここではパス券は使えません」だって。「でも、ここは大動脈の山陽本線でしょう?それなのに…」と、理由を訊くと、「ご覧の通り、この駅には自動販売機も自動改札の機械もないからです」。
キャッシュレス移行のこの時代、それも博多−東京など何十回も通過した防府駅で、現金しか通用しないなんて、信じられない。(2023年04月02日)


WBC優勝で想い出す

 2023年3月22日は、珍しくテレビの前で興奮した。国別対抗の野球「WBC」で日本が優勝したからである。それも、予選リーグからスリルの連続だったため、決勝戦では注目が最高潮に達したのだ。興奮も「過ぎる」と健康には良くないことはわかっているが、今日一日くらいはいいだろう。
ところで、日本がアメリカを破って優勝したとなると、想い出すのが60年ほど前のこと。当時からプロ野球が好きだったボクは、よく平和台球場に通った。西鉄ライオンズ全盛時代である。どんなに西鉄が強くても、シーズンオフに日本にやってくるアメリカのチームには歯が立たなかった。朝日と毎日の両新聞社が交代でアメリカのチームを呼んで、日本のプロと対決させたものだ。
アメリカは、シーズン中の慰労を兼ねていたのか、家族連れのまるで新婚旅行気分である。真剣勝負で挑む日本チームを嘲笑うかのように強かった。これが、本物の野球なんだと、球場の片隅で縮こまっていた自分を思い出す。
それがどうだ。今日ではダルビッシュや大谷翔平など、逆にアメリカに胸を貸しているではないか。スポーツに目くじら立てる必要はないが、やっぱり日本が強いとうれしい。(2023年03月26日)


WBC

 3月に入ってからのテレビは、WBCの話題で大変だ。勝った負けたのスポーツの社会じゃなくて、選手一人一人の話題で根掘りは掘りなのである。朝から晩までWBCで染められると、それほど関心が高くなかったボクまでもが、試合のある日は朝からそわそわしてしまう。
始まってしまうと、何とジャパンの強いこと。醒めていたはずの「ソフトバンクの近藤の活躍まで身を乗り出してしまう。
試合形式がサッカーのワールドカップと同じく、国別対抗のせいなのだろう。日本が勝つのか負けるのか、民族意識丸出しでテレビの中の選手たちに声援を送っている。まあいいか、まもなく決着はつくのだから。と、思いきや、WBC終了と同時にプロ野球のペナントレースが幕を開けてしまう。(2023年03月19日)


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