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哀愁の花びら
VALLEY OF THE DOLLS

米 1967年 123分
監督 マーク・ロブソン
原作 ジャクリーン・スーザン
音楽 ジョン・ウィリアムズ
出演 バーバラ・パーキンス
   パティ・デューク
   シャロン・テート
   スーザン・ヘイワード
   リー・グラント


 シャロン・テートが出ていなかったら観なかった。その大根っぷりを再確認するために観たのである。すげえぜ、この棒読み。抑揚というものがまったくない。劇中、彼女のこんな台詞がある。
「私は才能がないからカラダで売るより仕方がないのよ」。
 マジなだけに泣けてくる。

 内容はショー・ビジネスの世界に生きる3人の女の成功と堕落を描いたメロドラマである。
 田舎から単身上京し、ブロードウェイのエージェントに勤めたアン(バーバラ・パーキンス)は、初仕事で芸能界の裏側を目の当たりにする。大御所女優(スーザン・ヘイワード)が有望な新人の芽を摘み取っていたのである。
 摘み取られたニーリー(パティ・デューク)は、アンとその恋人の手助けにより次第に名声を獲得し、遂にはハリウッドにまで進出する。ところが、慢心した彼女は酒とドラッグに溺れて行く。
 かたや、才能がないジェニファー(シャロン・テート)は肉体派として売り出すが、夫が難病を患ってしまう。治療費を稼ぐためにポルノ映画に出演するも、自らも乳癌を患う。人生をはかなんだ彼女は、睡眠薬で自殺する。
 一方、スタジオを干されたニーリーは、アンの助力により立ち直る。ところが、勢い余ってアンの恋人を寝取ってしまう。そして、かつて自分がそうされたように有望な新人の芽を摘み取り始めるのであった.....。
 といった悲惨な展開がこれでもかと押し寄せる。まるで昼ドラのようである。それを映画という2時間枠に無理に詰め込んだために、大河ドラマの総集編を観ているかのような目紛しさだ。はっきり云って、この原作『人形の谷』は連続ドラマの題材である。映画向きではない。

 しかし、それでも本作は、あちらではオカマな方々の間ではカルト・ムービーであるらしい。なんか判るわあ。この安っぽさ、如何にもオカマが好きそうだわあ。
 これが好きだったらオカマ、そうでなかったらストレート、というリトマス試験紙のような映画なのだ。で、私はというと、部分的に結構好きな映像とかあったりして、微妙なところに居たりする。
 俺って結構、微妙なんだよなあ。先日も『ジョアンナ』に泣けちゃったりして。

 なお、本作の「勝手な続編」として製作されたのが、ラス・メイヤー監督の『ワイルド・パーティ』である。


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