悪魔の毒々モンスター 米 1984年 95分 |
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トロマという映画会社がある。 例えば『悪魔の毒々モンスター』。いじめられっ子のメルビン君が核廃棄物の樽に落とされて「毒々モンスター」にミューテイション。歪んだ顔、バレリーナの下半身(どうしてバレリーナなのかは映画を観てネ!)、手にする武器はモップ(どうしてモップなのかは映画を観てネ!)というなんとも不細工なこの怪物は、自分をこんな姿にした野郎どもの脳ミソをグチャリグチャリと潰しまくる。最後にはデブの原発所長のはらわたエグリ出し、エコロジーに貢献したメルビン君は街の英雄になってジ・エンド。中盤にメルビン君と盲目の美少女のセックス・シーン有り。これはなかなかの見物であります。 『悪魔の毒々ハイスクール』なんてのもある。ここはトロマヴィル。原発とハイスクールが並んである街。学生たちはアホばかり。隣の原発ではメルトダウン。突然変異のモンスターがハイスクールに潜入し、学生たちを血祭りに上げる。一方、スリルを求めるボンクラどもはモンスター退治に乗り出すのであった。 完全にアホなのが『悪魔の毒々サーファー』。大地震に襲われた西海岸カリフォルニアは、今や無法地帯と化していた。ここにはもうカタギのサーファーはいない。浜辺では「サーフ・ニンジャ」や「サーフ・ナチス」といった訳の判らない連中が縄張りを巡って、007モドキの珍妙なる武器を駆使して(例えば、サーフ・ボードから手裏剣が飛び出すとか)、熾烈な闘いを繰り広げていた。そこに「サーフ・ナチス」一味に息子を殺された黒人のおばちゃんが乱入。ダーティ・ハリー顔負けにビッグ・マグナムをブッ放ち、悪魔の毒々サーファーどもを全滅させるのであった。原題『サーフ・ナチス・マスト・ダイ』(笑)。 |
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さらにアホなのが『悪魔の毒々モンスター、東京へ行く』。来なくてもいいのだが、何故か東京に来てしまったメルビン君は、何度も何度も関根勤を驚かし、銭湯に入り、敵の鼻をタイヤキにする(どうしてタイヤキになったのかは映画を観てネ!)。終いにゃ、何故か安岡力也と相撲をとる。あの永井豪も特別出演し、関根勤と佃煮の話で盛り上がる。かつて007やがんばれベアーズ、ミスター・ブーまでが東京に来たが、これほどワケの判らない外タレの訪問は初めてである。 この他にも、 時代は移り、21世紀の日本。驚くほどくだらない『シベリア超特急』がカルト化している。いよいよ我が国でも、トロマのような映画会社が必要とされているのかも知れない(というか、水野晴郎が我が国のトロマなのだろう)。 |