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ブレイン・ダメージ
BRAIN DAMAGE

米 1987年 88分
監督 フランク・ヘネンロッター
脚本 フランク・ヘネンロッター
出演 リック・ハーブスト
   ゴードン・マクドナルド
   ジェニファー・ロウリー
   ケビン・ヴァン・ヘンテンリック


『バスケットケース』で世界中を驚愕させたフランク・ヘネンロッターの商業監督第2作。更に無茶苦茶な設定と物語で世界中を驚愕させた。

 主人公のブライアンは或る日、エルマーというペニス状の奇怪な生物に寄生される。中世から生き続ける知性体で、言葉もしゃべるし、歌も歌う。彼の好物は人間の脳ミソ。しかし、彼自身は捕獲しない。寄生主に捕獲させて、その代償として寄生主の脳髄に幻覚剤を注入する。ブライアンもエルマーが注入する「ヤク」の中毒となり、恋人をも差し出すジャンキーとなり果てるのであった.....。

 本作のテーマもまた『バスケットケース』と同じく「因果な絆」である。ブライアンとエルマーはあまりにも不道徳なギブ・アンド・テイクの関係にある。エルマーは快楽を与え、ブライアンは餌食となる人間を与える。
 しかし、『バスケットケース』と違うところは、エルマーは相手を選べる、ということである。エルマーに捨てられたかつての寄生主は、再び「ヤク」を得るためにブライアンにつめ寄る。争いの中でエルマーは潰され、大量の「ヤク」がブライアンの脳髄に注入される。
 うわ〜ッ。過剰に摂取された幻覚症状。
 脳髄いっぱいの光のたばを解放するために、ブライアンは拳銃で脳天を撃ち抜く。ポッカリと開いた脳天から光のたばが溢れ出る。幻覚が現実の世界に侵食するラストのあまりの奇想天外に、開いた口が塞がらなかった。いったいどうしたらこんな奇妙な映像を思いつくのやら、監督の正気を疑った。

 監督のヘネンロッターはニューヨーク在住のアウトロー。アマチュア時代の16ミリ作品『SLASH OF THE KNIFE』はあの『ピンク・フラミンゴ』との併映が予定されていたが「あまりにも過激すぎる」との理由でオクラ入りとなったという逸話が残っている。


関連人物

フランク・ヘネンロッター(FRANK HENENLOTTER)


 

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