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悪魔のサンタクロース 惨殺の斧
SILENT NIGHT, DEADLY NIGHT

米 1984年 79分
監督 チャールズ・E・セリアー・Jr.
出演 リリアン・シャーヴィン
   ロバート・ブライアン・ウィルソン
   ギルマー・マコーミック
   トニー・ネロ
   ブリット・リーチ


「全米で上映禁止の州が続出!」の宣伝文句は、かの東宝東和の常套句で、その実態は嘘八百だったりするのだが、本作に関する限りは本当である。子供たちのアイドル、サンタさんが人を殺しまくるとあって、PTAの皆さんはヒステリックに反応。教会まで巻き込んだ抗議運動を展開し、一部の州を除いて上映禁止に追い込んだ。
 ところが、『スナッフ』の例を挙げるまでもなく、抗議運動が盛り上がれば盛り上がるほど見たくなるのが人情というもの。しかも、当抗議運動はCNNを通じて全世界に発信されてしまったために、本作の名は一夜にして世界的なものとなってしまった。作品自体はロクなものでなかったにも拘わらず一躍カルト化、5作目まで作られるヒット商品となったのだから、世の中皮肉なものである。

 さて、内容はというと、PTAの大顰蹙を買うのも無理もないインモラル。クリスマス・イブの晩に両親をサンタ姿の強盗に惨殺された少年が、孤児院で禁欲的に育てられ、エッチをするとサンタさんの罰が当ると勝手に思い込む。バイト先でサンタの衣装を着せられた彼は、
「悪い子はいねえかあ。エッチしてる奴はいねえかあ」
 と、なまはげ状態で、頼まれもしない殺しを請け負うのであった。

 結局、ラストで「本当に罰せられるべきは誰か?」を察した主人公は孤児院の院長を襲うが、果たせずに射殺されてチョン。その仇を討つために、弟が「なまはげサンタ」に扮するのが続編。

 これ以降は、メイン・タイトルは同じだが、まったく別の物語である。
 3作目の邦題は『ヘルブレイン/血塗られた頭脳』。殺人鬼と超能力少女の対決を描いた作品らしい(私は未見)。
 4作目は『新死霊のしたたり』。人体自然発火現象に魔女とゴキブリが絡む、という訳が判らない作品であった。
 5作目は『キラー・ホビー/オモチャが殺しにやって来る』。サンタの人形が人を殺すという『チャイルド・プレイ』のような作品らしい(私は未見)。
 最後の2つはブライアン・ユズナの製作作品である。


関連人物

ブライアン・ユズナ(BRIAN YUZNA)


 

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