デモンズ
DEMONS
伊 1985年 88分
製作 ダリオ・アルジェント
監督 ランベルト・バーヴァ
脚本 ダリオ・アルジェント
ランベルト・バーヴァ
音楽 クラウディオ・シモネッティ
出演 ターシャ・ホーヴェイ
ウルバノ・バルベリーニ
カール・ジニー
フィオーレ・アルジェント
この映画、好きな人も多いようだが、私はてんでダメだと思う。
たしかに、虚構と現実がシンクロする前半は面白い。しかし、後半は何のヒネリもないゾンビ合戦。アイデア一発勝負の映画としか思えない。
不気味な男から映画の試写状をもらったヒロインは、友達を誘って観に行って、ナンパされてイイ気分。上映されたのはホラー映画で、ヒロインがキャーキャーと抱きついてきて、ナンパ野郎もイイ気分。映画の後は一発キメて、とてもイイ夜になる筈だった。
ところが、上映されている映画と同じことが劇場の中でも起こり始めたのだ。映画の中で出演者がゾンビになると、観客の一人もゾンビになる。これに襲われた奴もゾンビになって、劇場内は修羅場と化すのであった。
映画の中で刃物が振り降ろされると、それにあわせて被害者がスクリーンを破って客席に転がり落ちるという描写はなかなか面白い。しかし、その後が問題だ。
東宝東和の宣材によれば、本作は「驚異の超立体ホラーシステム、キュービックショック」なのだそうだ。「迷路ゲームがスタート。一度入ったら二度と出られません」というからにゃ、閉ざされた劇場から如何に脱出するかを描いた『ポセイドン・アドベンチャー』のような展開を期待するじゃないか。ところが、観客は二階桟敷に籠城してブルブル震えているだけなのだ。で、そこにゾンビが押し寄せて来て、ヒロインたちを除いて全滅。いったいどこが「迷路ゲーム」なのだろうか?。
結局、東宝東和に騙されて、勝手に期待した私が悪いのだ。製作ダリオ・アルジェント、監督ランベルト・バーヴァ(名匠マリオ・バーヴァの愚息)という布陣からすれば、これでもかなりの上出来なのだろう。
なお、本作には続編があって、今度は高層マンションを舞台にした同じような映画であった。
それから『デモンズ3』『デモンズ4』『デモンズ5』というビデオも出ているが、いずれも原題は「デモンズ」とは関係ない別の映画であった。
↑訪問販売には気をつけよう。
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