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キラーコンドーム
KILLER CONDOM

独 1996年 107分
監督 マルティン・ヴァルツ
原作 ラルフ・ケーニッヒ
出演 ウド・ザメール
   ペーター・ローマイヤー
   ゲルト・バーメリンク


 日本公開当時、いろいろな人が褒めていたので、あまり期待しないようにしながらも、多少は期待しながら観た。そして、その期待は見事に裏切られた。『ネクロマンティック』や『テロ2000年・集中治療室』のような、かなり壊れた映画を期待したのだが、中途半端な壊れ方をした凡作だったのだ。こういう映画は百害あって一利なし。勘違いした後続者を出さないためにも、この映画を褒めることはもうやめましょうや。

 まあ、せっかくだから、簡単なあらすじを書いておこう。
 NYの或る連れ込み宿で、男がチンポコを喰いちぎられる事件が発生。ホモで巨根のマカロニ刑事が捜査に当たるも、現場で美少年と出会いベットイン。しかし、自身も右のキンタマを喰われてしまう。
「コンドームにキンタマ喰われたッ」と主張する彼は署内の笑い者だが、頑固な彼は執拗に捜査を続け、遂にコンドームの化け物を捕獲する。それは人間の皮膚を加工した人工生物で、狂信的な尼僧が性の乱れた現代の世直しのために放ったものだった。マカロニ刑事は教会の地下室へと潜入するが、そこで彼を待ち受けていたものは、H.R.ギーガーがデザインした「マザー・コンドーム」だった.....。

 とまあ、あらすじを書いていても面白くないし、実際に観ていても面白くない。マトモな監督と俳優が、確かな演出と演技で繰り広げる下ネタ。文学座がドリフをやっても面白くないのと同じで、こういうのはキチンと作ってはダメなのだよ。かなり壊れていないと。例えば、米トロマあたりが作ったら、もっと面白くなったのだと思う(註1)。

 なお、本作の特撮を担当したのは『ネクロマンティック』の監督であるユルグ・ブッゲライト。あまり壊れた映画ばかり撮るものだから当局にマークされ、最近では映画を撮れなくなってしまった彼だが、こんなところでアルバイトしていたのだった。

註1 あくまでも相対的な意味で。トロマの映画が面白いというわけではない。


 

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